［週刊ファイト6月8日合併号］収録　［ファイトクラブ］公開中

▼5・30ドラディション三州ツバ吉のエスコンフィールド、富士山頂プロレス
　by 大島慶山　w/編集部編

■　DRADITION 15th ANNIVERSARY
　 THE RISE OF SPIRIT TOUR PHASE-1 IN TOKYO
日時：5月30日（火）開場 18:00　開始 19:00
会場：後楽園ホール

　本稿の主人公である三州ツバ吉が、倉島信行とのドラディションの助さん格さんコンビとして、初っ切りの門番としてヒートアップの酒井博生（さかいひろき）と、フリーで様々な団体で活躍する洞口義弘（ほらぐちよしひろ）を迎え撃つ。カーテン・オープナーとして、重要なポジションを任されている。

　氷河期かいと思った厳しい冬もすぎ、毎日、日中は今度は暑い熱い日が続いている。ザ・タイガースがコマソン（CMソング）で、「チョコレート、チョコレート、チョコレートは明治」と歌っていた明治チョコレートも、ガキの頃は宝物のように感じた。沢田研二が歌唱していたのもあるし、沢田研二のソフトビニールの人形も宝物にしていた。
　そんな沢田研二も、プロレスやプロ野球のファンらしい。項を改めて、沢田研二とプロレスの話はいつか書いてみたい。

　今回はプロ野球や格闘技の記事を見るために、コンビニにスポーツ新聞と明治チョコレートを購入しに出かけた。わずか、小一時間の間の外出なのに、炎天下でチョコレートはものの見事にぐにゃぐにゃに溶けたので、冷凍庫に入れた。融けても味は変わらないけど。
　家に帰り、スポーツ新聞のプロ野球欄を眺めていると、三州ツバ吉選手からの連絡が届いた。日々、ジムでのトレーニングに、銀座で2軒経営する老舗の割烹居酒屋「三州屋」の経営だけでも多忙なのに、今シーズンから北の大地北海道のエスコンフィールド内に、三州屋の３番目の店がオープンしたので、東京と札幌を行ったり来たりと、ドラマ『北の国から』の出演俳優なみのスケジュールをこなしているらしい。
　筆者の好きな花は、ゆり・ぼたん・バラの３種（※フラワーショーかい！昭和の女流浪曲漫才トリオ）だが、北海道では「知床旅情」で歌われたはまなすの花が咲き、人々に心地よい景観を見せている。

　エスコンフィールドをホームグラウンドにしているのは、新庄剛志率いる日本ハムファイターズだ。派手好きで、有限実行で常に観客をどのようにしたら喜ばせるかを考えているのは、スペクテイタースポーツにしてバトルエンターテイメントのプロレス業界も、参考にしなければいけないことが多々ある。プロ野球のご意見番OBの一部から老害扱いされている方ならしかめっ面しそうなど派手なデザインとカラーのユニフォームも、とてもフォトジェニックでカッコいい。視覚面でのカラフルなコスチュームでのプレゼンテーションは、プロレスのビジュアルマーチャンダイジングと呼んでも過言ではないだろう。スターダム（女子プロレス）などは顕著にその傾向、方針が現れている。

　団体や選手のイメージにもよるから一概にはいえないが、今や男子レスラーも黒のショートタイツは主流ではない。黒のショートタイツを着用してのロックアップから始まるプロレスからは、思えば遠くに来たもんだになるかな。いきなりハイスパートな展開になって、序盤から大技の応酬になったりする近頃のプロレスリングの主たるスタイルがそうなっている。天国から見守っているであろう、創業者のアントニオ猪木が、今の新日本プロレスのスタイルをどのように思っているかは、イタコさんを通じて聴かないとわからないけど。橋幸夫の「潮来（いたこ）の伊太郎（いたろう）」は、ガキの時はイタコさんの歌と勘違いしていた。

　時代の流れによりファイトスタイルも、観客のニーズも変化する。それが、良いのか悪いのかは、現在の時間の流れの渦にいてるときはわからない。時代の流れについていけない者は、「あの頃は、良かったと」遠い目をしていつまでも懐古しながら古いビデオを引っ張り出して再生しているだろう。
　デジタルな格闘技ゲームのようなアクロバティックなスタイルになっていて、技名もアニメチックで、カスタマイズされすぎて覚えにくくなっている。そんな現代のプロレスのスタイルを取り入れつつも、古き良き時代のレスリングスタイルを提示してくれているのが、三州ツバ吉が在籍している、藤波辰爾率いるドラディションプロレスだ。
　バック・トゥ・レスリングは、お城プロレスを開催したディラン・ジェームスや今春、大日本プロレスに来日していたネクロ・ブッチャー、キラーカーンさんもそう語っていた。