ヴェウドゥム一本勝ちで王座統一『UFC 188』チーク・コネ英仏対決制し戴冠『BAMMA 21』

(C)Photo Courtesy of UFC

 2015年6月13日にメキシコ・メキシコシティで『UFC 188 – Velasquez vs.Werdum』
 王者ケイン・ベラスケスと暫定王者ファブリシオ・ヴェウドゥムのヘビー級王座統一戦がメイン。この対戦は、2014年11月のUFC180で開催予定だったがベラスケスのけがで中止。ヴェウドゥムと元K-1王者マーク・ハントの暫定王座決定戦に変更され、ヴェウドゥムが2度もダウンを奪われながら逆転の末ハントをTKOで下した。一方、13勝のうち11試合がKOまたはTKO勝利という強打を誇るベラスケスは、2013年10月にジュニオール・ドス・サントスを破って以来の復帰戦で、3度目の防衛を目指す。試合は、1R、ベラスケスが圧力をかけ打撃で圧倒してくるものの、試合が進むにつれ、ヴェウドゥムがペースを握っていく。2Rにはヴェウドゥムの強烈な膝蹴りなどで、スタンドでヴェウドゥムがペースを奪い、3R、ベラスケスがタックルをすると、それに合わせてギロチンチョーク。これががっちり極まりベラスケスがタップして、ヴェウドゥムが一本勝ちして、王座を統一した。

 また、元ストライクフォースライト級王者のギルバート・メレンデスと2009年開催のDREAM.12で来日し菊野克紀と対戦したエディ・アルバレスが激突するライト級戦がセミファイナルで行なわれた。試合は大接戦となり、1Rはメレンデス、3Rはアルバレスと共に僅差ではあるが、ラウンドをとり、2Rがどちらが取ったか難しいところだったが、ジャッジ2名がアルバレスを支持し、2-1のスプリットでアルバレスが判定勝ちした。

 更にTUF17優勝者で11勝1敗の戦績を誇るケルヴィン・ガステラムがミドル級に復帰、元ストライクフォースウェルター級王者ネイサン・マーコートと対戦する。 勢いは当然、若いガステラムだが、パンクラス王者として日本でも活躍した“ザ・グレイト”マーコートに踏ん張って欲しいところだ。試合はマーコートがスタンドでも食らいつくものの、最後はテイクダウンを奪われ、グランドでガステラムの肘打ち連打。2R終了後、マーコートがこれ以上、試合続行が難しかった為、ガステラムがTKO勝利となった。

■ UFC 188 – Velasquez vs.Werdum
日時:2015年6月13日
場所:メキシコ・メキシコシティ

<ヘビー級王座統一戦/5分5R>
○ファブリシオ・ヴェウドゥム(暫定王者)
 3R 2分13秒 ギロチンチョーク
●ケイン・ヴェラスケス(正王者)

<ライト級/5分3R>
○エディ・アルバレス
 判定 2-1
●ギルバート・メレンデス

<ミドル級/5分3R>
○ケルヴィン・ガストラム
 2R終了 TKO
●ネイト・マーコート

<フェザー級/5分3R>
○ヤイール・ロドリゲス
 判定 3-0
●チャールズ・ロザ

<女子ストロー級/5分3R>
○ティーシャ・トーレス
 判定 3-0
●アンジェラ・ヒル

プレミアムカード
<フライ級/5分3R>
○ヘンリー・セフード
 判定 3-0
●チコ・ケイマス

<ライト級/5分3R>
○エフレイン・エスクデロ
 1R 0分54秒 ギロチンチョーク
●ドリュー・ドーバー)

<バンタム級/5分3R>
○パトリック・ウィリアムス
 1R 0分23秒 ギロチンチョーク
●アレファンドロ・ペレス

<ライト級/5分3R>
○ジョニー・ケ-ス
 判定 3-0
●フランシスコ・トレヴィーノ

<ウェルター級/5分3R>
○カホル・ペンドレッド(アイルランド)
 判定 3-0
●オーガスト・モンターニョ(メキシコ)

