[週刊ファイト11月25日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼RISE「ROAD TO ペットパノムルン」原口健飛世界王者の牙城崩せず
photo & text by 猫山文楽拳
・敗因・メンタル力 世界の壁は厚かった
・試合が終わればノーサイド
・レジリエンス・復活の鈴木快心KO「めちゃくちゃ嬉しい」
・YA-MANに惜敗の中村寛「ゼロから出直し」
・大雅復活ののろし 皇治に対戦アピール
・ねぎ色物のイメージ返上か?驚異の粘り腰で観衆沸かせる
・伊藤代表・大会総括
■ Cygames presents RISE WORLD SERIES 2021 OSAKA.2
日時:2021年11月14日(日)
会場:丸善インテックアリーナ大阪
ようやく実現したGLORY世界王者対原口健飛の闘いだったが、シュミレーションしたものとはまるで違った展開だった。
或いは見た人々の多くがそうした印象を持たれたかもしれない。
2R以降クランチから膝蹴りを繰り返す王者に焦れる観衆。ものすごい力の首相撲で動きを封じられこれをほどこうとして体力を奪われていく原口。
ごく最近別の大会取材記事でKOの乱発気味を危惧すると書いたばかりの記者であったが、今回ばかりはKO決着でなかったことに対するフラストレーションがわずかなり余韻として残ったと正直に綴っておきたい。
世界の壁というよりも、原口が世界王者のオーラの圧に屈した格好となり、力及ばずというよりも力を出し切ることが出来なかった感が否めなかった。
敗因・メンタル力 世界の壁は厚かった
<第14試合 メインイベント スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)>
○ペットパノムルン・ギャットムーカオ[Petchpanomrung Kiatmookao](タイ/ギャットムーカオジム/GLORYフェザー級(65kg)王者)
判定0-3 (板坂29-30/大沢28-30/長瀬28-30)
●原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/RISE DoA -63kgトーナメント2020優勝、元RISEライト級(63kg)王者)
1R序盤、サウスポー同士のふたりが向き合う。
原口はハイキック、バックスピンキックで果敢に前に出て行く。が、パノムルンの重いミドルとローが心身を追い詰めロープ際に後退する様子が目立ち始める。
見たところ当たっていたのは原口に思われたがロープ際に追い込まれがちで、それが王者に対し気迫負けの印象を与えてしまった感がある。
2R以降ペットパノムルンの戦略と思われる首相撲に、原口は動きを封じられる。
ペットパノムルンの執拗な首相撲からの膝蹴りが原口のスタミナを消耗させる。(※RISEルールではワンキャッチワンアタック。ヒザを2発以上放つと警告)
この流れは、2019年11月25日ヴァン・ノストランドをクリンチにとらえてヒザ蹴りを入れていったペットパノムルン3度目の王座防衛戦の戦略に似ているなと記者は感じた。