UFCファイトナイト・ラスベガス27:激しい打ち合いを制すはフォント、ガーブラントは連勝ならず

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 日本時間5月23日(日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのUFC APEXを舞台にUFCファイトナイト・ラスベガス27が開催され、メインイベントでバンタム級マッチに挑んだロブ・フォントとコーディ・ガーブラントの一戦はフルラウンドの末にフォントがユナニマス判定での勝利を手に入れた。セミメインイベントに実現したヤン・シャオナンとカーラ・エスパルザの女子ストロー級マッチはヤンを圧倒したエスパルザがTKO勝利を飾っている。

■ UFCファイトナイト・ラスベガス27:フォント vs. ガーブラント
日時:現地時間2021年5月15日(土)、日本時間16日(日)
会場:アメリカ・ネバダ州ラスベガス/UFC APEX

【メインイベント】
<バンタム級マッチ 5分5ラウンド>
○ロブ・フォント
判定3-0(48-47、50-45、50-45)
●コーディ・ガーブラント

コーディ・ガーブラント
「もちろん、見てみないといけないけど、(判定は)正しいと思った。最初のラウンドを自分が取ったかどうかは分からなくて、自分的には落としたように感じていたけど、それ以降はすべてのラウンドを取れたと思う。関節技も決まりそうだったしね。すべてスムーズだった。過去に戻り、ミスを修正して良かった点を生かす必要がある。いい感じだったよ。最初の2ラウンドは相手が何度もテイクダウンを狙ってきていたと思う。オーバーフックとプレッシャーで調整し、そこからはすべて打撃で勝負だ。彼は何度か良いパンチを放っていたけれど、こっちはクリーンなパンチを受けないようにして自分を律することに徹したんだ。とにかく相手をレンジにとどめておくようにした。俺たちはそれをABCレンジと呼んでいる。相手をAにとどめ、自分はCにとどまり、Bレンジにはあまり長くいないようにした。Bレンジに入ると打たれてしまう。だから戻れないから安全圏にとどまる必要があったし、できるだけ相手を遠ざける必要もあった。とにかく自分を律してコーチの言うことを聞き、あまりフィニッシュを狙わないようにしていた。でも今回はちゃんとできたし、指示も聞けていた。向こうがあまり打ってこないつもりだというのが分かった。テイクダウンのタイミングは完璧で、相手がテイクダウンを狙ってくると、グラウンドにいきたがっているんだろうなと考えていたけど、でも彼はただテイクダウンして俺を抑え込み、パンチを打ちたかっただけのようだ。それはうまくいっていた。今回の勝利はでかい。初めてのメインイベントで、大きなチャンスだったし、見事な合格と言えるんじゃないかな。正直、自分には分からなかった。何ラウンド目かと効かれても分からない。流れに身を任せていた。心臓の動きがとても良く、打撃も受けたけど、一度でも打撃を受けるとカーディオが徐々に低下し始めると言われていても、それでも自分はいい感じだと思っていた。ただ、それがどのラウンドなのかが分からなかった。とにかく耳をすませてジャブを打ち続けるしかないと思っていた。今は家に帰って家族や友達、チームのみんなと一緒に過ごし、それからジムに戻りたいと思っている。今回の相手を倒したわけだから、これからはモンスターばかりが相手になるだろうね」

【セミメインイベント】
<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○カーラ・エスパルザ
2ラウンド(2分58秒)TKO
●ヤン・シャオナン

カーラ・エスパルザ
「ゲームプランのすべてを忠実にできたと思う。文字通り、キャンプ中に練習してきたことを試合で完璧に実行できた。自分のパフォーマンスにはとても満足しているわ。正直に言うと、テイクダウンに関しては彼女があれ以上できなかったことに少し驚いている。彼女がクラウディア(ガデーリャ)に対してテイクダウンディフェンスして勝利したのを見ていたから、もう少し苦戦すると思っていたの。今回のキャンプでレスリングにかなり力を入れてきたから、それは良かったと思っている。今回のキャンプでは自分のレスリングをとにかくつなげようとした。たくさんの時間をかけたしね。いつもは週に1回くらいのペースだったんだけど、今回は2回に増やした。これでもまだ少ないけど、バックグラウンドがあるものだと精通していると思って満足してしまい、時間をかけることを忘れてしまう。今回はしっかりと時間をかけて取り組んだから、試合でうまくできた。私の心の中では疑問の余地はない。この階級のランキング3位を仕留めたのよ。間違いなくタイトルマッチは私のものになるはず。どう言えばいいのかは分からないけど。新しい相手と戦うときは自分を試すような気持ちになるから、うれしいと言えるかどうかは分からないけれど、正直、ローズ(ナマユナス)と再戦するとしても、新しく戦う相手だと思うような気がする。私たちが戦ったのはもう随分前だし、彼女は素晴らしいファイターに成長して新しいスキルもたくさん身につけている。とてもワクワクするわ。シンデレラストーリーのような気分よ。経験してきたこと、この階級での浮き沈み、11年以上戦ってきたこと・・・。Invicta FCではチャンピオンになるまで戦い、TUFに出て勝って、チャンピオンになって、でもあんな悲惨な負け方をして、いろんなアップダウンを経験し、そして約7年後にようやく戻ってこの場所で戦うことができたのはシンデレラストーリーのような感じがするわ」

