[週刊ファイト9月28日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼Knockout歴代女集結Impact1000回Team3D復活 X新王者Cセイビン
photo by George Napolitano タダシ☆タナカ編
・功労者ゲイル・キム ビューティフル・ピープル対Aコング Mジェームス
・Jグレイス Dプラッツオ 現王者トリニティ次週10人タッグTeam Over
・Feast or Fired上村優也KUSHIDA Cベイ Cスティーブ PCOムースも
・2014年以来ブラザー・ディーボン復帰!目玉の再結成Team3D復活
・Impactファン広言ジョシュ・アレキサンダーはアレックス・シェリーmark
・夫婦混合戦 Fカザリアン&Tブルックス-エディ&アリーシャ・エドワーズ
・part1トリX部門王座戦!総出の終幕クリス・セイビン奪回リオ・ラッシュ
■ Impact Wrestling 1000 part1
日時:9月9日(現地収録)、9月14日(現地放送時間)
会場:米ニューヨーク州ホワイト・プレーンズ ウェチェスター・カウンティ―・センター
功労者ゲイル・キム ビューティフル・ピープル対Aコング Mジェームス
スコット・ダモアーが単独の代表になり、TNAからImpactになって1000回目のエピソードを迎えた。豪華な顔ぶれが揃い、2時間番組が今回紹介する分と次週にわけてTV収録が行われたので、本誌はジョージ・ナポリターノ記者を派遣。現地からのレポート交えて詳細拡大版でお届けする。
もう映像オープニングからして特別仕様で、これまでの様々なハイライト場面を散りばめた少し長いイントロから。そしてスコット・ダモアー代表がリングに上がり、1000回迎えられたことに感謝を述べる。ちなみに、当日の収録の順番ではこれはちょうど真ん中辺りであった。そのイントロでも目立っていたが、Impactと言えば女子のKnockout部門である。スコットもそこを強調。最大の貢献者にして功労者であるゲイル・キムを呼び込んだ。
本誌からは、世界で唯一無比の『ゲイル・キム写真集』が発売中である。ちなみにミルホンネット出版社としては、過去3度電子書籍の販売フォーマットを変更している。現在のはWindowsにもAppleにも、Androidやi-phoneにも全方位で対応したのみならず、パソコンなりを買い替えても永久保存が可能な利便性の高い電子書籍形式になっている。もっとも裏でやり直す側はその度に大変な作業を強いられるものであり、変更を機会にそのまま引っ込めたタイトルが沢山ある。しかしながら、『ゲイル・キム写真集』は好評をいただいているロングセラー作品であり、時間がかろうがやり直して発売してある。それだけ自信作である証なのだ。そしてスコット・ダモアー代表が、比較的長くゲイル・キムを称えるスピーチを行ったのである。
▼元WWEディーバ ゲイル・キム写真集
そこからはもう、ビューティフル・ピープル(出てきたのはアンジェリーナLOVEとヴェルベット・スカイの2名だけ)以下、次から次へと歴代のKnockout部門王者たちが花道から出てきての豪華総出演に。ここでアメプロに詳しくない方に簡易的に再紹介するなら、その昔にWWEには「DIVAの時代」というのがあって、目の保養としては満点なんだが、悪く言うなら女子マネなのか選手なのか曖昧というか、まともに”試合”ができるのはごくわずか。その生き残りが、じきに50歳になろかというトリッシュ・ストラタスであり、つい先日、ベッキー・リンチと壮絶な金網戦をやって驚かせたばかりだ。
▼冒頭ベストマッチ圧巻トリッシュ・ストラタス金網20分ベッキー・リンチ!
Jグレイス Dプラッツオ 現王者トリニティ次週10人タッグTeam Over
そこから「女子革命」と称される、わかりやすく言えば日本のJoshi Puroresuをやるように時代とともに変貌を遂げるのであるが、順番としては、Impact Wrestlingがあえて「女子部門」と呼ばずに”Knockout Division”という名称でやり出した方が先なのだ。だから、この1000回記念が歴代の女子選手を大挙召集、TV番組としてはそこから始めたのである。今の時代、誰が勝って負けたかの結果なりは、知ろうと思えばスグに調べられるわけだが、それではImpactがこの記念大会になにを強調したかったのかがわからない。ようやく番組をじっくり見て、やっと全体像が見えてきた。ビューティフル・ピープルが大先輩ゲイル・キムに噛みつけば、現在の王者トリニティも蛍光が光る派手な原色コスチュームで出てくる。
旧世代軍vs.新世代とはちょっとまた違うのだが、試合は次週の番組part2になるので各自の紹介ほどほどにするも、やはりWWEとは違う人選なのが皆をリングに上げると特徴が見えてくる。例えばジョーダン・グレイスの筋肉はやはり凄い。実況によると、王座のトータル保持期間では、ゲイル・キムに続いて二番目に長いディオナ・プラッツオにせよ、NXT時代の試合、悪くはなかったんだが、要するにちょっと太目の体格なのだ。だから、WWEでは「求めている人材ではない」となってしまったのだが、Impactでは輝いたのは周知のこと。もっとも、前出のトリッシュ戦で、なんか余りにも痩せているベッキー・リンチ、凄い試合やったけど大丈夫なのか?と心配になったのは本誌だけではないに違いない。
ちなみに当のイタリア系丸出しディオナは、太目をSNSに書かれると、超ムキになって怒り攻撃しまくったりして、WWEだとそんなことやったらアウトだなぁと、ゴシップ・ニュースを知って思ったものである。WWEは選手のSNSにも”コード”が厳しいのだ。
