タイヤに足を入れ殴り合う格闘競技タイヤファイト。
タイヤファイトとは、タイヤに片足を入れ拳のみの攻撃を基軸として戦う、キングダムエルガイツ代表入江秀忠が考案した競技だ。キングダムエルガイツとは、過去一大ムーブメントを巻き起こした伝説のUWFの派生団体、UWFインターナショナルの流れを組む総合格闘技団体で、前身であるキングダム時代には高田延彦、安生洋二、高山善廣、桜庭和志などのスター選手が多数在籍し知られていたが、経営不振で崩壊後は当時の社長だった鈴木健氏の命を受けて練習生だった入江（秀忠）がたった一人で団体引き継いだ。
現在では興行のみならず都内立川市、多摩市、府中市などを中心にジムを運営、活動を続けている。その入江代表自身も過去の戦いでは、世界最高峰の格闘技団体UFCで３度王者に輝き、同団体殿堂入りも果たしたダン・スバーンに日本人でただ一人、１本勝ち勝利を奪うなど活躍した。リングネームを超人イリエマンとして51歳になった今でもリングに上がり続けるなどアグレッシブさを見せつけている。そんな入江氏が胸を張ってエンターテーメント性を唱えるのがこのタイヤファイトだ。最近では、大晦日のTVなどでもお馴染みのRIZINの主力選手、朝倉兄弟（朝倉未来・海）や白川陸斗などがyoutubeでタイヤファイトを紹介・披露するなど知名度はうなぎ登りとなっている。
タイヤファイトは見た目上は格闘技のデスマッチなのだ。１対１の果たし合いをモチーフにしていて、プロは接近戦の激しい打ち合いからKOがでるほどの競技だが、アマチャア部門は“殴られても痛くないグローブ”ドラ・グローブを採用するなど安全第一として、広く老若男女にスポーツとして普及できることを視野に入れ活動している。
ルールはダウン、KOなどの打撃決着も無論あるが、相撲出身の入江代表の考案らしくタイヤから２回足が離れると負けとなる（パンチで相手を突きだす）タイヤアウトのルールなどもあり、過去にはボクサー、空手家、総合格闘家、プロレスラーなども競技には挑んでおり、沖縄や関西地区でもタイヤファイトのタイトルマッチが開催されるなど着々と水面下で普及は進んでいる。今後はK-1などのキックボクシングや相撲をはじめ、ラクビーなどの格闘技以外の競技者が中立の場として挑戦してくる可能性も十分に考えられる。
過去は、あくまで格闘技興業内でのみタイヤファイトのワンマッチ、トーナメントなどを開催してきた経緯であるが、今後はタイヤファイト単独でのイベント開催にも舵を取る意向。その第１弾の仕掛けとしてタイヤファイトの階級分けである３階級（６０以下、８０以下、無差別）で賞金首ならぬタイヤ神を選抜。広くタイヤファイターの挑戦を公募する。
ルールは90秒１R×２Rインターバル30秒の３分制。選手の持ち点は各自２点とし、３回目のタイヤアウトかKOのみ（判定なし）で勝敗が決まる完全決着ルール。今回入江代表が”タイヤ神”として集めた３名とは、まず無差別級は元新日本キック＆MAキックヘビー級王者にして過去K-1では貴重な日本人重量級ファイターとして活躍。強豪アレクセイ・イグナショフにも勝利したことのある内田ノボル。デビルマン内田といえば、2007年に１度現役引退後、2016年に突如、格闘技界の治外法権国家キングダムのリングで現役復帰。昨年9月には同リングのメインでこれも元K-1で活躍した重量級ファイター瀧川翎と１R ナックルファイト、２R キックルール、３R MMAのミクスドルールで対決。３Rまでもつれ込めばMMA経験に勝る瀧川有利の下馬評を見事覆し、２Rで瀧川にKO勝利。初代打撃王の座に輝いた45歳。
その内田だったが、今年3月に盟友でプロレスラー宮本和志が初参戦したRIZIN.27でのスダリオ剛戦では、格闘技界のデビルマンらしくそのコスプレ姿で宮本のセコンドにつき、更に試合後の問題に発展した両陣営の乱闘劇では生放送で観戦していた入江代表の驚愕を誘い、試合直後から内田とやり取りをしてしまうほど。脇を固めながらも、なかなかのインパクトを残した。
