[ファイトクラブ] 最近の見てない武藤・中邑ファンがノア信者以上に集った功罪:分析詳細版

[週刊ファイト1月12日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼中邑真輔Gムタ”奇跡”!ノア武道館9500札止100万視聴AbemaTV
 最近の見てない武藤・中邑ファンが信者以上に集った功罪:分析詳細版
 photo & text by 山下達也 w/編集部編
・Standing Ovationが全て…観た人の記憶に残り語り続けられる試合に
・本誌予想外したが数え唄最上級の闘い 拳王vs.清宮海斗どうですか?
・YO-HEY&Kzy華麗!Eita初挑戦戴冠も緊急合体の小川良成 先に帰る
・丸KENタッグ復活 往年の連携出るも杉浦貴&小島聡組から奪取ならず
・メヒコ帰り風貌変えた宮脇純太イイ!試合後サイン会も盛況AMAKUSA
・外国人Ace狙いジャック・モリスTサッチャー破りジェイク・リーと共闘へ
・会場沸騰Xはまさかの馳浩石川県知事!船木誠勝 藤田和之ら8人戦
・望月成晃&ジュニア+ススム無限Package吉岡世起ワグナーJr.小峠篤司
・忍者マック&Dレオン&アレハンドロ[カサドーラ] Hi69近藤修司タダスケ
・マサ北宮&稲葉大樹&稲村愛輝[無双] モハメド・ヨネ齋藤彰俊谷口周平
・武道館2023 Opening矢野安崇[フィッシャーマンズSuplex]小澤大嗣


■ ABEMA presents NOAH “THE NEW YEAR” 2023
日時:1月1日
会場:日本武道館 観衆9,500人(札止め=主催者発表)

 オモテ版のリポートとはかぶらないようにするなら、専門報道媒体的には発表のXが馳浩知事だったことで盛り上がったことと、全日本プロレスから退団したジェイク・リーがまずはノア参戦だったことになろう。そのジェイクの登場時の客席反応は概ねイマイチかも。まぁそれは仕方ない。札止めの9,500人という数字を考えると、中邑真輔ファンや武藤敬司を昔から観ている人達がノアファン以上に多く来場となり、あまり最近のプロレスは観ていない客筋が会場に集ったからかもしれない。

 実際、声出し応援不可にも関わらず一部のファンが守らず声を出しをしていたのは、普段のノアの会場ではまず見かけない光景であった。スタッフに注意されても逆ギレしていた人もいたようだ。規制退場もいつもはしっかり守られているが、この日はアリーナ席の客は守らない方が結構いた。2022年にノアを多く観戦した記者目線では、これは喜ばしいことではあるのだが、”いつもと違う客筋”の実感は指摘せざるを得ない。

 もっとも休憩時間を儲けないアメプロ式興行のノアなんだが、試合前、グッズ売り場に長蛇の列が出来ておりガチャ、パンフレット3,000円は試合前に売り切れ、Tシャツなど商品もノアファン以外の人も買っていた光景を目撃している。ビジネスとしても大成功だったことは述べるまでもない。

 プロレスリングノア日本武道館大会がチケット完売、超満員札止めの大成功を収めた。
メインイベント1にGHCヘビー級選手権試合、清宮海斗vs. 拳王は現在のノアが誇る鉄板カードである。王者・清宮海斗が防衛しベストを更新する内容になった。
 メインイベント2にグレート・ムタvs. SHINSUKE NAKAMURAがラインアップ。この一戦のためにWWEから参戦した中邑は、国内団体に登場するのは実に2016年以来7年振りである。試合はムタの毒霧を口移しに奪うと、逆毒霧を見舞いボマイェでフィニッシュを決めた。

Standing Ovationが全て…観た人の記憶に残り語り続けられる試合に
<メインイベント2 第10試合 スペシャル シングルマッチ>
●グレート・ムタ
 18分19秒 キンシャサ ⇒ 片エビ固め
○SHINSUKE NAKAMURA

