クラウディオ・カスタニョーリROH王者 トリFTR43分26秒ブリスコ兄弟

(c) AEW

■ ROH Death Before DISHONOR
日時:7月23日(現地時間)
会場:米マサチューセッツ州ローウェル ソンガス・センター

 大変残念なことだが、日本時間火曜夜7時になってもAEWから公式写真が届かないので、PPV大会は試合結果のみ紹介せざるを得ない。実際、「こんなのプライムタイム(日本表記ゴールデン)に流していいのか?」のDynamiteでの大流血戦も、SNS公開のわずかな点数を除いて写真配布がなかったのだが、これはカメラマンの手配ミスではなく、やはり恣意的に「これを配ったら世間から叩かれる」と、わざと出さなかったことがあとから判明した。本誌は「この(ジュースによる)凄惨なデスマッチ内容はやり過ぎ」と、苦言を活字にした通りである。

 AEW傘下になって以来2度目のPPV大会であり、非常に素晴らしい内容であったことは総括しておく。捨て試合というか、ダメだったカードもなく全試合ハイクオリティではあった。本戦第1試合となったROH王座戦は、本誌の定期購読者なら拡大版に活字にしてチラシにまで強調しておいたように、以前はROHでも長く活躍したが一度もベルトを巻いてなかった元セザーロことクラウディオ・カスタニョーリが初戴冠。良い試合だったのだが、ジョナサン・グレシャムは尺が短い扱いだったのが不満なのかトニー・カーン代表と揉めた舞台裏話も伝わってはいる。また、FTRのマネージャー役からどんどん降格扱いだったタリー・ブランチャード爺さんも、辞めたのかはっきりしないのだが・・・。まぁAEWの裏話は策士トニー・カーンがはっきり言わないので確認が取れないのだが、別ブランドと言いながら結局DynamiteやRampageで番宣やってるROHの将来はイマイチ不明のままだ。

 ソンガス・センターは、民主党の故ポール・ソンガス議員にちなんで名称変更されてから、YESの35周年記念コンサートがDVDで出ているからロックファンにも知られている会場である。ビル・クリントンに負けて大統領候補にはなれなかったんだが、当時米在住の記者は断固としてポール・ソンガス熱烈応援であり、ニューヨークでやった講演会は行ったものだ。そんな田舎の知事やってた奴(クリントン)より、東部のインテリ層のホープはソンガスだったのだが・・・。どっちにせよ「ブッシュだけは絶対困る」だったんで結果オーライだったけれど(苦笑)。
 なんでこんなことを書くかというと、ボストンとかフィラデルフィアもそうだが、客が勝手な主催者側の予想を裏切る反応をする鬼門の土地柄だからなのだが、画面を見る限り沸いていたし、本誌のベストマッチ賞はルーシュとドラゴン・リーの兄弟対決になる。AAAとCMLLの政治問題はもういいから、新日本でもこれをやれよと思うのだが・・・。そりゃ兄貴が勝つんだが、ドラゴン・リーが滅茶滅茶凄いゾ!
 やはりトリになった(メインに順番変えた)タッグ王座戦は至宝の内容に。3本勝負という形式にしたのもミソなら、こちらを最高試合と誉めてるところも目にしたが、合計43分26秒の大激闘。ダックス・ハーウッドが頭打った危ない箇所もあったのだが、これがプロレスのタッグマッチなのである。日本ではちゃんとした本物のタッグ職人による試合がなかなか見れないので、プロレスマニアなら堪能できること請け合いだ。日本のプロレスがイチバンと思っている方は、井の中の蛙を思い知ることになるだろう。

<第1試合 ROH王座戦>
[王者]●ジョナサン・グレシャム w/プリンス・ナナ
 11分30秒 リコラボム
[挑戦者]○クラウディオ・カスタニョーリ w/ウィリアム・リーガル

<第2試合 ROH世界6人タッグ王座戦>
ヴィンセント ●ベイトマン ダッチ
 9分40秒 バンアラン
○ダルトン・キャッスル ザ・ボーイズ

<第3試合 ROHピュア王座戦>
[王者]○ウィーラー・ユウタ
 15分55秒 シートベルト・クラッチ
[挑戦者]●ダニエル・ガルシア

<第4試合 シングルマッチ>
○ルーシュ
 15分50秒 ブルズ・ホーンズ
●ドラゴン・リー
なんでこのpreiewしかSNSにも画像がないのか? AAA-CMLLからオモテに出来ないカードだからなのかと思っていたらあとから少しだけありましたけど。

<第5試合 ROH世界女子王座戦>
[王者]○メルセデス・マルチネス
 17分20秒 変形ドラゴン・スリーパー
●セリーナ

<第6試合 ROH世界TV王座戦>
[王者]○サモア・ジョー
 12分20秒 コキーナ・クラッチ
[挑戦者]●ジェイ・リーサル

<第7試合 ROH世界タッグ王座3本勝負>
[王者]○FTR(ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィラー)
 1本目 ●ダックス・ハーウッドにドゥームズデイ・デバイス
 2本目 ●ジェイ・ブリスコにビッグリグ
 3本目 ●ジェイ・ブリスコに雪崩式パイル・ドライバー
 計43分26秒
[挑戦者]●ブリスコ兄弟(ジェイ&マーク)