[ファイトクラブ]梅咲遥初戴冠!女子プロレス第3勢力台頭序章見えたディアナ後楽園

 スターダム、東京女子プロレスが業界を牽引する、今現在の女子プロレス界。この2団体に次ぐ第3勢力がダンゴ状態という感想を抱く中、その座にワールド女子プロレスディアナが名乗りを上げようとしている。
 小規模ながらも練習生5名を抱え、この日のメインでは若手有望株の梅咲遥が団体最高峰王座に挑戦するなど、若い力の台頭が見られた。一朝一夕では変えられなくとも、存在感を増しつつあるディアナから、今目が離せない。


[週刊ファイト5月11日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼梅咲遥初戴冠!女子プロレス第3勢力台頭序章見えたディアナ後楽園
 photo & text by 鈴木太郎
・練習生5名!大きくない規模感で若手候補生をリクルートしたディアナ
・脱却しつつある【若手不毛の地】
・ディアナは将来の第3勢力になれるか?
・拮抗試合内容!ななみ豪華絢爛キャプテンフォール12人タッグ制す
・日高郁人の絶妙アシスト光る!ストロングスタイルプロレス提供試合
・初見圧倒合体技タッグ王座V1尾崎妹加&本間多恵-マドレーヌ&関口翔
・井上女帝が押された違和感拭えぬウナギ・サヤカ-井上京子の14分強
・【井上が受け続けないと試合が成立しないのか】と勘繰りたい試合
・約5分前後にわたり100:0の割合でやられる井上の違和感
・客は呼べるが試合内容は相手の力量次第なウナギ・サヤカ
・絶対王者・ジャガー横田防衛エリザベス牙城崩すのは誰?
・梅咲遥W.W.W.D.シングル初戴冠!佐藤綾子を豪快バックドロップ葬
・試合にスイッチON 躍動感もたらした梅咲のジャーマン
・発展途上のディアナで気になる、梅咲の防衛ロード


■ワールド女子プロレスディアナ 『Diana後楽園大会』
■日時:2023年4月29日(土・祝) 11:30開始
■会場:東京・後楽園ホール
■観衆:726人

 2023年は年2回開催が予定されている、ディアナの後楽園ホール大会。今年初の後楽園ビッグマッチは、練習生5名の紹介から始まる、幸先の良い内容となった。
 大会前、練習生による挨拶と意気込みの場が設けられると、一緒に登壇した井上京子曰く、「早ければ、今年10月の後楽園ホール大会でデビュー戦が見られるかもしれない」との話も飛び出した。
 最近の女子団体では、大手であっても練習生紹介は多くて3名程度だった事を考えると、これだけ多くの練習生を紹介した事例を筆者は見たことが無い。規模が決して大きいと言えないディアナが、若手候補生をリクルートしている事実は見逃せない。

 そんな上昇の兆しを見せるディアナにあって、近年のシングル戦線を牽引した佐藤綾子から、梅咲遥がW.W.W.D.シングル王座を奪取した事は、一つのトピックになるだろう。
 まだまだ発展途上の団体内で、同年代で梅咲の対抗馬になり得る存在はハッキリと出てきていないのも正直なところ。ただ、一時期はSareeeと田中盟子(響)の『ストロング魂』しか若手がおらず、他の所属は皆大ベテランだった状況を振り返れば、若手不毛の地から脱却の兆しを見せつつある事は好材料だろう。

 スターダムや東京女子プロレスが今現在の国内女子プロレスを牽引する状況にあって、実は次点に位置する団体がダンゴ状態だ。一朝一夕で変わるものではないが、練習生が順調にデビューしていけば、大手2団体に次ぐ第3勢力として存在感を発揮できる日も見えてくるのではないだろうか?