 代理人の武藤敬司は「世界観と世界観のぶつかり合い」。SHINSUKE NAKAMURAは「何か新しいものが生まれる・・・」と戦前にコメントした両者。
 まさに奇跡、日本人スーパースター同士による歴史的な対決は他のカードと同列に並べてはいけない。新日本プロレスの東京ドーム大会のカードとも比べてはいけない、観た人の記憶に残り語り続けられる試合となった。

 二人が花道を歩き去る際に起きた拍手の嵐、スタンディング・オベーションが全てを物語っている。

本誌予想外したが数え唄最上級の闘い 拳王vs.清宮海斗どうですか?
<メインイベント1 第9試合 GHCヘビー級選手権試合>
○清宮海斗
 19分23秒 変型シャイニングウィザード ⇒ 片エビ固め
●拳王
※第41代王者が3度目の防衛に成功。

 カード発表記者会見でSHINSUKE NAKAMURAグレート・ムタ戦とGHC清宮拳王戦がWメインイベントとして発表されると、拳王は過去の歴代王者達に謝罪をした。

 「SHINSUKE NAKAMURA vs グレート・ムタはノアじゃないだろう?」とカードが発表された有明アリーナ大会後から拳王は噛み付いていた。
一方、王者清宮海斗はこのカードに対して意識した発言は控えて、あくまでも「俺を観に来てください!」という得意のフレーズでアピールする。

 試合は幾度となく闘ってきた両者の中で最上級の闘いとなった。トップロープからエプロンサイドへのファルコンアローという危険極まりない技を出す拳王に、受け切る清宮にはこの試合に対する両者の意地を感じた。
 試合は清宮が勝ち、王座防衛となったが集まった中邑や武藤敬司のファンの目にはどう映っただろうか?

YO-HEY&Kzy華麗!Eita初挑戦戴冠も緊急合体の小川良成 先に帰る
<第8試合 GHCジュニアヘビー級タッグ選手権>
●YO-HEY Kzy
 19分17秒 Imperial Uno ⇒ 片エビ固め
小川良成 ○Eita
※第54代王者組が初防衛に失敗。小川良成&Eitaが第55代王者となる

 2022年12月23日の『N Innovation』において新チャンピオンになったYO-HEYとドラゴンゲート所属Kzyの初防衛戦。ドラゴンゲート時代の先輩・後輩の間柄の二人は音楽に合わせ踊りながら入場するという、ある意味ノアらしくはないがそれがまた若い世代を中心に受け入れられる雰囲気が今のノアにはある。

 YO-HEYは昨年の新日本プロレス1.8横浜アリーナ大会出場以来、人気上昇してついには水道橋のザ・リーヴ看板に欠場中の潮崎豪にかわり登場するほどである。
 それにしても写真の通り、YO-HEY&Kzyは入場からして華やかだ。対する小川良成&Eita組は・・・。

 試合はペロス解散を期に前回大会でシングルマッチを闘った小川良成とEitaが緊急合体を果たし、見事初挑戦にてタイトル奪取に成功した。しかし、小川良成はEitaをリングに残し足速に控室に帰ってしまった。意味深なのだ。

丸KENタッグ復活 往年の連携出るも杉浦貴&小島聡組から奪取ならず
<第7試合 GHCタッグ選手権試合>
杉浦貴 ○小島聡
 18分40秒 ウエスタン・ラリアット ⇒ 片エビ固め
●丸藤正道 KENTA
※第62代王者組が3度目の防衛に成功。

 昨年の1・1以来のKENTA登場。今年は一世を風靡した丸藤正道との”丸KENタッグ”を復活させて、対角線には手の合う杉浦貴がいるという懐かしい顔合わせが実現した。

 現在はスタイルを変えて新日本プロレスで試合を行っているが立ち上がりから杉浦貴にロープブレイクの際に一発張られるとヒート。すっかりノアのKENTAに戻るものだからお客も喜ぶ喜ぶ。

 昔ほどの精度はもちろんないが合体・不知火を成功させるなど会場を大いに盛り上げた。試合はチャンピオンチームの小島聡が丸藤正道をウエスタン・ラリアットで下し王座防衛。「一発で奪取する」と宣言し継続参戦を期待させたが、果たして今後またノアに上がる機会があるのか? しかし、昔からノアを観ているファンにとってのお年玉マッチになったのは間違いない。

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