[ファイトクラブ]RIZIN.30 大塚隆史は「魅力」がないのか?

[週刊ファイト9月30日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼Yogibo presents RIZIN.30 大塚隆史は「魅力」がないのか?
 photo & text by 神宮寺しし丸 & RIZIN FF
・大塚隆史の「魅力」を考えてみた
・大塚隆史のしんどい試合がまだ見たい
・優勝候補ツートップが苦戦
・朝倉海が苦戦。拳負傷で大晦日暗雲
・井上直樹も金太郎に苦戦
・判定決着が多い中、光る昇侍と瀧澤のKO


■ Yogibo presents RIZIN.30
日時:2021年9月19日(日) 開始14:00~終了20:00
会場:さいたまスーパーアリーナ 観衆7580人(=主催者発表)

 大塚隆史の「魅力」を考えてみた
<第8試合 RIZIN JAPAN GRAND-PRIX 2021 バンタム級61kgトーナメント2回戦 5分3R>
○扇久保博正(パラエストラ松戸/元修斗フライ級&バンタム級世界王者)
 判定3-0
●大塚隆史(T-GRIP TOKYO/RIZINバンタム級GP2017ベスト4、修斗バンタム級世界4位、元DEEPバンタム級&フェザー級王者、元WSOF GCバンタム級王者)

 「これ終わって、次またRIZINがあるかって言ったら・・・ね。自分でも分かってて、人気とか魅力ある選手じゃないんで。大きい舞台は最後のチャンスに近い。結果を出さないと。だからこそ、やり切ろうと思う」(RIZIN CONFESSIONS #77より)

 大塚隆史に「魅力」はないのか?考えてみた。
 大塚はキャリアを重ねるほど魅力が増す男だ。若い頃はただ生意気に見えた「太々しさ」が、キャリアを重ね「太々しさ」に説得力が出て来た。キャリア15年の筋金入りの「太々しさ」は魅力だ。
 あの顔も魅力だ。いつもふて腐れたようなあの顔。これもキャリアを重ね、渋さと哀愁漂う「ふて腐れ」顔になった。「じゃりン子チエ」のテツを彷彿とさせる風貌がたまらない。いや、褒めてます。男で大塚の顔に魅力を感じない人はいないだろう。女子は知りませんが・・・。
 最大の魅力は「嘘がない」ところだ。一切飾り気がない。どう見られたいとかない。そのまんま大塚。嘘がないから大塚の言葉は心に刺さる。

 「自分は天才タイプじゃない。相手を一発で仕留めるとかそういうのを持ってないんで。しんどい試合をして勝つっていうのが自分のスタイル。そこを逃げたら自分じゃない」

 プロキャリア15年目にして初の出稽古もやってみた。すると「少しまた楽しさも戻って来た」と言う。裏を返せば、最近は格闘技をやっていて楽しいと思えていなかったということか。ただでさえ試合よりしんどい練習がさらにしんどかったことだろう。



 そして大塚は今回もしんどい試合をし、負けた。判定決着が多かった今大会の中でもとりわけ僅差だった。結果だけ見れば3-0で大塚の完敗だが、逆に3-0で大塚が勝利していても異論は出ないと思えるほど紙一重の試合だった。しかし、結果は結果。重く伸し掛る。

 大塚隆史のしんどい試合がまだ見たい


試合後17LIVEのインタビューでファンからの「やめないで」の声に答える大塚

 他人は勝手なもんだ。これまで大して見向きもしなかったクセに、いざやめようかとなると「やめるな」と言う。続けるしんどさも知らないで。恥ずかしながら私もそうです・・・。もちろん大塚隆史という存在を知ってはいたが、ちゃんと見向きし始めたのは去年11月に修斗に参戦してから。私も勝手な他人です。

 この試合がプロ50戦目だった大塚。大塚の体は悲鳴を上げている。試合後インタビューでも「気が付けばもう35歳。なかなか体が思うようにいかない部分も出て来たりして・・・。今後のことは少しゆっくり休んで考えたい」と語っている。

 それでも勝手な他人は「やめるな」と言う。勝手な私も「しんどい」51戦目が見たい。

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