[週刊ファイト3月11日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼キングコングバンディ3回忌
by 猫山文楽拳
・プロレスの起源?カーニバルレスリング
・戦うリアルマシュマロマン
・ブッチャーをさしおき猪木に勝った男
・懐かしき哉キングコングタッグ
カーニバルレスリングなるものが存在していたというのをご存じだろうか。
戦前から戦後にかけて、サーカスやカーニバルの余興に、いかつい体の男たちが試合を披露したとされる。
もちろんのこと、ガチファイトのわけもなく、プロレスの起源とも言われている。
このカーニバルレスリング由来でプロレスラーが試合中観客にわからないように次に出す技をささやきあうのに用いられる隠語を総称して「カーニー」と言う。
余談だが記者は東京のドインディープロレス興行のメインイベントのエプロンで、「そろそろ足技お願いします」というノーカーニーのささやきをモロに聞いて失笑させられた経験がある。
80年代WWFで活躍、日本にも来日したキングコングバンディ200キロの巨漢を見るにつけ、映画に出てくるサーカスの、火を噴く大道芸人の姿が重なって見えた。
イタリアの映画監督の巨匠、フェデリコ・フェリーニ「道」に登場した粗暴な大道芸人、ザンパノである。
記者の生涯初観賞イタリア映画で、最初に見たのは幼稚園児の頃、自宅から徒歩3分の距離にあった名画座で、アンジェイ・ワイダの地下水道との二本立てを母と見た。
おりしもプロレス黄金期、週末のテレビのゴールデンタイムはプロレス中継一色の時代で、幼児はザンパノをプロレスラーとばかり思いこみ、10代の頃にもう一度改めて見るまで「道」は粗野なプロレスラーの悲しい恋の物語とばかり記憶していた。
2019年3月4日
キングコング・バンディさんが亡くなられたという訃報を目にした。
え?まだ若いのでは?にわかに信じられなかった。
享年61歳。
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