11月28日(日)東京・後楽園ホール大会で開催されるキックボクシングイベント『KNOCK OUT 2021 vol.6』でKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者・小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)とタイトル戦を行う、壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)のインタビューが届いた。王者・小笠原瑛作は、映画主演作「阿彦哲郎物語・第二の太陽」の撮影を終えて、公開前に負けられない試合となる。
王者・小笠原瑛作 撮影を語る!
■「KNOCK OUT 2021 vol.6」
日時:2021年11月28日(日)開場17:00 / 開始18:00
会場:東京・後楽園ホール
主催:株式会社 Def Fellow
チケット料金
SRS席 ¥20,000 RS席 ¥15,000 S席 ¥10,000 A席 ¥7,000
チケット発売日
オフィシャル
一般・プレイガイド
※全席指定 / 消費税込※全席指定/消費税込み
※今大会は新型コロナウイルス感染症対策のため、座席数を制限して販売します。
※当日券は各席とも500円アップとなります。
※6歳以下は入場無料。ただし保護者同伴で膝上にてご観戦ください。なお小学生から有料、6歳以下でも座席を必要とする場合は有料となります。
<KNOCK OUT-RED スーパーバンタム級タイトルマッチ 3分5R>
小笠原 瑛作(クロスポイント吉祥寺/王者)-OGASAWARA Eisaku
vs.
壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)-ISSEI Saenchai-Gym
◇壱・センチャイジム
「仕事を全休して6時間練習! 全てをこの試合に懸けてきました!」
──いよいよ念願のタイトルマッチとなったわけですが、最初話が来たときはどう感じましたか?
壱 僕の正直な心境としては、ここで組んでくれるとは思わなかったっていうのが第一でしたね。僕自身、前回の瑛ちゃん戦以来負けてなくて、連勝はしてたんですけど、勝ち方という面で見ると、ずっと判定勝ちばかりだったんですよね。最後の森岡悠樹戦はダウンは奪えたんですけど、KOまで持っていけなくて。でもそれに対して、瑛ちゃんはこの1年間、僕とやった後も全部KOを続けていて、やっぱり内容に差があったんですよ。だから僕自身は、組まれたらいつでもやる自信はあったんですけど、内容が評価されなかったら、まだまだ遠い存在なんだろうなと思っていて。だからここで組んでくれるということは、宮田さんは思ったより僕の実力を評価してくれていたのかなと。
──オファーによってそれを再確認したと。
壱 それと、初めてというぐらいに、センチャイ会長がメチャメチャ喜んでくれたんですよ。会長はひらがなは読めるんですけど、漢字はまだ読めないんですね。それでマッチメイクのLINEが来た時に、「壱くん、これ対戦相手、誰?」って僕に見せてくれたんです。僕が「小笠原瑛作さんですね」って言ったら、「エイサク!」ってメチャメチャ目を見開いて、今まで見たことないぐらい喜んでて。
──想像つかないぐらいですね(笑)。
壱 それで会長も「よし、このまま行くぞ壱くん!」って言って、返事としては即OKでした。
──「組まれればいつでもやる自信がある」とは言いつつ、「勝ち星はあるが勝ち方につながらなかった」というのも現実です。そのあたりは?
壱 前回はあんな負け方をしちゃったんですけど、僕は今でも、瑛ちゃんとの実力差はそんなにないと思っていて。瑛ちゃんは、見せる戦い方はできると思うんですよね。だけど今回は、日本人が見たことないような、センチャイ会長のムエタイ・テクニック……というよりは、「センチャイ・テクニック」を見せて、見せる技で、KOできたらいいなと思ってます。それこそ僕が、今までKOに結びつけられなかった一番の理由は練習量だと思ってるんですよ。僕は仕事と両立して選手活動をやっていたんですけど、瑛ちゃん戦が決まった日から、仕事を全休してるんです。
──そうなんですか!
