レジェンド対決はマメッド・ハリドヴがTKO勝ち!KSW 77

(C)KSW/Polsat

 12月17日(現地時間)にポーランド共和国グリヴィツェで『KSW 77: Mamed vs. Pudzian』が開催された。
 KSW(Konfrontacja Sztuk Walki=コンフロンタチャ・シュトゥク・ヴァルキ)は、ポーランドの総合格闘技団体。団体名はポーランド語で「総合格闘技が激突する」という意味。2009年に地上波Polsatで生中継されたKSW 12は、視聴者数650万人を記録しサッカー EURO 2012に抜かれるまではポーランドのスポーツ中継で史上2位の記録だったほど欧州最大のMMA団体となっている。2017年には本拠地ポーランドで6万人を集めた大会を成功させ、欧州最大のMMA団体として存在感を示している。
 今大会はKSWの集大成と言える大会で、メインはマリウス・プッツナウスキー対マメッド・ハリドヴというKSWの歴史を作った生ける伝説二人の階級を超えた夢のカードが組まれたのだった。プッツナウスキーはポーランドの国民的なスターでワールド・ストロンゲストマン・コンテスト5回優勝という実績を元にMMAデビュー。そのデビュー戦はKSW12(マルチン・ナイマン戦でTKO勝ち)で行われたのだが、なんと、当時のポーランドの人口の15%に相当する650万人が視聴し、それまでポーランドではマイナーなスポーツだったMMAの知名度を一気に押し上げ、MMA=KSWをメジャースポーツ、メジャー団体にした最大の立役者がプッツナウスキーだ。そしてハリドヴは一時、非UFC選手で最強と言われ、KSWの王者として(ポーランドから見て)外国勢を次々と撃破し、KSWは人気だけでなく、実力でも世界のMMA団体でもトップクラスだと証明した立役者だ。この二人がいなければ、KSWがここまで巨大な団体になっていないと言っても過言ではないが、現在は共に四十代という事で、ここで階級を超えたレジェンド対決が行われる事となった。当然、勝敗よりもレジェンド二人が対峙するという事に意味がある対決となった。試合はキックで攻めるハリドヴに対し組みついたプッツナウスキー。しかし、上手く体を入れ替えてテイクダウンでグランドで上になったのはハリドヴだった。そしてバックマウントを奪ったハリドヴが鉄鎚を落とし続け、遂にプッツナウスキーがタップ。生ける伝説対決はハリドヴのTKO勝利となった。
 レジェンド対決の下には二階級の王座戦が組まれた。バンタム級王座戦は、王者セバスチャン・プジビスがヤクブ・ヴィクワッツの挑戦を受け、ライトヘビー級王座戦は、王者イブラギム・チュジガエフがイヴァン・エルスランの挑戦を受けた。共に下馬評では王者が有利となっている。バンタム級王座戦は下馬評を覆し、挑戦者ヴィクワッツがグランドで攻めて優位に立つという展開。もちろん王者も反撃するも、判定で挑戦者ヴィクワッツが判定勝ちを収め新王者に輝いた。ライトヘビー級王座戦は、終始スタンドでの攻防が続き、双方が打ち合う激しい試合になったものの、王者がフラッシュダウンを奪うなど有利に試合を進め、判定勝ちで王座防衛を果たした。

■ KSW 77: Mamed vs. Pudzian
日時:2022年12月17日(現地時間)
会場:ポーランド共和国グリヴィツェ

<ヘビー級>
○マメッド・ハリドヴ(ポーランド)
 1R 1分54秒 TKO
●マリウス・プッツナウスキー(ポーランド)

<バンタム級王座タイトルマッチ>
○ヤクブ・ヴィクワッツ(ポーランド/挑戦者)
 判定 2-1
●セバスチャン・プジビス(ポーランド/王者)

<ライトヘビー級王座タイトルマッチ>
○イブラギム・チュジガエフ (トルコ/王者)
 判定 3-0
●イヴァン・エルスラン(クロアチア/王者)

<フェザー級>
○ダニエル・ルトコウスキ(ポーランド)
 判定 2-1
●ロム・アリ・エスキユダヤ(ドイツ)

<ウェルター級>
○アンジェイ・グゼビク(ポーランド)
 1R 4分21秒 TKO
●オトン・ジャッセ(ブラジル)

<フェザー級>
○パトリック・カチュマルチュク(ポーランド)
 1R 4分21秒 TKO
●パスカル・ヒンツェン(ドイツ)

<ライトヘビー級>
○ボグダン・グニッコ(ウクライナ)
 1R 0分38秒 TKO
●マダリン・ピルヴレスク(ルーマニア)