[ファイトクラブ]AEWグレート・ムタ降臨Rampageハングマン・ペイジMOX挑戦権獲得

[週刊ファイト10月6日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼AEWグレート・ムタ降臨Rampageハングマン・ペイジMOX挑戦権獲得
 photo by George Napolitano 編集部編


■ AEW Rampage Grand Slam
日時:9月23日(現地放送時間 録画番組)
会場:米ニューヨーク州NYCクイーンズ アーサー・アッシュ・スタジアム


 本丸ニューヨーク市に帰還してのDynamiteに続いて2時間特番仕様での『Rampage Grand Slam』である。まず、現在はRampageの解説になっているJRことジム・ロスが花道から、さらに同じく実況席に付くクリス・ジェリコが出てきて、最後はトニー・カーン代表の前説による「これからRampageの収録始めます」と。ここまでは現地派遣の本誌だから出せる絵であって、番組には紹介されていない。


 放送中継が始まって、最初の絵がチアリーダーのジュリア・ハートのシルエットから。え?なのであって、冒頭に誰が出てくるかは重要なのに、一体いつからそんなに出世したんだろうかと一瞬思ったのだが・・・。ああ、そうか。このカード、House of Black(ブロディ・キング&バディ・マシューズ)と、ダービー・アレン&スティングなんだが、当然もうマラカイ・ブラックはいない。WWEから「戻って来ないか」とオファーがかかり契約解除を申し込むのだが、5年とかの長期契約を交わしており、精神に異常をきたしたとかでとりあえず自宅待機にさせられている。今後どうなるかはわからないのだが、それもあってむしろジュリア・ハートであり、House of Blackは健在であると。


 試合は当然ながら半骸骨君が刺青魔人らに孤軍奮闘でボコられることになるのだが・・・御大スティング翁、年だからなにもしないというわけではなく、コーナーから場外に飛ぼうとして刺青魔人にテーブル2台のところに落とされる(カメラマンの反対側なので写真はない)spotがあり、しかし、1台だけが割れるも2台目が壊れなかったのでスティングさん、額打って(軽傷ではあるが)血流すことに。結局はジュリアに手錠かけられ椅子に縛られた。


 そしてスティングの危機、だが雄叫びを上げると場内暗転! あの音楽が鳴って電光スクリーンには”GREAT MUTA OSAKA FINAL”って・・・それはノアの大阪大会なんですけど(笑)。まぁいいか。


 かくして、お約束の毒霧噴射がバディ・マシューズ顔面を緑に染めたのであった。これぞ歴史絵巻のクライマックス!


 Dynamiteのサレヤ(元ペイジ)投入に続いて、Rampageの隠し玉はグレート・ムタの降臨であった。有終の美である。

 そしてノアから、2023年1月22日、横浜アリーナでの最後のグレート・ムタに、スティングの参戦が発表されている。


HOOKはアクション・ブロンソンと組むのかぁ。なんかブリー・レイ(ババ・レイ・ダッドリー)みたいな風貌なんですけど・・・。やはりECWタッグのイメージなんですかねぇ。親父タズは「なにやってもいいが、プロレスラーにだけはなるな」と言ってたんだけど。相手はJASのカナダ組マット・メナード&アンジェロ・パーカーです。

 ダブルでの”タズミッション”とは呼ばない”レッドラム”が決まりました。


 会場での試合順では、次がジェイド・カーギルの38連勝目だったんだが・・・やはり変えましたか(笑)。ということで、ウォードロウとサモア・ジョーが出てきてトニー・ニースとジョシュ・ウッズを退治します。試合自体はジョーのキン肉バスターがニースに決まる。ウォードロウがお約束のパワーボムをニースにやろうとして、結局はマネージャーのMarkSmartスターリングが3連発のシンフォニー喰らってました。


 ”ジャングルボーイ”ジャック・ペリーと現在のルチャNo.1と称されるレイ・フェニックスのシングル戦は、そりゃもう凄いのなんのって・・・。解説のクリス・ジェリコが2度も「こんなの俺には出来ない」という展開が思わず二度も口に出るくらい。ただ、惜しむらくは起承転結というか、担当エージェントがspotの順番をもっと練って欲しかったかなぁと。この二人は凄い芸当がこなせるんだけど、まだ自分たちでは試合を作れないからなぁ。試合自体は一進一退というか、フェニックスが追い詰めたんだが一瞬の切り返し丸め込みでペリーが勝利というケツです。