【メインカード】
<ヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ジャレッド・バンデラ
判定3-0(27-30、28-29、27-30)
●ジャスティン・タファ

ジャレッド・バンデラ
「自分が勝っていると思っていた。もちろん試合を見直してみる必要はある。自分のエゴを捨て、“勝ったから何も学べない”という呪縛から逃れないといけない。簡単に取り組めることがあったのは確かだ。スタンディングの試合だったから、自分のレスリングも、それ以外のこともいろいろとね。足をつかんだだけで、それが自分のレスリングの限界だった。ただ、次の試合では必要なときに相手を倒す力を身につけておきたいと思っている。それが今回の試合から得たこと。自分の頭の動きやパンチのストレート具合を確認したい。ちょっと恥ずかしく思うようなケリもあったけど、幸い、何の影響もなく着地できた。相手がキックボクサーなのは分かっていたし、そのためのカーディオを持っていることも分かっていたから、グラップリングのセクションで相手のカーディオを消耗させるためにグラウンドに持ち込むことを期待していたんだけど、相手がでかかった。テイクダウンするのに足をしっかりとグリップできなかったけど、その点については取り組んでいくつもりだから、二度と起きないはずだ。正直、栄養学やスポーツ心理学、ストレングスとコンディショニングなど、PI(UFCパフォーマンス・インスティチュート)のサポートが大きな助けになっている。これから数週間、数カ月の間にまたPIを利用するのを楽しみにしている。スポーツから精神的に離れようと思っても、それでも使おうかと思っている。支えてくれる素晴らしいコーチが一緒に取り組んでくれている。俺はワーカホリックだからな。戦うのが好きだけど、もうすぐ子供が生まれる。親にもなるんだけど、それでもこれが俺の仕事。あらゆる場所にいないといけない仕事だ。呼ばれれば戦う。戦っていなければ、大したことではない。収入源は2つあるから、フィアンセともっと家で過ごしたりすることもできる」

<女子フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○フェリシア・スペンサー
判定2-1(27-30、29-28、28-29)
●ノルマ・ドゥモン・ビアナ

フェリシア・スペンサー
「今回の勝利でかなり良いところにいけると思う。まだそれほどたくさんの試合を戦ったわけじゃないし、今回でまだ7戦目だけど、タフな相手とばかりやっている。UFCではタフな相手としか戦っていないから、今回の勝利で自分のレベルが上がったと思う。UFCでの次のステップに向けてフアンと興奮を感じているわ。打撃は好きだけど、柔術戦もすごくシャープなの。9年間、柔術をトレーニングしてきて茶帯を持っているし、サンダだってテイクダウンもあってシャープだと思っている。触れられたらテイクダウンに持ち込めるし、望まなければ抜け出すことだってできる。フェリシアは柔術では危険な相手、それは分かっていた。関節技を仕掛けられて終わるリスクは負えない。だからこそ、ポジションにはあまりこだわらなかったの。どちらの分野にも長けていると思っているから、常に相手を追い込むようにしている。彼女の欠点がどこにあろうと、そこに私のゲームプランがあれば彼女を倒せる。彼女がテイクダウンを狙い始めたとき、少し必死さを感じた。彼女には私を倒す力がないこと、テイクダウンを決められるわけがないと思っていたから、うまくいきっこないってことを彼女に示していたし、向こうのケリも効かないから、とてもリラックスしていけた。自分の方は順調だったから、きっちり打っていけた。相手の動きが見えていることを分からせようとしたし、向こうが必死になって前に出てこようとしていたから、もっと無防備にさせようと思ってカウンターを増やしていったの。カウンターストライカーの試合では相手の心を先に崩した方が勝つのよ。自分が勝ったという完全な自信はなかった。タフな試合だったのは分かっていたし、ペースを上げて戦わないといけないことも分かっていた。1ラウンドごとに調子を上げる傾向があるから、タフな試合だろうと、第2ラウンドや第3ラウンドにもっとプレッシャーをかけていく流れがある。第3ラウンドの終盤、少し疲れてきていたから、少しだけ試合をホールドすることにした。自分が勝っているかどうかは分からなかったけれど、こういう激しい戦いではどっちが勝っているのか分からないものよ。私の方が相手にダメージを与えられていると思ったし、私はまったくダメージを受けていなかったけど、正直、これだけのハードファイトだとどっちが勝っているのか判断するのは難しい。バンタム級に落としたいと思っているの。正直、できるだけ早く試合がしたい。来週、今後についてじっくり話していこうと思う。この階級にとどまるべきかどうか。バンタム級に落とすことになったら、ハードワークだから4カ月か5カ月は必要になる。もしかしたら、今の階級でもう1試合するかもしれない。この階級でも強いから、問題はないんだけど、でもうん、とりあえず腰を据えて自分たちの考えをまとめてみる。UFCからのオファーも見てみないとね」

