シロクマ出迎えしゃちは跳びKAIと吉田はつばぜり合い・豪華メンバー揃い踏みドラゴンゲートしゃちほこBOY凱旋大会


 シロクマのはく製が両手を広げてお出迎えしてくれる岡山県は新倉敷駅から徒歩13分、ホテルセントイン倉敷。
シロクマの後ろでコロナ対策、追跡調査のため住所氏名を書いているお客さんたち。
 クマのはく製といって思い浮かぶのは北海道登別温泉あたりの旅館だがここは中国地方岡山県倉敷市。
 岡山県小田郡矢掛町出身の選手、しゃちほこBOYの2022年最初の凱旋大会が、どうにかこうにか開催の運びとなった。
 直前にYAMATO、土井両選手がコロナ陽性で欠場となり、隔離期間を終えたのが本大会の前日。かつまた岡山県も新型コロナ感染者数がそこそこ爆発、まん防が適用、今回ほど蓋が開くのかあかないのかグラグラさせられた大会もない。
 開催場所が市民ホールだったら休館の憂き目にあって中止になったかもしれない。
 が、蓋が開いてみれば復帰してきた選手を加えたドラゴンゲート豪華メンバー揃い踏み。
 きょうこの場所に足を運んだプロレスファンは、奇跡を観ているような、めくるめく極上のプロレスを心ゆくまで堪能することが出来た。
 コロナ禍のギスギスとして殺伐としがちな日常からひととき離れ、ふと我に返ることができたかもしれない。
 苛立つよりも前向きに希望を捨てず夢を忘れるなかれと。

 会場のホテルセントイン倉敷は昨年の2月にドラゴンゲート大会が開催された時一泊した。
 貸し切り状態の大浴場の気持ちよかったこと・・今宵も宿を取ればよかったという後悔。
 そもそもしゃちほこBOYの地元ファンが全力で支えていると言って過言でない大会ということもあり、集客は安定している。
 ただ今回はひときわ選手たちの躍動感がいつもにも増して激しくパワフルだったように感じられた。
 第1試合開始早々から
 「元気ですかーーーーーーーーーーーーーーーーっ」と叫ぶハイテンションkagetora。
 地方大会ならではの遊び心で、会場の温度を観客もろとも一気に温めてくれた。
 コロナ故物理的な距離は詰めることができなくても、巡業に慣れているドラゴンゲートの選手たちは、ローカルな土地の空気の違いを瞬時に読み解き、その場その場に合わせた心の掴み方を知っているようだ。

 ご当地選手の凱旋大会は、通常の興行のストーリーのスピンオフ的要素が強く、普段プロレスに親しみのない地方の観客向け明瞭かつファンサービス色の強い構成の傾向だが、R.E.Dのしゃちほこに対する風あたりは毎回情け容赦がない。
 地元ファンの前でもめったなことでは勝ち星を挙げることが出来ないしゃちほこが、今回も試合開始と同時にボコボコに。

 今回は特に、ヒールターンしたシュンのワルぶりが冴え渡る。
 かつてドラゲーに在籍していたマグニチュード岸和田を彷彿させる「謝れ謝れ」も板についてきた。
 コロナ復帰の土井とタイトルマッチ挑戦を目前に気合十分吉田のサポートで、ムーンサルトなど見せ場を作る間もあらばこそ、場外では馬乗りになってマスクに手をかけられるわ最後はKAIのラリアットで一回転、とどめのメテオインパクトで撃沈。
 試合が終わってもディすられ続け怒り心頭のしゃちが1・4新日本プロレス大会の岩谷麻優を彷彿させるドロップキックで、H・Y・Oとシュンふたり同時に吹っ飛ばしたが土井にマイクで「しゃちさん、いまのやつ、試合でやってください。」
 だが地元岡山県のファンは勝っても負けても温かかった。
 マイクで既報の3月大会に続き4月10日に再びホテルセントイン倉敷大会の開催が決まったことが告げられると、歓声の代わりに大きな拍手が起こった。

 メインイベントで対峙したオープン・ザ・ドリームゲートの王者KAIと挑戦者吉田隆司は2月4日の後楽園を前につばぜり合いを繰り広げた。

 1.12&13 の後楽園ホール2連戦にてドリームゲート王者のKAIから2連勝を飾り、夢の扉を開ける鍵を握った吉田のコンディションは、すこぶる絶好調の様子。
 節分の翌日KAIはまさに鬼っ子吉田を鬼は外とばかりけ散らし王座を護るか。
はたまた艱難辛苦の果てにチャンスを掴んだ吉田が、KAIを組み伏せ覇者となるのか。


 コロナの第6波まっただなかにプロレス団体が興行を開催することに眉をひそめる人もいるかもしれない。
 だが記者は言いたい。
 プロレスよ、ドラゴンゲートよ、コロナでなくてもめったにプロレスが来てくれない岡山県に、ほぼ毎月来てくれてありがとう。
 そしてプロレスをまだ見ぬ人々、コロナで心がささくれだった人こそ、コロナ対策万全に是非会場でプロレスをご観戦くださいと。
 鍛えあげたからだを張った極上のプロレスエンターテイメントは閉塞感を吹き飛ばす。
 団体にはなんとしても、興行を続けてもらいたい。
 生で見るプロレスに勝る臨場感と興奮はテレビや写真では決して味わうことは出来ないからだ。

■ OPEN THE NEW YEAR GATE 2022 -Final Burst Out! K-ness. Forever- -しゃちほこBOY凱旋大会-
日時:2022年1月29日18:00
会場:岡山県・ホテルセントイン倉敷(観衆110人・主催者発表)

<第5試合 1/60>
●しゃちほこBOY
土井成樹
吉田隆司
箕浦康太
 13分13秒 メテオインパクト⇒片エビ固め
◯KAI
B×Bハルク
H・Y・O
シュン・スカイウォーカー

<第4試合 1/45>
U-T
●JACKY“FUNKY”KAMEI
 12分36秒 フロッグスプラッシュ⇒エビ固め
ドラゴン・ダイヤ
◯吉岡勇紀

<第3試合 1/30>
ウルティモ・ドラゴン
奥田啓介
•早川匠
 10分38秒 BIGBOSSプレス⇒エビ固め
神田裕之
◯BIGBOSS清水 
パンチ富永

<第2試合 1/20>
●飯橋理貴 
飯橋偉進
 10分47秒 マキシマムドライバー⇒エビ固め
◯ジェイソン・リー 
藤原拓磨

<第1試合 1/15>
Kzy
横須賀ススム
●堀口元気 
 12分42秒 ギャラリア⇒エビ固め
◯YAMATO
ドラゴン・キッド
Kagetora

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