ゼビオアリーナ仙台に初進出したプロレスリング・ノアの仙台ビッグマッチ。新日本プロレスのビッグマッチでも満員にならないとされる鬼門の会場で、1,277人という動員は大健闘だったと言って良いだろう。そして、何より会場の雰囲気も内容も終始良かった。
メインでGHCヘビー級王座を初防衛したジェイク・リーは、武藤引退後のノアで一際大きな存在感を放っている。アフター武藤の影響を感じさせないほど、皆もう彼の虜になっているのであった。
［週刊ファイト4月27日号］収録 ［ファイトクラブ］公開中
▼皆虜となる方舟中心に立つジェイク・リー仙台ビッグマッチ1,000+動員
photo & text by 鈴木太郎
・【アフター武藤】の方舟で欠かせぬジェイク・リーの存在感
・大言壮語と思われた”武藤敬司の代わり”の実現
・新日も苦戦のゼビオアリーナ仙台初進出1,000人超え動員と盛り上がり
・本興行初実現！夏すみれシャイニング魔術vs.雪妃真矢ホワイトアウト
・団体初の女子試合は、空回りなく反応も上々
・ルチャ6人アクシデント発生も3対2ハンディキャップ戦乗り切る技量
・【アフター武藤】に向けたラストピース・潮崎豪の帰還
・5大GHC異国の地で存在感ワグナーJr-ジャック・モリス熱闘ナショナル
・強烈打撃・中嶋勝彦体格差埋めるも-GHCジェイク隙なし畳みかけでV1
・一般人に批判的リプライ飛ぶ程に注目を増すジェイク・リーの存在感
・固定ファンを引っ張り景色を変えたジェイクの功績
・水を得た魚の如くイキイキとしたジェイクが方舟にいる強み
■プロレスリング・ノア 『GREEN JOURNEY 2023 in SENDAI』
■日時:2023年4月16日(日) 16:00開始
■会場:宮城・ゼビオアリーナ仙台
■観衆:1,277人
プロレスリング・ノアとしては初進出となったゼビオアリーナ仙台でのビッグマッチ。
地方大会では異例の5大GHC王座戦に加え、ノアの単独興行では初となる女子プロレスマッチが組まれた今大会は、オープニングから凄まじい盛り上がりを見せた。
メインイベントでは、GHCヘビー級選手権試合・『ジェイク・リーvs.中嶋勝彦』の一戦が実現。中嶋の猛攻を凌ぎ、激闘に終止符を打ったのはジェイク・リー。初防衛に成功した直後、挑戦表明したのは丸藤正道。5・4両国ビッグマッチで両者の激突が濃厚となった。
「この団体は財力も選手の実力もあるんだろうけど、〝何か〟が足りない。その何かを今、補っているのは武藤敬司だ。でも、2月に引退する。じゃあ、それ以降どうなるんだってところだろ。だから、俺が武藤敬司の代わりをすればいい」
2023年1月、衝撃のプロレスリング・ノア参戦直後に某所のインタビューにてジェイク・リーが語った発言である。
同年2月に武藤敬司引退を控えた中、ノアに足りていない要素を補完する武藤の代わりを、ジェイクが引き受けるという、挑戦と野心に満ちた決意表明は、当時、やや大言壮語にも聞こえる強気も感じられた。
あれから約3ヶ月が経った。
ジェイク・リーは、ノアマット参戦から約2ヶ月半で団体最高峰のGHCヘビー級王座を射止め、今のノアで欠くことの出来ない存在感を放つ主要キャストへと躍り出る。
技数を減らし、シンプルな動きと独特な間で相手を制圧するだけでなく、彼のノア参戦以前には見られなかった、ジェイクの固定ファンと思われる層をもノアに取り込んでみせた。
▼横浜武道館に吹き荒れた春一番！ジェイク・リーGHCヘビー王座戴冠
誰も武藤敬司のようなレスラーにはなれないと私は思っているが、大言壮語にも思えた武藤敬司の代わりを、リング上でジェイク・リーが着実に務めつつあることは、アフター武藤のノアにとって大きな意味を持つ。
現に、武藤引退以降のビッグマッチは、動員を減らすどころか、増えつつある兆しも見せているのだから。
新日も苦戦のゼビオアリーナ仙台初進出1,000人超え動員と盛り上がり
新日も苦戦のゼビオアリーナ仙台初進出1,000人超え動員と盛り上がり 2021年以降、年1回のペースで組まれているノアの仙台ビッグマッチ。
今年は会場を仙台サンプラザから、団体初進出のゼビオアリーナ仙台に移して行われたものの、結果として1,277人を動員。
仙台初のGHC王座戦が組まれた2021年7月の658人、直前に新型コロナウイルスの影響で10選手が欠場した2022年1月の633人、平日に『N-1 VICTORY』公式戦が組まれた同年8月の505人に比べても、ほぼ倍増している。
当日はTV番組のチケットプレゼント企画による入場者もいたそうだが、現地在住者曰く「新日本プロレスのビッグマッチでも満員にならない」会場とのことで、その会場で1,000人超えを成し得たのは大健闘といっても良いのではないか。