タイヤファイトの印象について内田は、「気にはなってはいた。（入江）代表のやることはいつもぶっ飛んだ印象だけど、あれ（タイヤファイト）は見る側からは分かりやすいし面白いと思う。」とし、「急に代表から電話がかかってきた時はイヤな予感しかしなかったが、興味の方が勝ってしまいました。この度、乗せられタイヤに首を突っ込むならね、足を突っ込むこととなりました。」と参戦経緯を語り受諾。晴れて賞金首（タイヤ神）として立ちはだかる。
80kg以下級は、非公認戦ではあるがタイヤファイト全日本王者のムービー・スターを下したイリエマンの打撃のスパーリングパートナー WhiteRice（ホワイトライス）と、60kg以下のタイヤ神はタイヤファイト・スペシャルワンマッチでキングダム聖蹟桜ヶ丘の三浦直之を衝撃KOで下した人気youtuberの和田犬も選出され、それぞれ意気込みを語った。
入江代表は本紙取材に応じた際にタイヤファイトの商標登録申請の件にも触れて、「別に今各方面でタイヤが注目されているから特許庁に足を運んだのではなく、もともと4月30日の会社決算が終わってから出願に行くことは前もって決めていた」。「コロナ渦での自分の目標であった会社最高利益を達成できたので、気持ち良くイリエマンとなって同所におもむき、そして晴れてこの度申請受理されました」。「勘違いして欲しくないのはこれでタイヤファイトを各方面で行うことの抑止力にしたいと決して思ってないこと。むしろ、朝倉兄弟や白川陸斗選手なども手を上げて頂いたら」と、述べている。
タイヤファイトはルールの特性上、リングでなくとも土俵・ステージ舞台・公園・海岸など野外でもどこでも、誰ででも楽しめるコンテンツ。その手軽さから格闘技イベントの合間や休憩中に取り入れても面白いだろう。「乱闘の決着はタイヤで」とか(笑)、それこそ「RIZINさんのあの長い休憩中にいかがですかね？」と、最後はイリエマン節。今後はタイヤメーカーを初め、自動車業界への呼び掛けと、既に大会などに協賛して頂いている企業にはスポンサードを打診しているという。さあ、この格闘技界で異色を放ち続ける格闘競技タイヤファイトは考案者を差し置いて、メジャーへ駆け上がることができるのか？ 注目だ。
タイヤファイター挑戦者求む！！ 一般出場選手公募
タイヤファイト募集要項
○出場資格
健康で感染症のない男女＊18歳未満の場合保護者の了承がいります。
○大会日程
■ タイヤファイト公式戦 T-0001 －タイヤ神 降臨―
2021年7月31日（土） 立川コロッセオ 18:00 GONG
○募集クラス・階級
・プロフェッショナル＜いかなる競技でも、プロとして活動経験がある競技者＞
無差別級 ８０以下級 ６０以下級
試合時間 ３分 ９０秒×２R インターバル３０秒
ルール ＊タイヤファイト公式ルール参照
ギャランティ １分１万円（１試合３分＝３万円）
＊新競技の為、どんなに知名度がある選手でも最大３万円とさせて頂きます。
【懸賞金制度】大相撲のように、協賛各社様からの懸賞金としてタイヤの周りを垂れ幕が回り、１社つき２万円が勝利した選手に贈呈されます。
・アマチュア ＜いかなる競技でもプロとして活動経験がない競技者＞
無差別級 ８０以下級 ６０以下級
試合時間 ６０秒×２R インターバル３０秒
ルール ＊タイヤファイト公式ルール参照
プロ、アマ共両競技者が同意した場合キャッチウェイトでの対戦もありえます。
○応募方法
・タイヤファイト実行委員会に問い合わせ後、必要事項を記入の上メールまたは
FAXすること
○連絡先 タイヤファイト実行委員会 ０４２－３７６－１６３９
Ｅ－メールアドレス mireniam-man-2002@nifty.com
＊必要記入事項
名前・住所・年齢・連絡先・身長・希望階級・所属（フリー・非公開可）・競技歴
○応募締切り 一次締め切り ２０２１年６月２０日 （日）消印有効
二次締め切り ２０２１年７月 ７日 （水）消印有効
＊一次募集で定員に達した場合、２次募集は致しません。
※月額999円ファイトクラブで読む（クレジットカード、銀行振込対応）
▼週総括+6・2第1回IWGP決勝ホーガンのアックスボンバー猪木失神
※500円電子書籍e-bookで読む（カード決済ダウンロード即刻、銀行振込対応）
’21年06月03日号非常鈴新日後楽園3連戦 OZアカデミー 今こそ猪木 登録商標タイヤF