ドラゴンゲート ダイヤ素顔の電撃復帰・崩壊のマスカレード 驚天動地の後楽園2連戦初日


 当世流行の対抗戦はある意味で諸刃の剣だ。
 対抗戦の最大の醍醐味こそが、ハイリスクにあるからだ。
 ゆえに最終手段と言える。
 幸か不幸か双方にリスクが発生した様子が感じられなかったノアと新日のそれは、通り過ぎてみれば思わず声を上げそうになるほどの驚きがもたらされることはなく、魂をグラグラ揺さぶられるほどのインパクトも闘いで感じることは出来なかった。
 不完全燃焼気味の年頭に、ドラゴンゲートが目も覚めるような嬉しいカウンターを食らわしてくれた。
 団体内のユニット間の抗争だけで聖地後楽園2連戦初日、ファンの目をくぎ付けにし惹きつけるストーリーを描いてみせ、SNSのトレンドをぶっちぎってトップに躍り出たドラゴンゲートの2022年単独勝利を予測してしまったのは私だけではないだろう。



 後楽園大会初日、昨年マスカラコントラで敗者となってマスクを脱いで以来消息不明となり、仲間にも所在を告げず行方をくらましていたドラゴン・ダイヤが電撃復帰を果たした。
 しかも復帰早々タイトルマッチに挑み、SBKをブレイブゲートの王座から引きずり下ろして戴冠するという快挙を成し遂げた。
 その勢いのまま昨日の敵はきょうの友、元ダイヤ・インフェルノ吉岡勇紀とタッグ結成、ツインゲートへの挑戦を表明。


 いまとなっては意図して壊そうとしていたのではないかと疑いたくなるシュンの奇行極まったか。
 遂にマスカレードが崩壊した。

 シュンの寝返りは豹変か。
 ジェイソン・リーは「人が変わったようだ」とつぶやいているが、元から変わった人なんじゃないのかとの声もある。
 昨年2021年12月福岡ラストマッチのシュン。

 試合中自らマスクを脱ぎ捨て箕浦にぶん投げタオルを被ってマイクを手に語りかけるシュン。
 すべての行動に微塵の迷いも感じられなかった。一抹の怖さ、その怖さが、今度は何をしでかしてくれるんだという怖いもの見たさとなって観客を惹きつける。
 こうなってくると、昨年からユニットの新メンバーに勧誘され返答曖昧に濁してきた箕浦の去就ががぜん気になってきた。

 正月早々台本があったとかなかったとか八百長疑惑で騒ぎになってしまった格闘技の試合があるが、そもそも台本があるか否かの疑いを持たせてしまう時点で大根役者の猿芝居だ。
 昨年後半以降、ドラゴンゲートはおよそ誰も想像のつかないジェットコースター的なストーリー展開でファンのハートを揺さぶり続ける。
 見ている者の予想の斜め上を行くハイスピードなプロレスに疑いを抱かせる余地はない。
 次また見たいと思わせる言外の余情あるのみだ。

■ OPEN THE NEW YEAR GATE 2022 -Final Burst Out! K-ness. Forever-
日時:2022年1月12日(水)
会場:東京・後楽園ホール(観衆:552人・主催者発表)

<メインイベント オープン・ザ・ブレイブゲート選手権試合>
●SB KENTo
 1分30秒 レプテリアン
◯ドラゴン・ダイヤ
※ドラゴン・ダイヤが第44代王者に

<セミファイナル オープン・ザ・トライアングルゲート選手権試合>
【王者組】
●シュン・スカイウォーカー
箕浦康太
ジェイソン・リー
 9分51秒、エビ固め※箕浦の凶器攻撃から
【挑戦者組】
Eita
石田凱士
◯H・Y・O
※R・E・Dが第75代王者組になるも、Eitaと石田がR・E・Dより追放となったことにより王座はコミッショナー預かりに

<第6試合 8人タッグマッチ>
飯橋理貴
飯橋偉進
●佐藤翔也
藤原拓磨
 13分17秒 外道クラッチ
望月成晃
◯ドン・フジイ
神田裕之
近藤修司

<第5試合 タッグマッチ>
●KAI
B×Bハルク
 9分33秒 首固め
土井成樹
◯吉田隆司

<第4試合 シングルマッチ>
●布田龍
 6分18秒 スリーパーホールド⇒エビ固め
◯奥田啓介

<第3試合 6人タッグマッチ>
ウルティモ・ドラゴン
◯グルクンマスク
ラ・エストレージャ
 9分40秒 グルクンレッグロールクラッチ
横須賀ススム
ストロングマシーン・J
●Gamma

<第2試合 シングルマッチ>
●早川匠
 0分48秒 BIGBOSSプレス⇒エビ固め
○BIGBOSS清水

<第1試合 8人タッグマッチ>
○YAMATO
ドラゴン・キッド
Ben-K
Kagetora
 9分21秒 ギャラリア⇒エビ固め
Kzy
●堀口元気
U-T
JACKY“FUNKY”KAMEI