拮抗試合内容!ななみ豪華絢爛キャプテンフォール12人タッグ制す

<第1試合 ゑびすやデボラKさんを応援する会協賛 シークレットキャプテンフォールマッチ 制限時間20分>
○ななみ 美蘭 高瀬みゆき 網倉理奈 米山香織 小林香萌
(15分50秒 ジャパニーズレッグロールクラッチ)
デボラK ●Himiko 中森華子 笹村あやめ 真琴 沙恵
※退場順:沙恵、小林、米山。キャプテンは試合前の抽選で決定。赤コーナーキャプテンは網倉、青コーナーキャプテンはHimiko

 試合前に各チームで1名ずつキャプテンが抽選で選ばれ、相手チームを全滅させるorキャプテンから勝利で決着する試合形式で始まったディアナ後楽園大会。

 オープニングマッチにも関わらず、実力者や人気若手選手が多く集った試合は、決着する気配が中々見られない拮抗した展開に。
 その流れに終止符を打ったのは、現役高校生レスラー・ななみだった。シークレットキャプテンに指定されていたHimikoを丸め込んで勝負あり。

 試合が決するまでの退場者は双方合わせて3選手のみという結果が、拮抗した試合内容を物語っていた。

日高郁人の絶妙アシスト光る!ストロングスタイルプロレス提供試合

<第2試合 ストロングスタイルプロレス提供試合 タッグマッチ 20分一本勝負>
○タイガー・クイーン 日高郁人
(11分31秒 タイガースープレックスホールド)
●川畑梨瑚 スーパー・タイガー

 ストロングスタイルプロレスの提供試合。

 正直なところ、【タイガー・クイーンが如何にして勝つか】という、結末に向けたプロセスを見せる試合になりがちだが、その辺りはタイガー・クイーンのパートナーである日高郁人が、絶妙なアシストパスを配給したり、いて欲しい場面でカットプレーに入ったりとリズムを形成していた。

 そして、対角線に立った川畑も、ミックスドマッチで臆すること無く日高に強いエルボーを浴びせるなど、良いポイントを作っていた。

初見圧倒合体技タッグ王座V1尾崎妹加&本間多恵-マドレーヌ&関口翔

<第3試合  バリューアップマネジメント協賛 W.W.W.Dタッグ選手権試合 30分一本勝負>
[王者組]○本間多恵 尾﨑妹加
(14分59秒 特攻バスター⇒体固め)
[挑戦者組]●マドレーヌ 関口翔
※第19代王者組が初防衛に成功

 W.W.W.D.タッグ王座戦。

 他団体で高瀬みゆき&梅咲遥から王座を奪取した、尾崎妹加&本間多恵の初防衛戦は、双方に関節技で試合を決められる選手が揃っていたこともあり、一点集中を意識させながら進む内容。

 終盤まで中々エンジンがかからない風にも見えたものの、最後に王者組が決めたキン肉バスター+ミサイルキックの連携技は、初見でも試合が決まったとハッキリ分かる、ダイナミックなフィニッシャーであった。

井上女帝が押された違和感拭えぬウナギ・サヤカ-井上京子の14分強

<第4試合 整体サロンICHI、整体サロンソレシカ協賛 スペシャルシングルマッチ 20分一本勝負>
○井上京子
(14分5秒 パワーボム)
●ウナギ・サヤカ

 ゴールデンウィーク期間中、彩羽匠(5・3Marvelous後楽園ホール)や高橋奈七永(5・6押忍プレミアム ベルサール高田馬場)とのシングルを控えているウナギ・サヤカが、井上京子との一戦に臨んだ。

 試合自体は双方のファンから歓声が飛ぶなど盛り上がった一方で、試合内容に拭えぬ違和感を抱いたのが筆者の偽らざる感想である。

 試合序盤、井上京子がウナギに攻め込まれる展開になるのだが、その光景が異様だった。ウナギの攻撃を受け続けても立ちはだかるのではなく、一方的に、しかも約5分前後にわたり、100:0の割合で井上がやられる展開だったのである。

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