[ファイトクラブ]真備追悼復興3年目の岡山で世界の国崇102戦目をTKOで飾る

[ファイトクラブ]公開中 週刊ファイト12月2日号収録

▼真備追悼復興3年目の岡山で世界の国崇102戦目をTKOで飾る
 photo & text by 猫山文楽拳
・災害とは無縁と言われた晴れの国を襲った悲劇
・世界の国崇102戦目沖縄からの刺客倒しTKO勝ち
・MAKI2年越しAYAKAにリベンジ果たす
・佐野克海別格の存在感1R1分41秒で快勝
・ミヤギン湧也長野龍生判定勝ち、田中陸登2RTKO~デビュー戦まで
・岡山で格闘技人気盤石の訳
・世界の国崇とその背中追う佐野のバックステージコメント


■ NJKF拳之会主催興行17th~ NJKF2021 west 4th ~
日時:11月21日(日)13:00
会場:岡山県・マービーふれあいセンター(岡山県倉敷市真備町箭田4)
主催:NJKF拳之会 ファイトプランニング
認定:ニュージャパンキックボクシング連盟

 2018年7月の西日本豪雨で甚大な浸水被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区の文化施設「マービーふれあいセンター」は、今年の6月24日に実に3年ぶりに施設の利用が再開となった。
 この会場で、11月21日NJKF拳之会主催興行は、真備復興支援イベントとして開催された。
災害と無縁だった晴れの国を襲った悲劇
 岡山県倉敷市真備町は、3年目年間降水量が少ない「晴れの国」岡山県を襲った西日本豪雨災害によって地区の3割が水没、51人の犠牲者を出す悲劇が起きてしまった場所だ。
 2018年7月、川の流れが逆流する「バックウォーター現象」によって8カ所の堤防が決壊し、真備町は高さ5メートルを超す浸水に襲われ、1200ヘクタールが浸水し、約5500戸が全半壊した。
 記者は1年前に、3年前に氾濫した小田川沿いの、水害があった町からもそう遠くない古民家に移住した。
 長雨が続くと川の増水を気にしてしまう。
 住民の方は、3日間豪雨が続かなければ大丈夫と言う。
 3年前は、昼夜尋常ならざる大雨が降り続き、真備町のほうで堰が切れたと聞いたのが真夜中過ぎだったという。
 午前3時の堤防決壊に加えて災害対策慣れしていなかった自治体の状況把握の遅れもあり初動から救助支援活動が迅速に動かなかったこともあり被害状況が拡大したと言われている。
 水害後にもう川の傍に住みたくないと、復興を待つことなく町を出て行った人もいたと聞いた。
 それから3年後のいま、浸水当時二階建ての家屋の屋根以外濁流に呑まれたといわれる真備町だが、当時の面影はほぼない。
 わずか3年でよくぞと言いたいほど新築の住宅家屋が並び、スーパーやホームセンターも復活している。
 小田川の堤防工事はしかしながら、ようとして進まない様子ではある。
 重機は置いてあるものの何故かわからないが休み休み作業している印象で、台風や前線の影響で大雨が降り続くと不安を感じて上流のダムの放水を調べたり、危ないと知りつつ川の増水具合を案じてたたずんでいる住民の姿も散見する。
 二度と悲劇を繰り返さないためにできることすべきことがある。
 起きてしまったことを痛みとともに忘れないこともそのひとつだろう。

 NJKF拳之会主催興行が開催されたこの日、マービーふれいあいセンターのエントランスには「真備復興支援」と大きく書かれた看板が立てられ、プロ公式戦開始前に、リング上で拳之会代表者より倉敷市議会議員に、真備復興支援金が手渡された。
 岡山県では西日本豪雨災害関連死を含めて95人が亡くなり、今も3人が行方不明のままだ。
世界の国崇102戦目沖縄からの刺客倒しTKO勝ち
<メインイベント 交流戦 57kg契約 3分5R ※ヒジあり※ISKAムエタイルール>
○国崇(NJKF拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)
 4R 58秒 TKO
●No-Ri-(ワイルドシーサーコザ/TENKAICHI元バンタム級王者)
 国崇プロキックボクサー生活21年目102戦目のメインイベント。
 対戦相手は沖縄の元TENKAICHI王者No-Ri-。

地元岡山で、遂に初黒星かとヒヤリとさせられるシーンがあったものの、国崇は後半から一気に攻勢に出る。

 1R、国崇はNo-Ri-にプレッシャーを掛けるがいまひとつ距離をはかりかねてか、動きが堅い。    
対するNo-Ri-は積極的に攻勢に。ミドルキック、前蹴りからパンチを繰り出す。
 国崇がようやくパンチラッシュをかけたときに、ゴング。
 2Rにはいっても国崇は手数控えめ。

 No-Ri-は持ち味をいかんなく発揮、思い切ったボクシングを展開、バックブロー、バックキックと回転を始め会場を湧かせる。
 さらには鋭いハイキックが炸裂、国崇は左ボディで応戦するが決め手には至らず3Rへ。
 3Rでも仕掛けてきたのはNo-Ri-だったが、強烈な右ハイキックを受けてから国崇が勝負に出る。

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