 途中でクリスチャン・ケイジが出てきていたんで、やはりこうなるかなんだけど、黒のルチャザウルスが背後から出てきてペリーを制裁して、「今日は母や姉はいないのか」と、会場のヒートを買うのであった。


 さて、サミー・ゲバラとタイ・メロ(「AEWのパワーカップル」だって)の舌を突っ込み合う長いKISSの花道登場からは、問題のエディ・キングストンである。AEWで謹慎処分になっていたのはCMパンクとエリート勢だけではない。エディもバックステージで殴りかかってしまい、これは周囲に止められたため暴行事件にはならなかったのだが、エディだけが番組出れない期間を喰らって、『All Out』のダークマッチで復帰に。そもそも、その『All Out』でこの両者の対戦が予定されていたんだが、「この豚野郎!」とサミーがマイクやったのが許せなかったようで・・・。記者は、見逃しているハズないんだが、いつもの普通の煽りにしか聞こえなかったんで、最初処分を聞いた時は「そんなのあったけ?」だったものだ。
 ということで、いきなり組まずにようやくこのRampageでとなって、サミーはやはり「この豚野郎」をマイクするんだが、当然ながらピー音で消されるというのは予定通りの演出だと思う。

 試合はエディが裏拳3発から川田利明のストレッチ・プラムでギブアップさせるもので、多分これが『All Out』の予定フィニッシュなんだろう。ところが、レフェリーの再三の要請にも技を解かないので、大人数のセキュリティーもリングに出てきて、レフェリーはリングアナウンサーにエディの反則負けを告げるのであった。ふ~ん、そうしましたか。
 ただ、本誌とか事情通マニアはともかく、そもそもなんでこういう最後の絵にしたのか、インサイド過ぎて大半の視聴者にはわからないと思う。まして、この判定が覆るというケツは、この日の予定通りだとは確信するけど、あの大人数のセキュリティーというのは、万が一のことになった場合という配置だったとも思うのだ。セキュリティーのチーフという役割で、エージェントのジェリー・リンが最後まで残ってエディとやりあっていたんだが・・・。


 当日の会場と順番変えてジェイド・カーギルが必殺ジェイデッドで仕留めるカードがこの箇所なのは、お口直しなのだろうか。やられ役ディアマンテと一緒に出てきた黒人のトリナが、試合後にカーギル軍団に寝返る絵にしてましたけど。


 さて、セミの位置にしてRampageの目玉はゴールデン・チケットという名称でのジョン・モクスリーの次期挑戦者を決めるバトルロイヤルなんだが、ちょっとこれはニューヨークに来た選手を出したという・・・。なにしろMEGAショーである。AEW DARKの2試合前座から始まり、2時間のDynamite、さらに2時間特番のRampageでも、出番のない選手はまだまだ沢山いると。少なくとも20名以上の選手が参加、まして孔雀のダルトン・キャッスルは例の孔雀ボーイズ2名も実質試合に参加とか、インドの怪人など私服姿のマネージャーたちもちょっかい出すから、総勢では30名超えていたと思う。しかし、一人だけ入場曲付きで出てきたハングマン・ペイジと、ルーシュだけは最初から目立っているんだが、あとは顔見世だけでどうなんだろうか。


 ということで、事前にSNSで配ってる煽り画像に出ている選手に予定通りに絞られて行き、最後はハングマン・ペイジがデッドアイからルーシュを落として優勝。王座戦は通常の水曜夜でなく火曜10月18日、MOXの地元オハイオ州シンシナティです。


 番組トリがパワーハウス・ホッブスとリッキー・スタークスのライツアウト・マッチ。以前にも説明したが、闇夜の月光デスマッチではなく、なんでもありルールでAEWの公式試合とはカウントしない、サンクションしないという意味である。なにしろ『All Out』の試合が他の試合が時間押してしまいわずか4分に削られ、しかもリッキーがやられるだけだったんで、そのリベンジをスタジアム会場のメインでというお題目もあるんだが・・・正直、もうこの時点でとうに深夜12時回っており、帰る客もいることを見越したんだと思う。ちょっと可哀そうなんだが・・・。

 さすがにリッキーに見せ場が与えられ、必殺ロシャンボーが決まってました。

 トニー・カーン代表は、「どこかの団体がCrown Jewelとか外国でやる大会を称してるが、今は北米がプロレスの黄金時代。その中で本丸のアーサー・アッシュ・スタジアムでゲート収益だけで100万ドルの興行を成功させたのは大きい」と自画自賛してました。それは事実なんで異論ありません。ただ、同じ2時間特番だったんだが、RampageはやはりBショーだったかなぁ。