<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○リカルド・ラモス
判定3-0(30-27、29-28、30-27)
●ビル・アルジオ

リカルド・ラモス
「もう一度、見てみる必要があるけど、いい感じだったと思う。最高のトレーニングキャンプができたし、常に何かしら改善すべきことがいろいろとあるんだけど、それでも気分はいいし、勝てたのは事実だ。コーチやチームに感謝しないと。良かったよ。常にゲームプランを進めていた。相手が思っていたよりも少し打撃力があるように感じたけれど、なんとかうまくいって勝利できた。すべて計画通りさ。相手の試合はすべて見た。戦士の1人だし、どこにいても常に前に出てくるタイプ。スクランブルで攻めるのが好きらしく、とにかくせめて相手を疲れさせるというファイトスタイルだ。俺は相手の領域に入り込んで勝った。いい結果だったと思う。前回の試合を振り返ってみると、今回の試合は自分の戦士魂を証明できたから、彼が今回の相手で完璧だったってこと。セニョール・ペルフェクト、さ。自分にとってはすべてが完璧だった。いつものように、まずは神に感謝しないといけない。それから、家族、友人、コーチたちにも感謝しないとね。どんな相手でも対応したい。数週間後、数カ月後には誰が来てもいいように準備を整える。とにかく連勝を重ねてベルト(奪取)に集中したい。それが俺の焦点であり、夢であり、目標だ。フェザー級のチャンピオンになる。たどり着くまであきらめない」

<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
○ジャック・ハーマンソン
判定3-0(29-27、29-27、29-27)
●エドメン・シャバージアン

ジャック・ハーマンソン
「気分はいい。特に逆境があった後だけに自分のパフォーマンスには満足している。先日、COVIDになって、負け試合の後でもあるし、勝利で復帰できてよかった。第1ラウンドはタイミングと距離感をつかむのが難しかった。もう少しプレッシャーをかけてクリンチに持ち込み、そこからテイクダウンを狙わないといけないってことは理解していたんだ。相手もそれを考えて何度か試していたけど、相手のやりたいことは分かったし、どう自分のポジションを改善したがっているかも分かったから、こっちはそれを阻止して、自分からも攻撃を仕掛けられた。少なくとも常にそれができると思っている。必要なときは深くいける。完璧な試合をしていれば、あまり突っ込む必要はないんだけど、時には行かないといけないし、自分にはそれができると思っている。グラウンドになれば俺がやばいヤツだってことを示せたはずだ。ダウンさせたあとに俺に付き合えるヤツはいないと思う。彼らにとってはニュースじゃないかもしれないけど、それが俺の魅力さ。今回の試合はかなり滑りやすく感じたから、ハーフガードから前に行こうとはしなかった。第3ラウンドにずっとハーフガードでいたのはその方がコントロールしやすいから。フィニッシュするにはマウントを取る必要があるから、最後にトライしてみたけど、そこでミスするわけにはいかなかった。でも、ハーフガードで完璧にコントロールし、フィニッシュを狙いたいならもっといいポジションを取らないといけないってことだ」