[ファイトクラブ]内藤哲也が危惧する今年のG1!終盤大阪を終えて&過去のG1も検証

 いよいよ決勝間近の新日本のG1 CLIMAX33。過去最多32名出場、20分1本勝負に時短。それに開幕前から異論を唱えた内藤哲也。果たして、内藤のいう通りなのか、それとも恒例のG1だけに各会場大盛り上がりなのか? そこに過去のデータも合わせメスを入れてみた。

[ファイトクラブ]公開中 [週刊ファイト8月17日号]収録

▼内藤哲也が危惧する今年のG1!終盤大阪を終えここまでの反応は?
 photo & text by 西尾智幸
・内藤哲也が4ブロック制、試合の時間短縮に異論
・まずは大阪大会両日の試合報告
・オスプレイ対ファンタズモは見応えのある闘い
・Aブロックに違和感を覚えた筆者
・8月9日にトーナメント出場選手確定
・スターダムの5★STARのほうが理想的な形式
・実際、今シリーズの集客の程は?
・今後のG1のありかた


内藤哲也が危惧する今年のG1!終盤大阪を終えここまでの反応は?

 7月15日、札幌から始まった新日夏の風物詩G1 CLIMAXだが、大会のルール変更等に、内藤哲也が開幕前から早くも噛みついたが、既に終盤を迎え、実際の盛り上がりは如何なモノか? 
 まあ本題に入る前に、まずは終盤の大阪2連戦のリーグ戦の結果をお伝えしましょう。

8月5日(土) 大阪府立第1 G1 CLIMAXリーグ戦・結果
《第6試合 Aブロック公式戦》
○辻 陽太
 14分47秒 ジーンブラスター ⇒ 片エビ固め
●ゲイブ・キッド

《第7試合 Aブロック公式戦》
○成田 蓮
 15分17秒 フロントスープレックスホールド
●清宮 海斗

 成田と清宮の若手対決は、お互いに譲らず大技の応酬に。しかし、最後は成田がフロントスープレックスホールドで3カウントを奪った。

《第8試合 Aブロック公式戦》
○SANADA
 9分13秒 デッドフォール ⇒ 体固め
●チェーズ・オーエンズ

《第9試合  Aブロック公式戦》
●海野 翔太
 17分21秒 ゴッドセンド ⇒ 片エビ固め
○ヒクレオ

 メインのヒクレオ対海野では、この試合の勝者がブロック抜けをし、上に駒を進める事が出来る大事な一戦。ヒクレオは、巨体を生かして豪快に攻める。海野もその巨体にジャーマンや雪崩式ブレーンバスターを仕掛けるが勝利には繋がらず、最後はヒクレオがゴッドセンドで海野をマットに沈めた。

8月6日(日) 大阪府立第1 G1 CLIMAXリーグ戦・結果
《第6試合 Bブロック公式戦》
●YOSHI-HASHI
 12分16秒 首固め
○KENTA

《第7試合 Bブロック公式戦》
●タイチ
 17分41秒 肩固め
○グレート-O-カーン

《第8試合 Bブロック公式戦》
○オカダ・カズチカ
 12分33秒 レインメーカー ⇒ 片エビ固め
●タンガ・ロア

 意外にもシングル初対決のオカダとロア。勝っても負けても、決勝トーナメントへ駒を進める事が確定のオカダ。しかし、守りに入ることなく、ロアをガンガン攻め、最後は変形のエメラルド・フロウジョン、そしてトドメのレインメーカーで、ロアから文句なしの3カウントを奪取。

《第9試合 Bブロック公式戦》
エル・ファンタズモ
 18分52秒 ストーム・ドライバー’93 ⇒ エビ固め
ウィル・オスプレイ
 とても見応えのあるベストバウトバウト戦だった。お互い死力を尽くした攻防に。終盤オスプレイは、オスカッター、ヒドゥンブレードと必殺技で攻めるが、ともに決定打とならず。20分の時間切れが迫る中、ストーム・ドライバー’93を炸裂させ、ファンタズモを撃沈させた。

※大阪両日の写真提供 RAIJIN氏

 この後、8日横浜、9日浜松と試合が行われ、ブロック別リーグが終了し上位8選手が出揃った!

今年は史上最多の32選手の4ブロック制、試合時間を20分に短縮

 ここまでのG1を振り返ってみよう。今年は33回目となり、過去最多の32選手の参加で、4ブロックに別け上位2名ずつが準々決勝に駒を進め、トーナメントで優勝を争う形式。また、今までの30分1本勝負から、20分1本勝負へと時間短縮された。
 これに、内藤が開幕前から反論。まず出場選手の多さ。選ばれし戦士というイメージ、グレード1なのにそれに見合わない選手まで参加している現実に、「誰でも出られるイメージでは賛成できない。微妙なラインの選手は出場権を賭けて闘うとかとかしたほうが」と提案。
 また、時短にも苦言。試合数が増えたから、時間を短くしましたとすれば、お門違いだと。
 確かに、筆者も思った。親会社が同じでありながら、スターダムの5★STAR GP(同じく真夏のリーグ戦)は、10人ずつの2ブロック制で20選手中18名を団体が選出、残り2枠は、出場権のない18選手で争うロイヤルランブルが開催された。新鮮なカード、因縁の対決など見どころも多く、まさに内藤が唱えた通りである。ただ、こちらは元々15分1本勝負と時間は短いが。

 今回は、何をそう思って4ブロック制となったのか? 過去この形式では2回しか行われていない。1度目は2000年。その時は、各5名ずつで計20名の参加。それ以降はずっと2ブロック制で行われてきた。この形式が妥当ではないか? なのに、昨年からまた4ブロック制に戻す。
 しかも、今回は過去最多の32名。人数が多い分、4ブロックでも試合数は増えているのに、ファンが見たいカードは減っている。
 これが2ブロックだと、普段見られない同門対決も増える。もっといえばタマ3兄弟は、ブロックに分かれても、1試合は兄弟対決が観られるもの面白い。8名ずついるとはいえ、数合わせで入っているような選手とトップ選手が闘っても結果は見えているし、余程でないと興味をそそらない。勿論、番狂わせもあるにしろ。
 今回のAブロックは敢えてだろうが、若い選手が多い。粋のいい選手同士の闘いは実力が拮抗しており、どっちが勝つか予想もしづらい分面白い。そこに、NOAHの清宮がいる事でなおさら!
 しかし20分にした事で時間切れ引き分けがAブロックだけやたらと多い。これは、将来性のある若手を傷つけない為の忖度と思われても仕方がない。
 その枠に何故か、現IWGP世界王者のSANADAが入っており、若手にとっては試練の試合となっていいのだろうが、このブロックでSANADAが全勝といわれてもって「うーん…」である。同じブロックに、オカダ、オスプレイ、内藤などがいて、全勝ならすごい事だと思うが。

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