壱 はい。今は1日6時間練習していて、仕上がりとしては今までで一番いいんじゃないかと思ってます。それに森岡戦でダウンを取った後に仕留め切れなかった、あれだけヨロヨロだった相手をKOできなかったのは、僕の底力のなさが生んだ結果だと思うんですよ。今回はそこに自信をつけてきたので、練習量が今回の自信につながっています。今回は、今までにない練習量を積んだので。
──実際、6時間の練習というのは、やってみてどうでしたか?
壱 最初の2日はめちゃめちゃグロッギーになっちゃって、もう家に帰っても疲れすぎてご飯も食べれずに寝ちゃうぐらいでした。8月のインタビューでもお話ししたんですけど、僕は今、寮暮らしなので、家にもコーチがいて、遊びにも行けない状態なんですよ。だから、「前みたいに一人暮らししてたら、遊びに行っちゃってたかも」っていう場面でも、コーチとかがいるおかげで、セーブできるというか。今回は本当に瑛ちゃんのためだけに捧げた1ヵ月半でした。仕事も休んで、本当に朝起きて練習して寝て、ご飯食べて練習して寝て、本当にこれだけを繰り返した1ヵ月半なので、本当に自信につながっています。
──なるほど。
壱 あとこれは言い訳になってしまうかもしれないんですけど、ご存知の方もいると思いますが、前回はちょっとベストなコンディションじゃなかったんです。なので今回は、ベストな僕を見てほしいなと思っていて。「前回と同じようにはいかないよ」というのが、皆さんに伝わればいいなと思っています。
──1日6時間の練習で、逆にオーバーワークになっていたりはしませんか?
壱 僕も最初は、「これってオーバーワークなんじゃないかな?」って思ってました。でも、6時間ひたすら打ち込みとかしてたらそうなると思うんですけど、6時間のうち3時間ぐらいは、会長が徹底的に僕にテクニックを詰め込んでるんです。だからオーバーワークというより、今回は頭をすごく使いました。僕は、自分で頭が悪いのが分かってるので、これまでは「体で覚える」というのを徹底するタイプだったんですよ。教わったらすぐにやって、動いて覚えるみたいな。でも今回は本当に会長が真剣に教えてくれるので、僕も「これは体では覚えきれないな」と思って、瑛ちゃんに勝つためのノート、「瑛ちゃんノート」を作成して、メモを取ってるんです。毎日、瑛ちゃんの試合動画を見て、瑛ちゃんノートを読んでます。今回は本当に、練習量も増えた上に、IQを使った僕も見れると思います。
──ノートはかなり埋まったんじゃないですか?
壱 そうですね。でも、僕自身が分かればいいので字はすごく汚いし、技の名称が分からないことも多いので、「●●がやった時の◆◆のヤツ」みたいな感じで書いてるのも多いんですよ。タイでは使われてるけど、日本にはない技とかもあったので。
──しかしそのノートの存在は心強いですね。
壱 メモなんか取るのは初めてでしたからね。今までは体で覚えるタイプだったし、あと自分自身の試合の時の対応力に、けっこう自信があったんですよ。HIROYUKI戦もミドルキックで圧倒する予定が、全部インローで合わせられて、足がしびれ始めて「どうしよう」と思ったら会長が「足に前蹴りからの首相撲をやって!」って指示をくれて、それがキレイにハマって判定勝ちできたこともあるんですね。その会長の指示がすごいんですけど、僕はそこに対応させる力も自信があったんです。でも今回はそこに頼らず、メモを取って、ちゃんとIQを使った試合をしようと思ってます。
──というところで、改めて前回の試合は、今の段階ではどういうものとして残っていますか?
壱 前回は、本当に後頭部をガツンと打ちつけての負けだったじゃないですか。今回は再戦という形なんですけど、これが初めてと思うぐらい前戦の記憶がないんです。
──そうなんですね。
壱 ファンの方に、「あの日、試合前に話しかけたんだけど」って言われたんですけど、前後1日分ぐらい記憶が飛んじゃってるんですよね。ただ、若干心の中に残ってる記憶があって、対峙した時に「やっぱり画面で見るより速いな」っていうのは実感したんですね。本当にそれぐらいで、入場した時の記憶もなくて。なので、今回は初戦と思って戦おうと準備してます。
──では、悔しい気持ちからのリターンマッチっていうのともちょっと違う?
