[ファイトクラブ]2023年のカギは”第2集団”にあり~1・4東京女子プロレス後楽園ホール

[週刊ファイト1月19日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼2023年のカギは”第2集団”にあり~1・4東京女子プロレス後楽園ホール
 photo & text by 鈴木太郎
・前年比大幅増1・4坂崎ユカvs.山下美優、有望新人デビュー
・求められる”第2勢力”の台頭:試合内容に若干の物足りなさ
・荒井優希が挑戦者組”ザ・ウエイストランド・ウォー・パーティー”に完敗
・トップの顔ぶれを変えられるか否かの勝負2023年
・東女の持つ”ドロドロ感の無さ”はある種の強み、失う必要も無い
・16分8秒の凝縮坂崎ユカx山下実優プリンセス・オブ・プリンセス王座戦
・団体の景色が変わるか否か?3・18有明コロシアム坂崎ユカx瑞希


■ 東京女子プロレス 『東京女子プロレス’23』
日時:2023年1月4日(水)
会場:後楽園ホール 観衆:1,111人(主催者発表)

2016年から8年連続開催となった1・4東京女子プロレス後楽園ホール大会には、多くの観衆が詰めかけた。

 毎年恒例になりつつある東女のイッテンヨンは、1席空けのソーシャルディスタンス仕様ながら、前売り段階で完売した2022年のイッテンヨンを大きく上回る動員をマーク。
(2022年1月4日後楽園ホール大会は、主催者発表で観衆695人)

 今の東京女子プロレス(以下:東女)には、スターダムと共に日本の女子プロレスを牽引しているだけの勢いがあるし、メインの『坂崎ユカvs.山下美優』による激闘も含め、大会自体は良い内容に纏まっていたと感じた。

 この日デビューしたHIMAWARIや上原わかなも、新人らしからぬ表情の多彩さがあり、地力が付けば跳ねそうな雰囲気を感じさせてくれた。

 セミファイナル前の『渡辺美詩vs.トラッシュ・アドラ』も、渡辺が未知の外国人選手を相手に堂々たる試合を見せた事は、今後に期待が持てる。

 新たに練習生も増えて陣容が厚くなりつつなる東女であるが、選手構成を見た時に、筆者自身、やや不安を感じる大会でもあった。
 団体内のトップグループを脅かすだけの第2勢力が、まだまだ少ないのである。

■ 求められる”第2勢力”の台頭
 東京女子プロレスは、他の女子プロレス団体とは一線を画す団体である。
 男子以上に選手の貸し借りといった横の繋がりが深い女子プロレス界にあって、他団体との相互交流は皆無に等しく、国内のゲスト参戦選手がベルトに絡むような機会は稀だ。

 近年、他団体と交流し始めたスターダムとは対照的に、東女は一部の外国人選手を除けば【自前の選手+レギュラー参戦選手】でストーリーを回している団体でもある。
 故に、団体が方針転換でもしない限り、所属選手の地力を高めることが、団体の総合力を上げることに直結してくる。

 ここで筆者が指しているトップグループというのは、『後楽園や大会場のビッグマッチで複数回メイン起用されている』選手の事であり、今の東女であれば、山下実優、中島翔子、坂崎ユカ、辰巳リカ、瑞希、伊藤麻希がそれにあたると考えている。

 そのトップグループに続くようにして、乃蒼ヒカリ、渡辺美詩、愛野ユキ、上福ゆきといった王座戴冠歴の有る選手だったり、鈴芽や遠藤有栖といった次世代だったりが控えているのだが、この日の”第2勢力”の試合内容に、若干の物足りなさを感じてしまった。

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