[ファイトクラブ]イリヤ・ドラゴノフNXTウェス・リー⇒ベッキー・リンチ戴冠85万人視聴

[週刊ファイト9月21日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼イリヤ・ドラゴノフNXTウェス・リー⇒ベッキー・リンチ戴冠85万人視聴
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■ WWE NXT
日時:9月12日(現地放送時間 日本WWEネットワーク木曜以降)
会場:米フロリダ州オーランド Capital Wrestling Center


 今回の番組はなんといっても大トリに放送されたティファニー・ストラットンのNXT女子王座に、RAWのベッキー・リンチが挑戦するカードである。WWEネットワーク視聴者は1日遅れるため、すでに現地で公表されているが 850,000人と前週から26.3%のジャンプを記録。また、18-49歳デモグラフィックの視聴率は0.18から0.26%と大幅に増えている。
 また、現地USAネットワークの2時間番組は、わざと8分の延長を了承したため、その8分間の平均視聴者数は100万人の大台を記録したそうだ。もっとも、ベッキーだけが記録を作った要因ではない。今回の番組、冒頭に目の覚めるようなイリヤ・ドラゴノフvs.ウェス・リーの素晴らしい試合から始まったことも2時間番組として大きい。ただ、さすがに順番に紹介したら今回ばかりは怒られてしまう。さっそくメインからレポートしたい。


 さて、このカードはティファニーが、「ワタシはベイリー、サーシャ、アスカ、シャーロット、ベッキーのどのチャンピンたちより勝っている」とヒールのプロモをやると、ベッキーが「NXT女子王座”だけ”は戴冠してない」と噛みつくところから。もっとも、それはどうでもイイことであって、なんといってもPPV『Payback』の金網戦で、キラーモード全開でトリッシュと凄まじい試合を魅せたからに他ならない。なにしろ産休後、怪我しがちでやや精彩を欠いていたのだが、完全復調を印象づけたのだ。
 ましてRAWの大河ドラマは、Judgement Dayのリア・リプリーが、昔NXTでドキモを抜く迫力の大女対決をやったラケル・ロドリゲス(当時ゴンザレス)の一般向き焼き直し試合などを軸にストリーが展開しており、もともとトリッシュとのカードは番外編というか、当初は『サマースラム』の候補だったのにBショーに回されていた。もっとも、そういう扱いに限って、内部者さえも驚く激闘が生まれるのがプロレスの底なし沼に他ならない。


 ケツはわかっていた試合だし、専門媒体記者としては名勝負ではなかったのだが、会場のお客さん、そして平均85万人の大喜びがすべてである。Dynamiteに逆転する計画にいよいよ本腰が入った。ただ、ベッキーが実況席にレッグドロップで落ちてくるspot、ベッキーが軽すぎて壊れなかったのだ。トレーニングの賜物なんだと思いたいが、以前と比べてかなり痩せたことは間違いない。
 もちろん、役割を果たしたティファニーを評価しないでどうする。SmackDown-RAWへの昇進が予定されている。本誌はずっと最初から活字に残してきた通りで、彼女は活けると応援を続けたい。


 番組の順番に戻して、冒頭で素晴らしい攻防だったのがイリヤ・ドラゴノフvs.ウェス・リーである。この二人なんで2023年の進化したプロレスを堪能させてくれるのだ。最後は実況ではH-ボムと呼んでいたが、イリヤが前腕部をウェスの後頭部に叩き付ける危険度満点のフィニッシュだった。

 一説にはイリヤはすでに給料のレベルが違うSmackDown-Rawの契約になっているが、今は計画的にNXTなんだという。また、敗れたウェスは、奥さんまで番組に出てきて、スーツケースを転がしながらNXTを辞めるかのようなスキットが後半に挿入されるのだが、彼もまた上がるのかも知れない。なんの驚きもないけれど。
 現地時間9・30『NXT No Mercy』では、イリヤがカーメロ・ヘイズのNXT王座に挑戦する。そういうことなのだ。

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