[ファイトクラブ]交通機関麻痺も大阪城ホール辿り着いたDominion私論と下半期展望

[週刊ファイト6月22日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼交通機関麻痺も大阪城ホール辿り着いたDominion私論と下半期展望
 photo:西尾智幸/他 by 大島慶山 w/編集部編
・大雨の影響で交通機関が麻痺「トランキーロ!焦るなよ」
・統一戦の功罪「底が丸見えの底なし沼」 G馬場NWA戴冠~小島・天山
・今やIWGP女子王座まで:乱立するタイトル むやみな封印や返上も✖
・辻陽太ヘビー級空中殺法駆使の危険度!想定以上アップグレード披露
・高橋ヒロムFイニシャルのレスラー対戦相手指名!まさかフワちゃん?
・SANADAイメチェンジ 海野翔太 守屋博昭J2000にいたマスター・ワト
・新日はどう見るか?エナジャイズ!プロレス7・23守屋博明vs.小島聡
・KUSHIDA過大評価説?~TAKAみちのくダブルヘッダーJTO神戸大会


■ 新日本プロレス DOMINION 6.4 in OSAKA-JO HALL
日時:2023年6月4日(日) 14:30開場 16:00開始
会場:大阪城ホール 観衆7,040人(=主催者発表)

 6月2日から続いた大雨の影響で、交通機関が麻痺した。不可抗力の自然災害だから仕方ないとはいえ、JRが止まったのはかなりの痛手で、筆者も様々な大ダメージを受けた。
 電車が動いてる駅までトボトボと歩き、そこから電車を乗り継ぎ、やっとのこと目的地の大阪城ホールに辿り着いた。モップスの「たどりついたらいつも雨降り」かで、途中の道のり「ロス・インゴベルナブレス・デ・パポン」のオリジナルTシャツを着用したカップルが、会場への道のりを「いざ鎌倉!」とばかり急いでたので、思わず「トランキーロ!」と叫びそうになった。新日本のグッズを手がけている知人の業者の方に聞いたら、グッズ売上は圧倒的にロス・インゴベルナブレスと、内藤哲也らしい。

 かつての日本マット界の歴史もスタイリッシュな悪役軍団の人気は高い。革命軍〜維新軍、NWO JAPANしかり、ヒールというより反体制派というか、日常の社会生活ではなかなか先輩・年上・上司に噛み付けない鬱憤を、彼らの中に自らを投影してカタルシスに昇華してるのだろう。
いつの世にもダーティヒーローの言動は、若者の憧れのハワイ航路ではなく、憧れの的となる。シンエボンジョビオン世代・第7世代・Z世代の若者をメインターゲットに絞り、今の新日本プロレスは業界のトップの座を揺ぎのないものしている。

 いったい何種類のタイトルを認定し、また所属選手が、団体認定以外の外貨(ベルト)を保持しているか、全てをなにも見ずにスラスラと答えれるファンや、マスコミや関係者が果たして何人いるのだろうか?
 粗製乱造とも思わないし、多数の所属選手を擁する最大手だから、その状態で機能しているし、それぞれのタイトルに関与する選手のストーリーラインもしっかりと構築されている。この規模の団体で、ヘビーとジュニアの各シングルとタッグだけなら、昭和プロレスじゃないのだからきっと無理がでてくるし、各選手の目標や、登り詰める先の時の崖も見えにくくなる。新間寿氏なら、タイトル一本化を目指して作り上げたIWGPのタイトルが、これだけの種類・本数あるのは憂いそうだが・・・。

 アントニオ猪木は天国に戦場を変え、体育会系というか、ある種の恐怖政治だった 長州力の政権下は、遠い昔の話だから、この方針・流れでベターなのだろう。ベストかどうかは、時の過ぎゆくままに未来になってから振り返った時にわかるものだ。また、いつかNWFタイトルや、グレーテスト18クラブや、NWA世界王座や、マーシャルアーツ王座が復活しないとは断言できない。
 それぞれの意味合いの違う王座なので、ダブルタイトルとか、トリプルタイトルとかの統一戦は、逆に無意味だと思うので、それぞれの王座、チャンピオン、チャレンジャーを厳選し、大事にして価値をあげて欲しい。筆者個人の意見としては、全日本プロレスの3冠王座も統一されずに、それぞれのタイトルが分離していた時のほうが好きだ。日本プロレス時代のアントニオ猪木のUNと、ジャイアント馬場のインターナショナルの2冠タイトル戦なら、見たかったが。

統一戦の功罪「底が丸見えの底なし沼」 G馬場NWA戴冠~小島・天山

▼タグ 井上義啓
https://miruhon.net/tag/yoshihiro_inoue

 統一戦の功罪として、かつて全日本プロレス時代の小島聡が、新日本プロレスの天山広吉との3冠とIWGPを2冠かけて対決。大半のファンやマスコミの予想を覆し、小島が2冠を獲得したあと、天山がリターンマッチを挑んだ時は、IWGPしか賭けなかったので、小島が負けるのだろうなと、口さがないネット雀達の集中放火の的になった。
 ジャイアント馬場がNWA王座をブリスコから獲得して、初防衛戦ではPWF王座も賭けたのに、ブリスコにNWA王座を奪還された試合では、PWFは賭けていなかったりと、「底が丸見えの底なし沼」なのを露呈した。

