満員盛況!7・25千葉市政100周年彩るキックの祭典 千葉キック2021


 7月25日、TKPガーデンシティ千葉において開催された千葉キック2021実行委員会主催キックボクシング興行「千葉市政100周年記念大会 千葉キック2021」は、コロナ禍で日々揺れ動く関東において多くのキックボクシングファン及び後援者に支えられ大盛況のうちに幕を閉じることが出来た。
 新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から鑑みればイベント開催自粛傾向に沿うべきなのか。
 記者はそうは思わない。
 アスリートの旬は短い。いつ終わるとも知れぬコロナとの闘い無策にしてここまで事態を悪化させた政府の自粛要請をまる呑みして、彼らのステージを奪うのは残酷だ。
 予防策を講じて開催を続けていくべきだ。やり方はあるはずだ。
 
■千葉市政100周年記念大会 千葉キック2021
日時:2021年7月25日(日)
会場:TKPガーデンシティ千葉(千葉県千葉市中央区問屋町1-45千葉ポートスクエア内)

<第5試合 メインイベント ジム対抗戦 54.5kg契約 3分3回戦>
◯ 若原 聖(マスターズピット/千葉市稲毛区)
 判定3-0(30-28、29-28、29-28)
●ナカムランチャイ・ケンタ(team AKATSUKI/千葉県鎌ヶ谷市)

 聖(つばさ)はセミファイナルに出場した快(こころ)の兄。
空手仕込みの蹴り技を得意としているが、最近はパンチの技術も向上。
今回の試合に関しては「ガンガン行きます」と宣言している。
 対するナカムランチャイは、複数のチャンピオンを輩出しているteam AKATSUKI所属のファイター。レベルスやKNOCK OUTのリングで活躍してきた良太郎がセコンドに付く。
勝てば相手を薙ぎ倒す強打を誇るが、練習嫌いを公言しており「他人には厳しく、自分には優しく」をモットーとする曲者だ。
 1R、ナカムランチャイがサウスポー。ナカムランチャイは右のカーフキックや左ミドルを遠い距離から放つ。聖は左右のミドルとハイを蹴り分けながら、随所でワンツーをヒットさせる。
 2R、聖が強烈な左のハイキックをヒットさせたが、ナカムランチャイは倒れない。ナカムランチャイは右のカーフキックを多用して、聖のバランスを崩させる。聖の鋭い右顔面前蹴りで、ナカムランチャイは鼻から出血する。
 3R、ナカムランチャイが組んでのヒザ蹴りを見舞い、離れ際に右のヒジ打ちを狙う。聖は右の三日月蹴り、ハイキックを放つ。ナカムランチャイは疲れからか、若干手数が落ちる。一方の聖は終盤までロー、ミドル、前蹴りなどの蹴り技を多用し、右フックをヒットさせた。ジャッジは3者の支持を得た聖が判定勝利を収めた。

<第4試合 セミファイナル ジム対抗戦 50kg契約 3分3回戦>
●若原 快(マスターズピット/千葉市稲毛区)
 TKO 2ラウンド 1分55秒 レフェリーストップ
◯ 花澤 一成(市原ジム/千葉県市原市)

 快(こころ)は兄と共に3歳から極真空手をはじめ、アマチュア時代にはWBCジュニア王座など輝かしい実績を残している。今年5月にプロデビューを果たしたが、結果はドロー。
今回はプロ初勝利を目指す。
 対する花澤は、今回はプロデビュー戦となる。スピード感のある打撃とテクニックには自信を持っており、試合前には「これまで積み重ねて来たことを出し切れば必ず勝てます」と必勝を宣言している。
 1R、両者ともスピード感のある左右のローキックを蹴る。快は左のボディフックを見舞う。花澤は右のミドルキック、右ストレートで攻めていく。
 2R、快が右ローからのワンツーで前に出るが、そこに花澤が強烈な右ストレートを打ち抜き最初のダウンを奪う。何とか立ち上がった快だが、ダメージは大きく右フックを被弾して2度目のダウンを喫する。
フラフラになりながらも前蹴りを蹴る快だが、最後は花澤が右の縦ヒジから左フックで3度目のダウンを奪取。
快のダメージは明らかで、レフェリーが即座にストップした。

<第3試合 ジム対抗戦 49kg契約 3分3回戦>
●鴇田 波琉(モリタキックボクシングジム/千葉市中央区)
 KO 3ラウンド 2分48秒 右ボディーストレート
◯高橋 稀涼(シリラックジャパン/茨城県日立市)

 1R、鴇田が前手を使いながら距離を測り、右ローを蹴る。ムエタイスタイルの高橋は右ミドルを強打、左ジャブを使い鴇田を近づかせない。
近距離の攻防で、鴇田が左右のフックを見舞う。
 2R、鴇田のパンチに、高橋は必ず右ローを蹴り返す。中盤以降、圧力をかける高橋は右ミドル、ローを強打する。
 3R、高橋が強烈な右ローをヒット。さらに、遠い距離から左の縦ヒジを見舞うと、鴇田が吹っ飛んでダウン。
 立ち上がった鴇田に、高橋が右ボディストレート、右の横ヒジ、右ストレートで襲いかかる。さらに、コーナーに鴇田を追い詰めて、右ボディストレートをめり込ませる。
 この一撃に鴇田がうずくまってダウン。何とか鴇田は立ち上がったが、ダメージを見たレフェリーがストップし、高橋が圧巻のKO勝利を収めた。

<第2試合 ジム対抗戦 スーパーライト級(63.5kg) 2分3回戦>
●ダイラン(拳伸ジム/千葉市中央区)
 判定0-3(27-28、27-28、26-29)
◯梅沢 遼太郎(白山道場/東京都文京区)

 1R、ダイランが右ストレートで飛び込み、左右のフックの連打でスタンディングダウンを奪う。嬉しさを爆発させるダイラン。梅沢は組んでのヒザ蹴りで応戦。終盤、梅沢が左フックをヒットさせた。
 2R、今度は梅沢が首相撲からのヒザ蹴りを連打し逆襲に出る。ダイランも随所で右フックを返すが、スタミナ切れが目立つように。梅沢がコツコツミドルキックやヒザ蹴りでペースを引き戻す。
 3R、梅澤が完全に首相撲でペースを掴む。掴んでのヒザ蹴りを連続で放っていき、レフェリーがスタンディングダウンを宣告。ダイランも左右のフックを見舞うが、パンチに力がない。
梅澤が徹底的に首相撲からのヒザ蹴り、右ミドルで攻め続けて逆転勝利した。

<第1試合 ジム対抗戦 56kg契約 3分3回戦  ※首相撲・肘打ちなし>
●磨生(YSSジム/千葉県四街道市)
 TKO 3ラウンド 1分53秒 レフェリーストップ
◯蘭丸(team AKATSUKI/千葉県鎌ヶ谷市)