[ファイトクラブ]モントリオール地元Sゼイン戴冠成らずも $記録更新達成Eチェンバー

[週刊ファイト3月2日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼モントリオール地元Sゼイン戴冠成らずも $記録更新達成Eチェンバー
 (c) 2023 WWE, Inc. All Rights Reserved. タダシ☆タナカ編
・実は強豪の道化師アスカ勝利!金網檻形式の進化完成系-堪能内容に
・5分弱尺だがボビー・ラシュリーのハートロック巨体Bレスナー極まる絵
・カナダ出身エッジ&グラマゾン勝利お約束FベイラーRリプリー審判日
・男子チェンバー戦ローガン・ポール介入も想定内セオリーUS王座防衛
・入場も王者が先 お客が求めた新たな英雄ついに万来の歓声にて凱旋
・サミ・ゼインWWE同会場デビュー8年前から世界味方エル・ジェネリコ
・長期計画変えても良かった反省!見たかったモントリオールの戴冠劇


■ WWE Elimination Chamber 2023
日時:2月18日(現地時間)
会場:カナダ・ケベック州 モントリオール ベル・センター 観衆17,271人(主催者発表)

実は強豪の道化師アスカ勝利!金網檻形式の進化完成系-堪能内容に
<第1試合 RAW女子王座挑戦者決定エリミネーションチェンバー戦>
○アスカ
 19分30秒 羽折固め
●カーメラ
※リブ・モーガンとナタリアから開始、ラケル・ロドリゲス、ニッキー・クロス、カーメラ、アスカ登場順

 なにしろモントリオールでの興行としてチケット収益、グッズ売上と歴史上最高額を記録したとWWEがわざわざ発表した『エリミネーションチェンバー』大会である。また、少なくとも数字がわかっている米国内ピーコックでの配信の視聴者数も、春・夏・秋・冬の4大PPV、今は5大PPVとの位置づけなんだが、それ以外の間の大会としては、これまでで最高の視聴者数を更新したとの発表があった。とにかく凄まじい新黄金時代を謳歌しているWWEであり、サミ・ゼインという地元出身の英雄の帰還もあって、未曽有の爆発となった次第だが、さらに中身も良かったのだから誉めるしかない。

 そのトーンを決定づけたが第1試合の女子チャンバーである。実際のチャンバーのドアが開いていく順番と、花道登場は別であり、道化師メイクのアスカから。初代ドインクの昔から、中身は実力者という仮面に隠された強豪のキャラ定義があるが、本誌が活字に残した通りアスカ勝利になる。ただ内容が練りに練られて面白かったのだから、予想はどうでもいいこと。なにしろ昔のチェンバーから檻自体が改良に改良を重ねていて、いわゆるエプロンの幅がかなり広くなっており、ボックス上からニッキー・クロスが飛んで3人が受ける場面も絵になった。選手のがんばりだけでなく、工夫を重ねたスタッフたちも賞賛すべきカードに昇華したのであった。

 ギッシリ超満員の会場に最初に出てきたのがアスカで、ボックス(実況ではポッドと呼ぶ)から最後に闘いに加わるのもアスカだった次第なんだが、例えば『ロイヤルランブル』のように、30番目に出てきたコディ・ローズが圧倒的に有利じゃないかと思われてしまうような感じにはしていない。

 先に触れたように、ニッキー・クロスこそポッド上から飛んで大きな見せ場を貰うものの、ポッドに叩き付けられて脱落したのを除けば、まだ皆が残っているし、全員の見せ場と役割が大変うまく構築されていて、またエージェントの緻密なデザインに応えて、全員が激しくやりあったことが素晴らしいのである。

 初期のチェンバー戦から見ている記者にとって、「こんなに面白かったっけ?」と思わせたのだから、大男がポッドを突き破ってしまう”破壊”を見所にしていたチェンバー形式なのに、2023年の女子戦で完成系のベストマッチを見ることになるとは、これはもう意外なボーナスだったとしか評しようがない。

 これでビアンカ・べレアvs.アスカが決定。王座交代の嵐が予定されるハリウッドでの『レッスルマニア』において、こちらは防衛になるんだろうが、これまたケツはどうでもイイこと。間違いなく中身のある強力カードが確保されたことになろう。そこが肝心なのである。

5分弱尺だがボビー・ラシュリーのハートロック巨体Bレスナー極まる絵
<第2試合 シングルマッチ>
●ブロック・レスナー
 4分45秒 反則
○ボビー・ラシュリー

 全部見ているファンには、またSmackDown-RAWのおさらい映像を尺とって延々と繰り返すのは、「飛ばすゾ、コラぁ~」と文句つけたくなるのだが、その反面、ああ、こりゃボビー・ラシュリー負けさせないな、なんかうやむや結末にするんだろうなと考える余裕を与えたかも(笑)。

 まぁ、その通りで苦し紛れの急所蹴り反則でラシュリー勝利になるんだが、5分弱の短い内容だがド迫力かつ、あの巨体のブロック・レスナーにハートロックが完璧に極まって、タマネギ頭の顔面がみるみる真っ赤になった絵は印象に残った。46歳のラシュリー、あの肉体は節制の賜物だし、説得力がある。ちょっと前になるが、オースチン・セオリーが舞台裏でレスナーに喧嘩売ろうとして、「お前とは仕事しない」と無視したんだが正解だ。反則裁定後、レフェリーにまでF5見舞って大暴れしていた超高給取りのレスナーさん。『レッスルマニア』は手の合うラシュリーとの抗争を続けるんだろう。

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