神童勝つ! 志郎の執念ELDORADOに散る…元ライオンズ・相内誠はホロ苦デビュー!!

 RISE、コロナ禍からの反撃の狼煙となるビッグマッチ、2・28横浜アリーナ『ELDORADO』が行われ、メインでは神童・那須川天心が、志郎の17ヶ月越しの執念を跳ね返した。

「似た事を考えてる」
 試合後の会見で、奇しくも人の口から同じ言葉が洩れた。
 揃って
「解り辛いと思います」
とも口にした。

 確かにリングサイドで望遠レンズ越しに覗いていても、速過ぎて何が行われているか良く解らない攻防だった。
 2人の断片的な解説で、ようやく何が起こっていたかをおぼろげに感じる事しか出来なかった。
 結果は明白だった。どんなに頑張っても報われない努力がある。
 リアルファイトの現実は、神童・那須川天心の壁は、かくも残酷だった。

「努力を無駄にしてやろう」
 神童が、あえて憎まれ口を叩いた心理は解らない。
 志朗の17ヶ月間。無論、それに応じた神童がどれほど準備に心血を注いだかは明らかだ。
 その結果としてレベルの高い異次元の攻防を、多くのファンが目撃した事は間違いない。
 神童が本心から
「無駄にしてやろう」
と思っていたのならば、その野望は自らの手で粉砕された。
 人生に無駄な事など無いのだ。

■ Cygames presents RISE ELDORADO 2021
日時:2月28日(日) 本戦開始14:30 ※開場後オープニングファイトを実施
会場:神奈川・横浜アリーナ

<メインイベント Super fight! バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R>
〇那須川天心(TARGET/Cygames/RISE WORLD SERIES 2019 -58kg級王者、初代RISE世界フェザー級王者)
 判定 3-0 
●志 朗(BeWELLキックボクシングジム/RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg~那須川天心挑戦者決定トーナメント~優勝、ISKAムエタイ世界バンタム級王者)

<セミファイナル Super fight!-64kg契約 3分3R延長1R>
〇原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント優勝、第6代RISEライト級王者)
 判定 3-0
●白鳥大珠(TEAM TEPPEN/RISE WORLD SERIES 2019 -61kgトーナメント優勝、第5代RISEライト級王者)

<第9試合 SuperFight! バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R>
〇鈴木真彦(山口道場/第7代RISEバンタム級王者、RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg~那須川天心挑戦者
決定トーナメント~準優勝)
 1R 1分14秒 KO ※右ストレート
●溜田蒼馬(CRAZY WOLF/第2代CMA KAISERバンタム級王者)

 メインが玄人好みの心理戦だったとするならば、素人にでも解る断然面白かった試合が、鈴木真彦vs.溜田蒼馬戦。
 開始早々、鈴木真彦がダウンを奪い、格の違いを見せつけたかと思った直後にカウンターで溜田蒼馬が即ダウンを奪い返す。
 ここからどうなるかと思った矢先に鈴木真彦の右ストレートで溜田蒼馬は大の字になり、レフェリーが試合を止めた。まさに倒し倒されの激闘となった。
 1分ちょっとで3度のダウンの応酬だけでも驚愕だが、さらに溜田蒼馬が
「まだ負けてない」
と蘇生。
 ストレッチャーを持って駈け寄ったドクターを撥ねのけ、勝負続行をアピールする大暴れに度胆を抜かれた。
 ニュースター爆誕と言えるだろう。

<第8試合 Super fight!ミニフライ級(-49kg) 3分3R延長1R>
〇寺山日葵(TEAM TEPPEN/RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020優勝、初代RISE QUEENミニフライ級王者、第8代J-GIRLSミニフライ級王者)
 判定 3-0 
●田渕涼香(拳聖塾/第22回全日本少年少女空手道選手権大会 高校生女子軽量級優勝)

