[ファイトクラブ]居場所作りに契約話する愚かさ“宮原健斗x永田裕志”三冠戦前に物申す

[週刊ファイト2月16日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼居場所作りに契約話する愚かさ“宮原健斗x永田裕志”三冠戦前に物申す
 photo & text by 鈴木太郎
・契約の話ではなく、居場所を作る意気が見たい
・居場所を作るべく腐心した小島聡
・【試合でファンを納得させる】という姿勢
・「永田が三冠挑戦したら面白い」という機運は高まらず
・2つの代償を支払わされた、今回の三冠王座戦
・契約をチラつかせて自らの居場所を表明するレスラーに、果たして観客はノレるのか?


はじめに

 2023・2・19、全日本プロレス後楽園ホール大会にて、三冠ヘビー級選手権試合・『宮原健斗vs永田裕志』が正式決定した。

 遡る事、約1か月半前…。
 2023・1・3の全日本プロレス後楽園ホール大会で、野村卓矢を破り三冠ヘビー級王座防衛を果たした宮原健斗の元に、青柳優馬と永田裕志が現れた。

 三冠王座へ挑戦する思いを宮原にぶつけた両者だったが、結果、宮原によって次期挑戦者に選ばれたのは青柳だった。
(2023・2・4八王子大会)

 宮原は永田にこう投げ掛ける。

「永田さん、あんたのホームで居場所がないから、ここに上がってるんだったら俺は受けない。でも、アンタがプロレスファンを納得させてみろ。」

 宮原の言葉に沸く会場。

 その後、永田は契約更改を終えたツイートで、宮原にこう反論した。

「『新日本に居場所がないからうちに上がっているのなら………』とネットの中傷書き込みを世間の声だと思っている視野の狭い某自称最高王者にこう言われましたが、2023年も新日本プロレス永田裕志をどうぞよろしくお願いします。」
(2023・1・11 永田のTwitterより)

 永田の言うように、宮原の主語は確かに大きかったかもしれない。
 ただ、私はこれを聞いて、永田に対してガックリ来てしまった。
 観ている側が返答として聞きたかったのは、そういう内容では無いのだ、と。

 更にガックリ来てしまったのは、2・4八王子大会のマイクだ。
 前王者の諏訪魔から勝利を収めた永田は、試合後に再度宮原への挑戦を表明した際、このような内容を述べた。

「1月3日。俺はお前の前に挑戦表明した。ホームに居場所がないやつだったら挑戦を受けないと言ったな。心配すんな。2023年、しっかり新日本プロレスから、とても最高な契約貰ったよ!」

 先の契約更改を引き合いに、自らの居場所が新日本にある事を表明した永田だったが、Twitter上におけるファンの反応はどうにも冷ややかだ。

契約の話ではなく、居場所を作る意気が見たい

 私が永田にガックリ来たのは、リング上での宮原が投げ掛けた問いを「ネットの中傷書き込み」という言葉で切り捨ててしまったり、わざわざ契約の話を持ち出して所属元から必要とされている点をアピールした事である。

 私は全日本プロレスをしっかり追いかけている人間ではない。
 でも、ほぼ同時期に、年齢もキャリアも近い小島聡がNOAHで成した事を見ているからこそ、今の永田に物足りなさを感じるのも事実だ。

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