今やIWGP女子王座まで:乱立するタイトル むやみな封印や返上も✖

▼女子プロ横アリ 中野たむジュリア 岩谷麻優Mモネ 白川未奈上谷沙弥

[ファイトクラブ]女子プロ横アリ 中野たむジュリア 岩谷麻優Mモネ 白川未奈上谷沙弥

 IWGP王座は何と男子だけではなく、今では女子王座もある。封印されているのは、U-18ぐらいか?!
 雨跡の筍(たけのこ)のように、いつか人々が、忘れた頃に突然復活するかもしれないけど(苦笑)。
 ノアの試合に女子選手が参戦した時に、GHC女子設立をアピールした選手がいたが、二番煎じといわれても、ファンの注目度が集まりそれが観客動員に反映され、ノアマットの経済普及効果を生むなら、それもありだろう。
 タイトルの設立より、むやみな封印や返上もやめてほしい。それこそ、価値をさげることになるだろう。かつて、IWGPに参戦表明したアブドーラ・ザ・ブッチャーが、認定団体や出生不明なトリニダード・トバゴヘビー王座をその管理者でもない、新日本プロレスのリングで、また認定者でもない、WWWFのビンス・マクマホンシニアに返上の絵作りをしたことはあったが、そんなファントムがまかり通る時代ではないので、リアルな王座を運営していってほしい。

 IWGP王座は新日本プロレスのチャンピオン、3冠王座は全日本プロレスチャンピオン、GHC王座はノアチャンピオンと、今のプロレスファンはちゃんと認識している。海外のタイトルだからと箔がつく時代ではない。

辻陽太ヘビー級空中殺法駆使の危険度!想定以上アップグレード披露

<第9試合 60分1本勝負 IWGP世界ヘビー級選手権試合>
○SANADA【王者】
 17分01秒 デッドフォール⇒体固め
●辻 陽太【挑戦者】
※SANADAが2度目の防衛に成功

 下半期も新日本プロレスから目が離せない。IWGPヘビータイトルマッチは、チャレンジャー辻陽太が、予想を遥かにうわまわる健闘ぶりをみせ、近い将来の獲得を期待させた。

 メインで大善戦した辻陽太は、何度もあわやの場面を作り、予想以上のアップグレードを見せた。ウェイトオーバーに気をつけて、怪我なく試合数を重ねていけば、IWGPの主要タイトルのコンテンダーとして、活躍するだろう。
 ヘビー級で空中殺法を駆使するので、諸刃の剣なのは、ハイリスクなのは本人も肝に銘じているに違いない。武藤敬司しかり、小橋建太しかり、膝とか腰に重いダメージを蓄積する。藤波辰爾、ザ・グレートサスケやウルティモ・ドラゴンしかり、ファイトスタイルをシフトチェンジしたり、フィニッシャーを変更している。金村キンタローは、引退して数年の月日が経過したが、歩行も杖を用いている。その金村に話しを聴いたことがあったが、「試合での怪我や負傷は、本人覚悟のもと自己責任だ!」と語っていた。

 アクロバティックな技や、場外へのダイブも珍しくない今のマット界。事故が起こった時だけ、付け焼き刃な簡単な救急講座とかに関係者を参加させる絵づくりで、「弊社は万全の体制で、事故には気をつけてます」アピールをするが、レスラーだけでなく、レフリー、リングアナや興行にかかわる全スタッフに救急救命講座を受験させたり、AEDの取り扱い講座に参加させることも重要だと思う。
 喉元過ぎれば熱さを忘れるではないが、経費のこともあるし、毎大会医者を招いて待機してもらうのも事実上困難だとは思うが・・・。

高橋ヒロムFイニシャルのレスラー対戦相手指名!まさかフワちゃん?

<第7試合 60分1本勝負 IWGPジュニアヘビー級選手権試合>
○高橋 ヒロム【王者】
 19分50秒  TIME BOMBⅡ⇒片エビ固め
●マスター・ワト【挑戦者】
※ヒロムが5度目の防衛に成功

 IWGP世界ヘビー級のチャンピオンのSANADAも、ヘアスタイルはじめ、完全に好青年なルックスにモデルチェンジした。元々イケメンなので、チャラい派手系のルックスの内藤哲也と対峙するなら、ビジュアルとしても、対立概念が観客に伝わりやすいかと思う。

 海野翔太が、棚橋弘至とか内藤哲也と、似たようなフォルムで登場し、専門誌に掲載された時は、上記の2人と本当に似てるなあと見間違える程だった。いまだ、没個性的に見えるのは、そのせいもあるだろう。突出したオリジナリティをだしてほしい。

 ジュニアも高橋ヒロムが、地元出身のマスター・ワトの猛攻を凌ぎ防衛した。 その後、Fのイニシャルのレスラーを対戦相手に指名すると雄叫びをあげた。まさか、フワちゃんではないだろうし(笑) 。
 ジュニアのレジェンドなら全日本プロレスの渕正信でも面白いが、順当にみて藤波辰爾なのは間違いないだろう。果たして実現するのは、新日本プロレスかドラディションなのでか。IWGPヘビーや各タイトル、 G1クライマックスだけではなく、様々な話題を切れ目なく提示してくれるのは、やはり業界を牽引する最大手のパワーか。

SANADAイメチェンジ 海野翔太 守屋博明J2000にいたマスター・ワト

 近年、ランクアップしてきたジュニアの新星マスター・ワト(川人拓来)も、近い将来のIWGPジュニアに輝くことは間違いないだろう。

 彼は、新日本プロレスのオフィシャルなプロフィールからは抹消されているが、大阪のローカル・インディ団体J2000(今は解散している)に練習生として在籍していたことがある。マスター・ワト本人は、その頃の話はあまり語りたがらないが、紛れもない事実である。

▼タグ「ジャパンプロレス2000」
https://miruhon.net/tag/j2000

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