UFC 259:Iアデサニヤに初土をつけたJブラホビッチが王座防衛


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 日本時間3月7日(日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのUFC APEXを舞台にUFC 259が開催され、ヤン・ブラホビッチとイズラエル・アデサニヤが対戦したメインイベントのライトヘビー級タイトルマッチは5ラウンドの激闘となったものの、ジャッジは3名ともブラホビッチの勝利を指示し、ユナニマス判定でブラホビッチの王座防衛が決まった。セミメインイベントで2階級王者のアマンダ・ヌネスが女子フェザー級王座をかけてミーガン・アンダーソンを迎え撃った試合はヌネスがアンダーソンに何もさせぬ圧倒ぶりで防衛を果たした。バンタム級タイトルを争ったピョートル・ヤンとアルジャメイン・スターリングの一戦は序盤からヤンが優位に試合を運んでいたが、第4ラウンドにヤンがスターリングに放った膝蹴りが反則を取られ、インテンショナルファウルによりバンタム級のチャンピオンベルトはスターリングの手にわたった。

■ UFC 259:ブラホビッチ vs. アデサニヤ
日時:現地時間2021年3月6日(土)、日本時間7日(日)
会場:アメリカ・ネバダ州ラスベガス/UFC APEX

【メインイベント】
<ライトヘビー級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
○ヤン・ブラホビッチ
 判定3-0(49-46、49-45、49-45)
●イズラエル・アデサニヤ

ヤン・ブラホビッチ
「まずは試合を見てみる必要がある。もちろん、タフな試合だったし、接戦だったけど、イジー(アデサニヤ)は自分よりも少し多くケリを打っていた。ボクシングは俺の方が良かったと思うし、レスリングは向こうよりもはるかに良かった。試合に勝ったし、それがすべてだけど、タフな試合だった。ありがとう、イジー。君みたいな人と戦えるのは自分にとって光栄だった。ただ、“And Still(防衛)”できたことは本当にうれしい。世界で一番の1人である彼を打ち負かした最初が自分で満足している。俺は真の王者だ。今日はかなりハードな仕事だったけど、ベストを尽くした。ほぼすべて出し切ったよ。ジムで彼の対策としてやってきたことはすべて試合で出せたと思っている。満足だ。試合に勝ったし、やってきたことがうまくできた。もう少し早めにレスリングでいくべきだったし、もっとプレッシャーをかけていくべきだったとは思う。もっとボクシングスキルをぶつけていくべきだったけど、彼は素晴らしいファイターだ。簡単にはそうさせてくれない。でも、トレーニングしてきたことはほぼすべて出せた。呼吸が少しヘビーになる瞬間があった。スパーリングのセッションはすべて完璧だったから、何が起きたのか分からない。その後、呼吸がそれほど悪いわけじゃないって分かって、でも、30秒後にはもう少し集中しつつ、リラックスもできて、呼吸が普通に戻ったから、大丈夫だと思った。ヒヤリとするときはあったけど、なんとか乗り越えた。もしかしたら、彼のキックを受けた後だったかもしれないけど分からない。覚えていないんだ。でも、今回の試合ではあの一瞬だけだ。それから5ラウンドを戦えたことも良かった。これもまた自分にとっては試練だったからね。今回の試合ではいいテンポだったと思う。何かが起きるときは必ず、カウンターが良い。イズラエルを相手に5ラウンドを戦えたことに満足しているし、良い試合に勝てたこともうれしい。国を代表しているからね。母国だけじゃなく、ポーランドの心のレジェンダリーパワーをね。世界にその力を示すことができて誇りに思う。人々が言うことに耳を傾けるのはやめた。俺にしてみれば、一番重要なのは家族の声だし、コーチが言うことであって、友達の言葉だ。人生で一度も会ったことのない人たちがなんと言おうと知ったこっちゃない。今回の試合を終えて彼らがなんと言うのかは聞いてみようかな。俺にとってはそれが重要なことかもしれない。試合前は気にしないけどね。試合後は、自分がアンダードッグで、みんなが“あいつには今回の試合に勝つ力がない”と言っていたけど、俺が勝った今、なんて言うんだろうな? でも、まあ、運だったんだとか、そういうことを言うんだろうけど、そういうのは気にしない。ファイターにとっては試合に勝てれば毎回サイコーだ。チャンピオンになったときは・・・なんというか、ワオって感じだった。今は信じられないとかそういうこととは違って、でも、明日、起きたら、“OK、ベルトを守った。自分が真の王者だということを証明したんだからいいじゃないか。また人生でどでかいことが起きたな”と思うだろう。数日後には実感できるんじゃないかな」

【セミメインイベント】
<女子フェザー級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
○アマンダ・ヌネス
 1ラウンド(2分03秒)サブミッション(アームバー)
●ミーガン・アンダーソン

