[ファイトクラブ]新日神戸:大盤振る舞いの3大王座戦の前日調印式&全試合詳細分析

[週刊ファイト10月6日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼新日神戸:大盤振る舞いの3大王座戦の前日調印式&全試合詳細分析
 photo & text by 西尾智幸
・フィンレー大一番!王者オスプレイ、ヒヤリとする場面ありの薄氷防衛
・IWGPジュニアタッグはリマッチ、しかし蝶野節全開6or9は奪回ならず
・電光石火のガンスタンで棚橋敗北、裏切り~話は急展開で兄弟愛に…
・裏切りの街・神戸の紋章:贅沢第1試合-SANADA乳モミ?他グラフ再現
・気合入ってる新日企画!過去最高の神戸大会を記者目線で総括する


 9月は、年に1度の神戸ワールド大会。ここ近年、タイトルマッチが行われても、1試合程度であったが、今年は久々の大盤振る舞いで、3大タイトル戦が行われた。
 しかも、消化試合や顔合わせだけのようなカードも少なく、第1試合から豪華な組み合わせ。更に、前日の24日には、兵庫県では珍しいタイトルマッチの公開調印式も神戸サンボーホールで行われた。まずは、その模様もご覧頂き、25日の試合報告に移りたいと思う。

■IWGPジュニアタッグ選手権調印式
王者チーム TJP&フランシスコ・アキラvs.挑戦者チーム 田口隆祐&マスター・ワト

ワト「自分達は前王者として全く不安はありません。全力でベルトを取り返したい」と勝利宣言。
田口「オイ! TJP! アキラ! ガタガタ言ってんじゃねぞ。よく聞け、オラ!」と何故か蝶野正洋口調で話し出す。最後は、「天山さんのアドバイス通り、2人で焼肉食うぞ!」横でワトがマッコリと言うと、田口は「マッコリ!」と言いながら蝶野ポーズ。「マッコリ飲むぞ!」「ウィー・アー・6or9! ガッデム!」。もう立会人の菅林会長も笑いを堪え切れなかった(笑)。
 最初、会場に緊張感が漂う中で、本人が“真面目”に蝶野になりきって最後まで話した事で、ずっと笑いを誘い会場を和ませた。

TJP「俺たちはただカッコいいというだけじゃなくて、お前らとは次元が違う。明日は俺たちが絶対に勝って、このベルトがまたこの手に戻ってくるということを確信している」とベルトをワトにかざして挑発。
アキラ「今の俺は自信に満ち溢れているし、ニュージャパンでIWGPを獲った一番若い選手であり、初のイタリア人だ」と主張。その後、田口&ワトの写真を取り出し、明日はこうなるとばかりにビリビリに破いて、田口に投げつける。
しかし田口は「今、SDGs! もったいねえ、資源がよ! メモとして使わせてもらうぞ、オイ! ガッデム!」と返し、再び笑いを誘う。通訳されると、アキラも苦笑い。ワトまで笑ってしまっているのはご愛嬌(笑)。


■NEVER無差別級選手権試合
王者 カール・アンダーソンvs.挑戦者 棚橋弘至
棚橋「“挑戦者”の・・・棚橋です。今回の、このNEVERのタイトルマッチ、とても楽しみに待っていました。理由は、3つ。まずは対戦相手がカール・アンダーソンだということ。
あと2つ・・・はこれから考えます。明日はベルトを獲ってしっかり締めます」

 ビールを飲みながら、ドグ・ギャローズが先に棚橋を挑発。その後…
カール「カール・アンダーソンは文句なしのイチバンだ。タナハシはレジェンドで偉大なレスラーだ。タナハシは俺の師でもあった。しかしタナハシは明日、コーベで敗れ去る。ベルトは日本を離れ、全世界に向かっていく」と強気宣言。

■IWGP USヘビー級選手権試合
王者 ウィル・オスプレイvs.挑戦者 デビッド・フィンレー
フィンレー「お前はジュニアの時代から、多くの有名な選手と名勝負を繰り広げ、沢山のベルトを手にしてきたし、ヘビーに転身した今も数々伝説的な試合をしてきた。今は自分でも軍団も率いている。それは凄いことだと思う。但し、明日の試合は全く別の話になるだろう。下馬評ではオスプレイのほうが有利みたいな話も沢山聞く。俺はその期待を裏切るつもりで全力を尽くすし、明日USのベルトが巻かれるのは自分の腰であることは間違いない。」

オスプレイ「デビッド・フィンレーという負け犬のことを少し振り返ってみると、ニュージャパンで最初に挑戦したチャンピオンシップは6人タッグ王座の選手権だったな。しかも、3回も挑戦したのに獲れなかった。そして、フィンレーが初めてIWGPのベルトを獲ったのはタッグのベルトだった。このベルトはジュース・ロビンソンという友達が頑張ったから獲れたベルトだ。そして、フィンレーという男は父親の七光りでやっているだけの選手だ」と、こき下ろすと、フィンレーはパイプ椅子をオスプレイの頭部に思いっきり投げつけダウンさせ、ベルトを掲げると勝ち誇ったように去っていった。

 また、この日は調印式前にオカダ・カズチカのトークショーも行われ、今年のG1の話、JONAHへのリマッチの事、天龍源一郎のモノマネをしながら、本人とのエピソードを披露するなど、大いに盛り上がった。