日本にも馴染みがある選手としては、AEWSOMEコングが昔のコスチュームで出てきたのが大変嬉しかった。引退したとも聞いていたのだが・・・。あと、花道から登場のトリは、やはりミッキー・ジェームスなのでした。なるほどね。
Feast or Fired上村優也KUSHIDA Cベイ Cスティーブ PCOムースも
Knockout部門がそうであるように、Impact Wrestlingは残り全員顔見世のバトルロイヤルにせよ、独自の工夫で「お客さん、どうですか?」と頓智を仕掛けてくる。なにしろバトルロイヤル、やる側・作る側から見るなら、「こんなの面白いのか?」になってしまう。全員集めて、現場監督が”消える順番”を言い渡すのだが、英語圏ではよく「プロレスなんかバレエじゃないか」と揶揄されるんだが、バトルロイヤルに関しては反論できない(苦笑)。正月に渕正信が優勝とかならお約束で許せるんだが・・・。
Impactが久しぶりにやった”Feast or Fired”なるルールのバトルロイヤル形式は、四隅コーナー鉄柱に吊るされたブリーフ・ケースを取って、無事に場外に出た者が中身の権利を得られるという極めて独自のもの。その中身は、3大王座挑戦というのと、1名はImpactクビという笑えるもの。ゲットしたからといって最悪のオチをかぶる選手も出てくる。最初、上村優也が出てきた際、髪型で一瞬SANADAかと思った。アメリカの若手とダンスやり出して、上村と気づきました。
章冒頭画像のPCOは、もうリングでは試合始まっているが最後に出てきた選手になる。皆さん顔見世なんでKUSHIDAもいたけど・・・。大物サミ・キャラハン久しぶりに見たものの、やたら太ってしまったようで。ちなみに会場当日はYouTube公開のX部門に続く本編第1試合でした。
ブリーフ・ケースを取って場外に出たのはクリス・ベイ、クレイジー・スティーブ、ユウヤ・ウエムラもゲットだが中身がなにかはわかりません(笑)。まぁ、形式のおかげで目先が変わっているから面白かったかと。最後に復帰のライノが十八番のゴアを見舞い、その漁夫の利でムースが場外にふっ飛んだブリーフ・ケースを受けとめたのでした。
2014年以来ブラザー・ディーボン復帰!目玉の再結成Team3D復活
ブラザー・ディーボンは引退して、WWEの裏方エージェントになったと聞いていたんだが・・・。恐らく仕事がなくなってなんだろうが、「ダッドリー・ブラザース」はWWEが登録商標しているので「チーム3D」の復活である。ブリー・レイ(元ババ・レイ)との異母兄弟コンビ、視聴者にとってはImpact 1000の目玉には違いない。
もっとも、デジ・ヒット・スクワッド(ロヒット・ラジュ&シャンパン・シン)というJobber相手に、急所めがけて落下したりと、もう超定番コースをやっただけの内容。さらに太っているディーボンといい、ノスタルジー(郷愁)興味は、そうは長くは続かないと思うのだが・・・。
勝利後、お約束のテーブル壊しもやってゴキゲンの親父二人は、ジョージ・ナポリターノの写真によると延々とマイクもやったようだが、さすがに番組版ではカットされてました。
それにしても、そういうカット場面も入れたらテレビ番組用の2時間+2時間に、さらに前座試合もあったから、やたら長時間興行だったんだなぁと。あと、アメプロわかるスタッフが集結している本誌の場合、記者自身は全部は無理なんでImpactは任せていたのだが、よくよく真面目にエントリー読めば、「会場:アメリカ合衆国TV テーピング」ってなんやねん。
おまけに、記者も行ったことのあるホワイト・プレーンズのウェチェスター・カウンティ―・センターと知って二度ビックリ。「あそこでやってたんだぁ」と感慨はあるんだが、土地勘があるだけに、あそこからマンハッタンに帰るのはまた時間かかるのにと、また「長時間興行は勘弁」と現場目線になるのであった。
Impactファン広言ジョシュ・アレキサンダーはアレックス・シェリーmark
怪我で王座返上したジョシュ・アレキサンダーは「子供の頃からImpactを見ていた。ファンだったのでこの光景は感慨深い」とやっていると、アレックス・シェリーが「Impactファンということは、代名詞である俺様のファンということか。お前は俺のmarkか」とのコントあり。ノスタルジーだけでなく、現在進行形の王座の行方も挿入されてました。
夫婦混合戦 Fカザリアン&Tブルックス-エディ&アリーシャ・エドワーズ
AEWとは提携しているのでフランキー・カザリアンが合流。妻トレイシー・ブルックスと組んで、エディ&アリーシャ・エドワーズ夫妻と男女混合のタッグ戦が実現。これはImpactにしか出来ないカードに違いない。
ゲストなんだからカザリアン組勝利は当たり前。トレイシー・ブルックスは2023年度「インパクト・レスリング殿堂入り」が発表された。
part1トリX部門王座戦!総出の終幕クリス・セイビン奪回リオ・ラッシュ
1000回記念番組、王座交代もやらないと(笑)。新日本プロレスでも活躍中のリオ・ラッシュは、やはり出来る選手なので王者になったことが重要なんであって、ここで純然Impact所属のクリス・セイビンがベルト奪回なのはタイミングとしてもよろしいかと。
それにしてもNXTでも、AEWでも嫌われてしまったリオ・ラッシュ君。CMパンク先例といい、AEWでヤングバックスら主流派とどうもソリが合わないタイプというのは、なんとなくわかるよねぇ。レスラーとしては、滅茶滅茶凄い試合やれる逸材なんだけどなぁ・・・。
皆さんが出てきてクリス・セイビンを祝うHappy Endingを演出した”Impact 1000”なのでありました。