怪力世界一男が強烈アッパーでKO勝ち!KSW 70

(C)KSW/Polsat

 5月28日(現地時間)にポーランド共和国ウッチで『KSW 70: Pudzian vs. Materla』が開催された。
 KSW(Konfrontacja Sztuk Walki=コンフロンタチャ・シュトゥク・ヴァルキ)は、ポーランドの総合格闘技団体。団体名はポーランド語で「総合格闘技が激突する」という意味。2009年に地上波Polsatで生中継されたKSW 12は、視聴者数650万人を記録しサッカー EURO 2012に抜かれるまではポーランドのスポーツ中継で史上2位の記録だったほど欧州最大のMMA団体となっている。2017年には本拠地ポーランドで6万人を集めた大会を成功させ、欧州最大のMMA団体として存在感を示している。
 今大会のメインははポーランドの国民的英雄で怪力世界一男マリウス・プッツナウスキーと長きに渡りKSWで活躍してきたミカウ・マテルラの一戦となった。マテルラは本来ライトヘビー級~ミドル級の選手なのだが、プッツナウスキーは45歳という引退していてもおかしくない年齢という事もあり、下馬評ではマテルラが有利となっている。しかし試合はスタンドで重たい打撃で押していたプッツナウスキーが強烈なアッパーをマテルラの顎に叩きこみ、一撃でマテルラは吹っ飛び大の字にダウン。レフェリーが慌ててストップしてプッツナウスキーがこれぞヘビー級という見事なKO勝ちをした。マテルラは暫く立ちあがる事が出来ず、なんとか意識が戻ると会場からも拍手。更に同じくKSWレジェンドであるマメッド・ハリドヴもプッツナウスキーを祝福に現れ、対戦を示唆。KSWの生ける伝説の二人の対戦が現実味を帯びてきた。
 セミファイナルでは、UFCやACAで活躍していたメジャー戦士、ダニエル・オミエランチュクが13年ぶりに母国ポーランドのKSWで試合を行う事となり、対戦相手は日本のライジンにも参戦しているリカルド・プラセルとなった。試合はプラセルのキックを掴んだオミエランチェックが押し倒すようにテイクダウンをしてグランドで上を奪うも、プラセルが下から足関節狙いにきてアキレス腱固めで一本勝ち。プラセルが下馬評を覆し、元UFC戦士に勝利した。
 更に、元ボクサーでポーランドでも知名度の高いアフリカ系黒人移民のイズアグべ・ウゴノーがMMA三戦目を行った。対戦相手のマレク・サモチュクは当然、ボクサー相手にスタンド勝負を避け、組み付いてテイクダウン。こうなるとウゴノーは何も出来ず、マウントポジションを奪われて、サモチュクのマウントパンチを食らい続けレフェリーがストップ。サモチュクが知名度の高いボクサー、ウゴノーに勝利した。

■ KSW 70: Pudzian vs. Materla
日時:2022年5月28日(現地時間)
会場:ポーランド共和国ウッチ

<ヘビー級>
○マリウス・プッツナウスキー(ポーランド)
 1R 1分47秒 TKO
●ミカウ・マテルラ(ポーランド)

<ヘビー級>
○リカルド・プラセル(ブラジル)
 1R アキレス腱固め
●ダニエル・オミエランチュク(ポーランド)

<ライトヘビー級>
○イヴァン・エスラン(クロアチア)
 1R 3分31秒 TKO
●ラファエル・キジャンズキ(ポーランド)

<ヘビー級>
○マレク・サモチュク(ポーランド)
 1R 3分38秒 TKO
●イズアグべ・ウゴノー(ポーランド)

<ライトヘビー級>
○バルトシュ・レスコ(ポーランド)
 判定
●ダミアン・ピウォワルチク

<ミドル級>
○ラドスワフ・パクズスキー(ポーランド)
 3R 1分46秒 TKO
●ジェイソン・ウィルニス(オランダ)

<女子ストロー級>
○アニタ・ベクス(ポーランド)
 判定
●ロベルタ・ゾッコ(イタリア)