<フェザー級/5分3R>
○ガブリエル・ベニテズ
 判定 3-0
●クレイ・コラード

 2015年6月13日にイギリス・バーミンガムで『BAMMA 21: DeVent Vs. Kone』が開催された。
 BAMMAは、イギリスのメジャーMMA団体としてテレビ放送もされ、定期的に大会を開催してシーンを支えている。

 今大会では、ミドル級王座戦と、ヘビー級王座決定戦が行なわれ、ミドル級王座戦は、イギリス人王者アンディ・デヴェントにフランス人挑戦者チーク・コネという対戦で、イギリス対フランス(ただしアフリカ系移民)という盛り上がる宿命のライバル対決となった。試合は、1Rにデヴェントが組みつき強烈なテイクダウンを決めるものの、その後のスタンド攻防で、コネの指が目に入ったとして一度、ストップ。再開後、コネが猛然のラッシュでデヴェントを倒し、パウンド連打でレフェリーがストップ。コネが新王者に輝いた。

 ヘビー級王座決定戦は、過去にベラトールでチーク・コンゴと対戦した事もあるマーク・ゴッドビアーと同じくイギリス人のポール・テイラーで争われた。試合は、ゴッドビア―が圧倒し、強烈なキックや膝蹴りでテイラーを追い詰めるものの、テイラーの恐るべき打たれ強さで、普通ならダウンしている打撃を食らっても倒れず立ち向かってくる。最後はレフェリーがスタンディング・ダウンをとって、ゴッドビア―がTKO勝利、見事に新王者に輝いた。

■ BAMMA 21: DeVent Vs. Kone
日時:2015年6月13日
場所:イギリス・バーミンガム

<ミドル級王座タイトルマッチ>
○チーク・コネ
 1R 3分37秒 TKO
アンディ・デヴェント

<ヘビー級王座決定戦>
○マーク・ゴッドビアー
 2R 4分47秒 TKO
●ポール・テイラー

<ライト級>
○ロブ・シンクレア
 1R 3分37秒 TKO
●マイケル・ブライトモン

<163ポンド契約>
○ジャック・マクガン
 1R 2分08秒 TKO
●アジズ・ストリンガー 

<バンタム級>
○シャイ・ウォルシュ
 3R 3分44秒 TKO
●ガレス・パイロット 

電子書籍版はマット界舞台裏6月25日号時限爆弾ノア三沢光晴広島世IV虎挨拶ミャンマーラウェイKAI丸刈に掲載されました。

UFC,WOWOW実況解説者でお馴染みの稲垣收記者が『UFC188』の見所を徹底解説!しっかりした取材と専門家らしい考察。電子書籍コンテンツとして誇れる内容です!
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wkbutaiura101MixCoverマット界舞台裏6月18日号Dローデス追悼新日大阪城鈴木軍リアルジャパン10ZERO1長瀬館長
▼UFC188ヘビー級王座統一戦展望~“地球最強の男”を決める一戦
 打撃驚異的に向上K-1王者ハントをKOした暫定王者ヴェウドゥム
 レスナー、ノゲイラをKOした正王者ベラスケスと激突
 Text by 稲垣 收(Shu Inagaki)
・「ヒョードル戦と同様、今回も世界を震撼させるぜ!」(ヴェウ)
・「1R勝ちできるかもな。だが彼のスタミナが切れるのも見たいね」
・レスリング力で勝るベラスケスに、ヴェウドゥムがとった対策は?
 日本時間6月14日(日)午前11時からのWOWOW生放送にて、メキシコの首都メキシコ・シティーのアレーナ・シウダード・デ・メヒコ(メキシコ・シティー・アリーナ)で開催されるUFC188では、メインでヘビー級の王座統一戦が行われる。ケガによって長期欠場していた正王者ケイン・ベラスケスが1年8ヵ月ぶりに復帰し、暫定王者ファブリシオ・ヴェウドムと対戦する。まさに“地球最強の男”を決める一戦を、稲垣收記者がさまざまな角度から分析した。