※調印式&トークショーの写真提供 マスクトi氏

フィンレー大一番!王者オスプレイ、ヒヤリとする場面ありの薄氷防衛

■新日本プロレス『バーニング・スピリット』
日時:2022年9月25日(日) 開始16:00~
会場:兵庫・神戸ワールド記念ホール
観衆:3150人(主催者発表)

<第9試合 IWGP USヘビー級選手権試合>
[第16代王者]
○ウィル・オスプレイ
 28分22秒 ストームブレイカー⇒片エビ固め
[挑戦者]
●デビッド・フィンレー
※オスプレイが2度目の防衛に成功

 8月2日浜松のG1公式戦でウィル・オスプレイがまさかのデビッド・フィンレーに敗退。その後、フィンレーは執拗にIWGP USのベルトへの挑戦をアピール。この日に漕ぎつけた。 気合の入った表情で入場してきたフィンレー。オスプレイも渋い表情で会場を見渡す。

 ゴングと同時に、激しいエルボー合戦。打ち勝ったフィンレーは、ドロップキック。更にラリアットでオスプレイを場外に落とすと、早くもプランチャを放つ。そのまま場外での乱闘が続き、オスプレイがテーブルを2つ並べパワーボムを狙ったが回避された。

 リングに戻ってからも、お互いに、パンチ、キック、エルボーと打撃を中心に試合を組み立てていく。コーナー上段で技の掛け合おうとするが無理と見るや、オスプレイはエプロンへのサンセットフリップ・パワーボム、コーナー最上段からコークスクリュー式のボディアタックでフィンレーを追い詰め、更に並べてあったテーブルに叩きつける。


 超ピンチのフィンレーだったが、ここでシレイリ(棍棒)をオスプレイの指に打ち付けて脱出。オスプレイは大声を出し、のたうち回る。リング上でも手にストンピング、脇固めで押さえつけ指を捻じ曲げる拷問攻撃。更に指を捻じ曲げ、噛み付いていく非情な攻撃。

 オスプレイは、なんとかサマーソルトキックから延髄斬りでこの指責め地獄から逃れると、たまらずセコンドにテーピングをお願いする。まあ、効果があるのかは別にして(笑)、それくらい効いているという事だろう。とにかく、断末魔の叫びであった。
 そして、オスプレイはピッピー・チェリオを、フィンレーはアイリッシュカース。更にオスプレイはオスカッターを狙うも、フィンレーはかわし、エプロンでハーフネルソンスープレックス、更に場外のテーブル目掛けてACID DROPを炸裂。動けないオスプレイを引きずり起こすと、テーブルの上にパワーボム。テーブルが2つ共、折れ曲がる衝撃!


 オスプレイはカウント18でリングに生還。するとフィンレーはスピアーからトドメのACID DROP! 決まったかと思ったが、オスプレイはカウント2ではね返す。ここからも、お互い死力を尽くしての熱い攻防となるが、最後はオスプレイの正面からのヒドゥンブレード。そして必殺ストームブレイカーでピリオド。敗れたとはいえ、フィンレーは期待以上の仕事をやってのけた。

 このまま、マイクで締めるのかと思いきや、ニヤニヤしながら内藤哲也が登場し、挑戦表明。しかし、「オイ!オイ!オイ!オイ!」と声が聞こえザック現れる。内藤に、「今日(俺らに)勝ってないよね? G1もオスプレイに負けているよね?」と迫り、自分の方に挑戦権があると主張。しかし、妥協案として挑戦者決定戦をやろうザックがいうと、内藤はオスプレイに「またね」と告げ、リングを去っていくと、ザックもあとを追い仲良く花道を帰っていった。オスプレイは、なんじゃこりゃ? という表情。その後、10月2日・ロンドンで両者のシングル対決が決定した。

IWGPジュニアタッグはリマッチ、しかし蝶野節全開6or9は奪回ならず

<第7試合 IWGPジュニアタッグ選手権試合>
[第70代王者]
TJP
○フランシスコ・アキラ
 12分43秒 ザ・リーニング・タワー⇒エビ固め
[挑戦者]
●田口隆祐
マスター・ワト
※TJP&アキラが初防衛に成功

 調印式で、蝶野節全開で場内を和ませた田口が、入場からサングラスをかけて早速蝶野風に登場。試合開始後も、アキラが挑発すると、田口は「ガタガタ言ってんじゃねえ!」と一蹴。いや、これ笑えます(笑)。DDTや大阪プロレスならまだしも、天下の新日本で真面目にやり通すから余計に滑稽。まあ、この試合で一番お伝えしたい事はこれ(笑)。

 いや、試合もすごく良かった。改めて6or9の連携、田口のベテランの巧さ、ワトの身体能力の高さ、しかもドンドン胸板も厚くなり、貫録も出て来たし。
 しかし、王者組も連携プレイも多彩で、どうなるのか読めない動きも多く、それが結果として、スイングし面白い試合になった。最後は、田口をザ・リーニング・タワーで仕留めたが、6or9にはもう一度ベルトを巻いて欲しいと思う。


 まあ、敢えて言えば、最後も田口には蝶野節で負け惜しみを言って欲しかった気もするが(笑)。

電光石火のガンスタンで棚橋敗北、裏切り~話は急展開で兄弟愛に…

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