SB KENTo、『探偵!ナイトスクープ』で元同僚とファイト!

 9月23日(金)、ドラゴンゲートのSB KENToが関西ローカルのABCテレビ『探偵!ナイトスクープ』に出演した(関西以外の地域では後日放送)。『ナイトスクープ』と言えば、現在ではダウンタウンの松本人志が探偵局長(MC)を務める、関西の超人気番組である。
 番組の趣旨は、視聴者からの依頼に基づき、芸人探偵が解決にあたる、というものだ。では、SBKはどんな形で番組に登場したのか?


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『SBKと闘いたい!』プロレスラーを断念した同期生の想い

 番組に依頼してきたのは、福岡県在住の山口甲刀(かぶと)さんという22歳の会社員。山口さんは父親の影響で子供の頃からプロレスラーになるのが夢で、福岡から神戸に出て来てドラゴンゲートの見習い寮生になったものの、入団テストで不合格となる。そこで福岡のインディー団体に入団するが、デビュー前に脊髄の病気が発覚。さらに肺にも腫瘍が見つかり、ドクターストップによりプロレスラーへの夢は断念した。
 現在は病気も治り、運送業で生計を立てているが、自分の同期たちがプロレスラーとなって活躍しているのを見ると、羨ましくも悔しくもあるため、一度だけ試合をさせて欲しいというのが依頼内容だ。

 山口さんの夢を叶えるべく、担当した探偵は漫才コンビ『ハライチ』の澤部。澤部が福岡に行き、実際に会った山口さんはかなりのイケメンで、もしプロレスラーになっていたらスターとして扱われただろう。
 現在でも山口さんは、仕事終わりの夜中に10kmのランニングやバク宙の練習などをしているという。

 山口さんが試合をしたい相手は、ドラゲーの見習い時代に同期だったSB KENTo。一番仲が良かったSBKにボコボコにされて、プロレスへの想いを断ち切りたいというのが山口さんの願いだ。
 SBKは、山口さんの病気のことは知っているらしい。山口さんがドラゲーを辞めてからも、連絡は取り合っていたそうだ。

 澤部と山口さんは、プロレスラーになることをずっと応援していたという父親と共に神戸へ飛び、ドラゲーを訪ねる。山口さんがドラゲーの道場に来るのは5年ぶりだ。
 出迎えたのはドラゲー取締役の斎藤了。SBKは名古屋遠征中で不在だが、間もなく戻るという。

 山口さんの想いを聞いた斎藤は、まずはSBKと試合が出来るのかテストする。山口さんの受け身とロープワークを見た斎藤は、基礎が出来ていると太鼓判を押した。

 遂に、名古屋からSBKが戻って来る。もちろん、SBKは道中で山口さんのことを聞いていた。
 SBKは、仲が良かった山口さんとの想い出を語る。「一緒にタッグを組もうぜ」と夢を語り合ったり、夜中に2人でコッソリ練習したりしていたそうだ。それだけに、山口さんの病気のことを知った時は、SBKもショックだったという。

 澤部が「メチャクチャ良いヤツだな」とSBKを褒めると、ヒールのSBKは突然タメ口になり、
「澤部どうした!? 悪いヤツだから、俺は! キャラ壊すんじゃねえよ!!」
と照れながら吠えた。

かつては夢を語り合った同期の2人が、最初で最後のゴング!

 父親の目の前で、山口さんとSB KENToの、最初で最後の試合が始まる。山口さんは「技術がないので、気持ちでぶつかりたいと思います!」と抱負を語った。

「やれんのか、お前!」
 SBKが啖呵を切ると、
「やれるわー!」
と言い返す山口さん。

 ゴングが鳴り、ロックアップで組み合う2人。山口さんがロープに飛び、SBKにショルダー・タックル! 思わずよろめくSBK。しかし、今度はその反動でショルダー・タックルにより山口さんをなぎ倒す。
 そしてエルボーの打ち合い。パワーで勝るSBKは、山口さんに「逃げるな、てめぇコラ! 返せよ!!」と吠えまくる。負けじとエルボーを返す山口さん。
「逃げるなよ、カブトー!!」
 なおもエルボーを打ち続けるSBK。激しいエルボーの打ち合いが続いた。

「(山口さんにとってのプロレスは)最後だぞ、お前。打ってこい!」
 SBKは山口さんへの挑発を続けた。呼応するように、必死でチョップを打つ山口さん。
 自らロープに飛んでショルダー・タックルをブチかました山口さんは、遂にSBKを倒した。

 しかし、さすがに山口さんには疲労の色が出始める。
「苦しいよな、お前! この先、もっと苦しいことが待ってんだ!! 負けてんじゃねえぞ!」
 グロッキーになりかけた山口さんに檄を飛ばし、チョップを打ち続けるSBK。

 そして、SBKはボディースラムから逆エビ固めで山口さんを絞り上げた。苦しむ山口さんはロープに逃れようとするも、SBKはパワーでリング中央まで引き戻す。
 遂に山口さんはギブアップ。15分55秒、SBKが山口さんに引導を渡した。

「どうだ?」
 SBKが山口さんに問い掛けると、
「最後まで楽しかった。ありがとう」
と山口さんが言い、二人は抱き合う。

 2人の姿を見て、山口さんの父親は涙を堪えることができない。父親が子供の頃の山口さんをプロレス観戦に連れて行ったため、山口さんはプロレスラーを志すようになったのだ。

「今ので全てを出し切ったので、次のステップに進みたいと思います」
 と山口さんは人生への想いを語った。

「今後のカブトの人生において、プロレスをやってたということは、絶対にいいものになっていくと思うんで」
 SBKの言葉に対し、澤部が言う。
「いいヤツっすねえ」
「今日だけな!」
 SBKが悪役らしからぬ照れ笑いを見せた。

 176cm、70㎏の山口さんは、線が細いもののトレーニングをしていただけあって、筋肉質の良い体をしている。本格的にプロレスのトレーニングを積んでいけば、もっと分厚い体つきになっていくだろう。そもそも、いきなりシングル・マッチを16分近くもできるものではない。
 それだけに、病気が実に惜しいと思う。前述したとおり、かなりのイケメンなので、デビューしていればスターになったことは請け合いだ。

 VTRが終わり、スタジオのダウンタウン松本は、
「俺も子供の時に、お父さんに梅田花月へ連れて行ってもらったことが凄く想い出になって(笑い芸人になった)、だからそういうことって大事よね」
 と語った。

 世のプロレス・ファンのお父さんたちよ、子供をプロレス観戦に連れて行こう! 我が子が将来、スター・プロレスラーになるかも知れませんぞ。


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