[ファイトクラブ]新日本7・22-23 大阪:IWGP タッグ前哨戦で生まれた好勝負

[週刊ファイト8月5日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼新日本プロレス 7・22-23大阪連戦の肝とは?
 IWGPタッグ前哨戦シングルマッチ他全試合完全報告
 photo & text by 西尾智幸
・ハイ・クォリティー2日間、4つの闘いにハズレなし!
・ウマが合うのか、この4選手どう組み合わさっても面白い
・なんならSANADA&ザックのチームも見てみたいのだ
・全日本出身のタイチとSANADA~どんな闘いを見せたのか?
・まさかの大胸筋ピクピク合戦! 勝者は・・・
・最近のSANADA表情豊かになったとファインダー通じて感じる
・この件誰も触れずも『大阪人を一番笑わせたで賞』ザック・セイバー
・内藤哲也が余裕の表情で、ザックを小馬鹿にする
・ジェフ・コブがオカダ・カズチカをお姫様だっこ?!
・飯伏幸太欠場で生まれた、こけし本間朋晃の意表をついた新兵器
・再び呪われるのかIWGP?! それを払拭できる実力の現王者鷹木信悟


 最近、攻めモードの新日本。2021年もコロナ禍が続く中でも会場縮小などをせず、コロナ前と変わらず大きな会場での開催。勿論、試合数の減少や客席の1席空け、アルコール消毒など対策はしっかりとされている。今回は、大阪府立第1で2日連続の興行となったが、7・25 東京ドームのIWGPタッグ戦の前哨戦として、シングルでお互いが相手を替えての対戦が行われた。
 初日の22日は、タッグ王者SANADAに対しザック・セイバーJr.、同じく王者の内藤哲也は、タイチと対戦。SANADAとザックは、高度な技術での絡み合いで、一進一退の攻防だったが、最後はSANADAのオースイ・スープレックスをザックが踏みつける形で、ダブルフォール負け=ドローというレアな決着となったが、2日間4試合の中では一番観客の反応が良かった。

 メインの内藤とタイチは、これまた大技の攻防の中、タイチがデンジャラスバックドロップ、天翔十字鳳、ブラックメフィストと続けて試合を終わらせた。

 22日の詳細は、こちらの前週号に掲載されています⇒ https://miruhon.net/179532

ウマが合うのかこの4 選手、どう組み合わさっても面白い!

 2日目の23日は、SANADAとタイチ、内藤とザックとなる。この4人は、どう絡んでも好勝負になる。この域までくると、変な必死さがない。余裕の中での技術の出し合い。会場の空気も読めている。つまりは、それぞれの実力が一流だという証しであろう。

■ 新日本プロレス映画『ゴジラvs コング』Presents SUMMER STRUGGLE in OSAKA
日時:7月23日(金) 14:00 開始
会場:大阪府立体育会館・第1競技場(エディオンアリーナ大阪)
観衆:1804人(主催者発表)

<第 5試合>
スペシャルシングルマッチ
○SANADA
 23分20秒 オコーナーブリッジ
●タイチ

 若干1階席の椅子が増えていたが、前日と比べて300人程の増加で、やはりいつもの新日とは違い、少し寂しい状態ではあった。
 セミは、前日内藤から1 本取った事で、勢いづくタイチの今日の相手はSANADA。
 在籍していた時期がずれているが、元々は全日本育ちの両者。そんな同じ遺伝子を持つ2人の闘いはどんな展開になるのか?

 写真は、全日本時代の両者。2004 年1月、中嶋勝彦にエルボーを見舞う石狩太一(現タイチ)。
 そして、2007年12月、まだデビュー1年にも満たない頃の真田聖也(現SANADA)。

最近のSANADAは表情豊かになったとファインダーを通じて感じる

 まず、ゴングが鳴ると、大胸筋をピクピクさせるタイチ。それをSANADA にも、どうぞとばかりに勧めると、そこからまさかのピクピク大アピール合戦! 観客の拍手を煽る。そして、その結果を放送席にいた金丸義信に問うと『タイチだろ』と返答。しかし、最終的に海野レフェリーが拍手の数でSANADA の勝ちだと手を挙げると、激怒したタイチが首締めのオンパレード!

 お互い、ステップキックで顔面を蹴り合えば、SANADAはローリングエルボーからのタイガードライバー、今度はタイチがデンジャラスバックドロップ! そう、川田利明と三沢光晴の対戦を彷彿させる攻防なのだ。他にもタイチは、拷問コブラ(ジャンボ鶴田)、喉輪落とし(田上明)まで繰り出していた。まさに四天王時代の全日イズムが蘇る!
 しかし、最後はSANADAが電光石火のオコーナーブリッジでこの闘いに終止符を打った。

 あと、思ったのは試合中のSANADAは以前より、表情豊かになったなと思えた。以前は、喋るのも苦手だったし、クールを売りにはしていたが、最近は攻守ともに写真映えする表情が増えた。以前も全くの無表情ではなかったが、最近は自然に感情表現できているように記者は感じた。

この件誰も触れてないも『大阪人を一番笑わせたで賞』ザック・セイバー

<第6試合>
スペシャルシングルマッチ
○内藤 哲也
 25分01秒 デスティーノ⇒片エビ固め
●ザック・セイバーJr.

 さて、公式の結果報告を含め、どこも書いてないようだから、どうでもいいと思われようが(笑)、あえてここを詳しく書きたい。ザック様絶好調であった。まず試合前、内藤はいつものようにコスチュームを1枚1枚丁寧に脱いでいた。観客は当たり前のように、静かに見守っていたが、突然ザックが『イツモ、長イ!』と日本語でツッコんだものだから、シーンとしていた会場にその声が響き渡り、試合前の緊張感との温度差で、逆に大爆笑をとった!
 みんな『確かにそうや』と思っていたから、余計嵌ったのだと思う。たまたま、1席横に座っていた女性は1分程、ツボったままで、苦しいとのたうち回っていた(笑)。
 前日もそうだったが、自分は勝ったつもりでいたのに、ダブルフォールと聞かされたあと、きょとんとした表情で『ウソ?!』と何度も言って笑いをとっていた。ザック様、間がいいね。関節技だけでなく、大阪人をこれほど笑わせる才能まであったとは、ちょっと好きになりそうだ(笑)。

 試合は、それでも余裕の内藤は、ザックとなかなか組まない。場外へ落とす。今度は自ら場外に逃げると、完全に小馬鹿にした状態で、ザックはイライラMAX! 場外に落としたザックに、『お願いします!』と何度もロックアップをポーズ。するとザックが『オモシロイネェ』と返すとまた会場が受ける! 真面目そうなザックのキャラがツッコむのと、あと片言の日本語ズルいなぁ(笑)。これは、記者の独断で『大阪人を一番笑わせたで賞』を差し上げます。
 あ、次点は鷹木。気合で声を張る本間のしゃがれ声を、2日とも見事にツッコんで、笑いに持って行った!

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