『エヴァンゲリオン新劇場版』とのコラボで、なんと御本人登場、高橋洋子の『残酷な天使のテーゼ』『魂のルフラン』絶唱を受けての入場となった寺山日葵。
「お父さんが見てたのを端で見てました」
というコメントに、プレスルームのおじさんはしみじみ。
 「赤」コーナーの寺山日葵に合わせ、紅いプラグスーツで深紅の弐号機に乗る式波アスカラングレーの映像集が映し出されたが本人には通じていなかった様で、『エヴァ』で印象に残っているのは
「綾波レイ」 
との事。
 また、会場で聴いているファンには豪華で嬉しい演出だし、入場した寺山日葵も
「勇気づけられた」
と述べたが、一方で
「自分が待ってる立場なら絶対イヤ」
と、先に入場して2曲の間待ちぼうけを喰った田渕涼香を慮っていた。次回こういったコラボがあるならば、それぞれ1曲づつにするなど、配慮が求められる。

<第7試合 Super fight!ミドル級(-70kg) 3分3R延長1R>
〇“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館/第2代RISEウェルター級王者、元J-NETWORKウェルター級王者)
 延長判定 3-0 本戦0-0
●憂 也(魁塾/同級1位、DEEP☆KICK-65kg王者)

<第6試合 -61kg契約 3分3R>
〇梅野源治(PHOENIX/BOMライト級王者、元ラジャダムナン・スタジアム認定ライト級王者)
 判定 3-0 
●ノラシン・スペチアーレジム(Speciale gym/元ルンピニースタジアムライトフライ級王者、元ルンピニースタジアムフライ級王者、元ラジャダムナンスタジアムライトフライ級王者)

<第5試合 -56kg契約 3分3R延長1R>
江幡 塁(伊原道場/初代WKBA世界スーパーバンタム級王者、KING OF KNOCK OUT初代スーパーバンタム級王者、第9代新日本キックボクシング協会バンタム級王者)
 1R 2分38秒 KO
拳剛(誠剛館/DEEP☆KICK-55kg王者、RISEバンタム級3位)

<第4試合 -49kg契約 3分3R>
〇竜哉•エイワスポーツジム(エイワスポーツジム/ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王者、WBCムエタイ世界ミニフライ級王者、IBFムエタイ世界105ポンド(47.6kg)級王者)
 判定 3-0
●渡邊愼一(ウォー・ワンチャイプロモーション)

<第3試合 スーパーライト級(-65kg) 3分3R>
●Delgermuru拳信王[デリゲルムルン ケンシンハン](モンゴル/FLATUP)
 1R 2分05秒 KO
〇相内 誠(フリー)※デビュー戦

相内誠

 千葉国際高等学校時代には「房総のダルビッシュ」と呼ばれた好投手で、2012年にドラフト2位で西武ライオンズ入りした相内誠。
 しかし仮契約後に交通違反、未成年ながら飲酒、喫煙が発覚と不祥事続きで入団からつまづき、1軍登板も殆どないまま、昨年コロナ禍にゴルフへ出かけ、今度は後輩が交通違反をしてプロ野球人生にピリオドとなった。
 格闘家として心機一転、再出発のRISE登場となったが、取り組んで数ヶ月でのプロのリアルファイトは、当然ながらそう甘くは無かった。
 しかし本人は今後も本格的に取り組む意向で、RISE伊藤代表も
「まずジムに所属して、トレーナーに師事するところから」
と注文を付けつつ、抜群の知名度と潜在能力に期待している事を伺わせた。

<第2試合 -62kg契約 3分3R延長1R>
〇平塚大士(チームドラゴン/RISEスーパーフェザー級7位)
 判定 3-0
●YA-MAN(TARGET SHIBUYA/2018年RISING ROOKIES CUPフェザー級準優勝)

<第1試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R>
●小出龍哉(TEAM TEPPEN/新空手K-2 GRAND PRIX 2018中量級準優勝)
 3R 1分04秒 KO
〇奥平将太(Team Bull/Bigbangアマチュア6階級王者、元NJKF EXPLOSION-50kg級王者)

<OPファイト2 バンタム級(-55kg) 3分3R>
●力 哉(BK GYM/DEEP☆KICK55kg5位)
 2分32秒 KO 3ノックダウン 
〇大森隆之介(EX ARES/JAPAN CUP 2019 -60kg級優勝)

<OPファイト1 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R>
△岡﨑晃志(NEXT STEP GYM)
 判定 1-1
△星 憂雅(IDEAL GYM/2019年Amateur RISE Nova全日本大会-55kg級優勝・大会MVP)

※詳しくは電子書籍版『週刊ファイト』3月11日号に掲載