アマンダ・ヌネス
「誰が相手でも戦略はある。A、B、Cと戦略なしにはケージに入れない。だって何か間違った方にいってしまうかもしれないでしょ。準備はしっかりしておかないと。だから、ミーガンとの試合もフィニッシュしたかったし、ノックアウトしたかったわけじゃない。自分のペースでいった。すでに彼女が終わりかけていたのは分かっていたけど、自分の柔術でフィニッシュしたかった。正直、かなりトレーニングしているし、毎回、練習ではトレーニングパートナーをテイクダウンしている。毎回、何度も何度も。理由はどうあれ、今日はいつも練習しているあの動きでフィニッシュするチャンスがあった。だから最高だったわ。ずっと待ち望んでいた瞬間だと思う。この瞬間のためにがんばってきた。私はハングリー。いつもジムにいってもっとうまくなりたいと思っている。これを自分の仕事に選んだし、これをするのが好きなの。いつも考えるたびに前を向けるし、モチベーションが上がる。次がどうであれ、私は試合に臨んで勝つ。去るつもりはないわ。2本のベルトを持っている。戻ってきてその2つを守らないといけない。喜んでそうするわ。私はこのチャレンジが好き。自分の人生を通してずっとそう。いつもチャレンジしている。チャレンジしたくなければ、間違ったスポーツにいることになるわね。私は理由があってMMAを選んだ。私がチャンピオンよ。ベルトを守っていく。長くここにいたい。これでビールが飲める。家に帰って、友達やチームメイトと一緒に過ごすわ。ブラジルに帰って家族に会って、レーガンも連れていきたい。まだレーガンには会わせられていないの。うれしい。人生で今が一番よ」

【メインカード】
<バンタム級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
○アルジャメイン・スターリング
 4ラウンド(4分29秒)DQ(反則膝蹴り)
●ピョートル・ヤン

アルジャメイン・スターリング
「ここを目指してすべてに取り組んできたし、こういう試合をしたくてがんばってきたけど、試合はかなり接戦だったと思う。自分が2ラウンドを取っていたはず。こんな形で勝ちたかったわけじゃない。こんなことを思い描いていたわけでもない。ベルトは外した。あんな風になっても続けようとしたし、最悪の形で引き継いでも、さらに罰を受けるだけ。レフェリーには俺がダウンしていたと言われた。分からない。ちょっと熱くなっていたことも、いろいろあることも理解しているけど、ライバル関係とか・・・。俺は続けたかった。試合はペースが速くて、かなりの攻防戦だった。ファンはきっと楽しんでくれたと思う。年間最優秀試合になる可能性だってあったし、史上最高のバンタム級タイトルマッチになる可能性だってあった。あの瞬間までアクションはノンストップだったんだ。ファンには申し訳ない。試合がこんなことになってしまってごめん。もう一度できることを願っている。もう一度やりたい」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○イスラム・マカチェフ
 3ラウンド(1分37秒)サブミッション(アームトライアングルチョーク)
●ドリュー・ドーバー

イスラム・マカチェフ
「2020年はひどい1年で、試合が全部キャンセルになった。だからこそ今こうしてここにいられることがとてもうれしいし、フィニッシュできたこともすごくうれしい。本当に満足だ。フィニッシュすることがすごく大事。デイナがボーナスをくれたらいいんだけど。第1ラウンドで仕留めようとしたのに、ドーバーは本当に手強いやつだ。信じられないくらいのパワーがあって、だから彼を疲れさせるしかなかった。それで第3ラウンドでフィニッシュしようと。プレッシャーは感じているけど、俺は素人じゃない。確かに長いアマチュアのキャリアはあるし、今じゃ19勝の戦績もあるから、いろんなことを理解している。みんなに信じてもらえるようにもっとトレーニングに励まないとな。2021年はあと2戦しないといけない。2022年の初めにはタイトルをかけて戦わないと。夢のマッチングはトニー・ファーガソン。それが俺の夢の対戦カードだ。あいつを引退に追い込んでやりたい。あいつはしゃべりすぎだ。ハビブは引退したのに、今になってプレッシャーをかけてきている。何のためだ? 俺がいる。7連勝中だぞ。実現してくれ」

<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○アレクサンダル・ラキッチ
 判定3-0(28-29、28-29、27-30)
●チアゴ・サントス

アレクサンダル・ラキッチ
「チアゴが相手では距離を保ちつつ、できる限り外からのパンチで攻め崩すことを考えていた。UFC APEXでのオクタゴンは普通より少し小さめだから、距離を保つのが極めて難しい。距離を詰められてしまうスピードもその分早い。チアゴの威力は距離が近ければ近いだけ増すからね。十分に気をつけて試合には臨んだ。正直、チアゴがもう少しアグレッシブに攻めてくると思っていた。チェスのような一戦だったな。次はタイトル戦が欲しい。チアゴは俺にとって3人目の元タイトル挑戦者だ。これ以上証明する必要はないと思っている。今日のメインイベント次第でもあるけど、もしアデサニアが勝利してミドル級に戻るようなことがあれば、俺をUFCライトヘビー級暫定王座戦に出して欲しい」