壱 いや、メチャクチャ悔しい気持ちはあります。やっぱり負けは負けなので。あと、僕は今までけっこう名前のある選手ともやってきたんですけど、中でも瑛ちゃんは特別なんですよ。20歳の時にテレビで瑛ちゃんの試合を見て「あ、キックやりたいな」と思ったりというのもあるし、同じサウスポーですし、僕が戦っている団体のチャンピオンですし。もともとは一つ上の階級だったので「憧れ」だったんですけど、「壱くん、階級を上げようか」っていう会長の言葉とともに、一気に瑛ちゃんがライバルに変わったんです。いつか絶対超えてやると思って、HIROYUKI戦で勝った時に、リング上から対戦要求したら、すぐさま組んでもらえて。なので、前回はそんな相手に到達できたところで満足してる自分がいたのかなと。でも前回はやっぱり負けて悔しかったし、2回も負けてられないので。2回負けたら本当にお終いだと思ってるので。だから悔しさに関しては誰よりもありますし、瑛ちゃんに対する気持ちだったら、どの選手よりも強いと思います。
──で、勝てばチャンピオンとなるわけですが、そこに関しては?
壱 ベルトも獲れればもちろんうれしいんですけど、僕自身としては「瑛ちゃんとできる」ということの方がうれしいですね、正直。瑛ちゃんに勝つというのが一番で、そこにチャンピオンベルトがついてくるということなので。ただ、今回は周りの方のサポートをすごくいただいてるんですね。僕が瑛ちゃんに懸ける思いがすごいのをみんな知っていて、「仕事を休ませてください」と言ったら全休をくれましたし。ジムは月曜日が定休日なんですけど、今は月曜も毎週練習していて、ジムを開けてくれる会長だったり、練習に付き合ってくれるコーチだったりがいるからこそ、僕が頑張れている状況なんです。そんなみんなと、ベルトを分かち合いたいですね。みんなで獲るベルトなので。
──まだ決定はしていませんが、おそらく後楽園ホール大会のメインだと思います。これは初めてですよね?
壱 今まで、ムエタイ・オープンのメインはやらせてもらったことがあるんですけど、メジャーイベントでのメインは初めてで、後楽園のメインも初めてです。ただそこに関しては……前回は、連敗中に瑛ちゃん戦を迎えちゃったんですよ。今回は僕も連勝中ですし、やっぱり連勝中の瑛ちゃんのカードだったら、メインが妥当だなと思いました。決まった瞬間に「これ、メインでしょ!」って会長と話しました。
──もう、勝つ理由しかないという感じですね。
壱 そうですね、やれることは全てやってきました。それこそ全て懸けてきて。本当に、「来月の生活どうなんの?」ってぐらい仕事も休んでますし。本当に、この試合に全てを懸けてますね。今回は本当に試合するのが楽しみです。前回は階級を上げて1戦目だったんですけど、その時と比べたら、体がスーパーバンタム級に適してきたというのもあると思いますし。今回は上げて6戦目になるので、もうだいぶスーパーバンタムの体も作れてきたと思うので、そこも楽しみにしていただけたら。
──今までの言葉に全部出ていたような気もしますが、改めてお聞きします。今度の試合で、特にここに注目してほしいというポイントは?
壱 入場に注目してほしいですね。いつもとちょっと違ったコスチュームで入場しようかなと思ってるんです。会長がすごくこの試合に懸けていて、タイの御守りを初めて僕の首にかけてくれたんですよ。それだけじゃなくて、専用のコスチュームも用意してくれて。それで会長が僕に懸けていてくれてるんだなって感じたので。日本でこの入場をする選手はあまりいないんじゃないかなと思うので、ちょっとそこを楽しみにしていただけたらと思いますね。
──いろいろと楽しみですね。ありがとうございました!