那須川天心がボクシング転向をテレビで明言!『いたって真剣です』

 那須川天心が1月28日(木)、関西の人気テレビ番組のABC『やすともの いたって真剣です』に出演した。この番組は、姉妹漫才コンビの海原やすよ・ともこ(やすとも)がMCを務め、お笑い番組ながらゲストの生き様などを真剣にトークする趣旨である。

 今回の天心はVTR出演。漫才コンビのFUJIWARAの藤本敏史(以下、フジモン)がディレクターという名目で天心を取材した。


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那須川天心のギャグ好きは両親譲り

 千葉県松戸市にあるTEPPEN GYMの近くで会った天心とフジモン。お笑い好きという天心は、いきなりサンシャイン池崎のモノマネで自己紹介した。
 さらに天心は、フジモンが持っているビデオカメラを指さして「カメラ、ちっちゃくないですか?」と言って、フジモンの「俺の顔がデカいから、カメラがちっちゃく感じるのよ! 錯覚、錯覚!」という定番ギャグを引き出す。
 しかも天心は「元妻(木下優樹菜)と復縁したんですか?」とフジモンをイジリ倒した。

 ところがTEPPEN GYMに入ると雰囲気は一変。「今から練習するんで、ここからは話し掛けないでください」とフジモンに要求した。おちゃらけ天心はどこかへ行ったようだ。「急に、目が凄く怖いね……」と思わずビビるフジモン。
 練習が始まると、もうフジモンに入り込む余地はなかった。真剣に、激しい練習に取り組む天心。これでバラエティー番組が成立するのか!?

 フジモンを救ったのは、天心の母親の由美子さんだった。由美子さんはジムの受付をしている。由美子さんがエプロン・サイドに上がり、天心と何やら話をしていた。
 リングを降りた由美子さんに対し、すかさずインタビューを試みるフジモン。
「(天心と)何を話してたんですか?」と訊くと、由美子さんは「(フジモンの)顔がデカいなー、って」と、素人とは思えぬボケをかました。
 さらに「復縁したんですか?」と畳み掛ける由美子さん。「親子共々かい!」とフジモンはタジタジになった。

 そこへ、ジムの会長でもある天心の父親の弘幸さんが登場。弘幸さんは格闘技経験がないにもかかわらず、息子の天心を自己流でゼロから最強のファイターに育て上げた。
 しかし、弘幸さんもフジモンに対し「復縁したんですか?」。「おい、会長! 息子、嫁、旦那、みんなに訊かれてんのよ。はよ指導に行きなはれや!」とフジモンはブチ切れた。天心の大ボケぶりは、どうやら両親譲りのようだ。

那須川天心お気に入りの鰻は試合への活力

 とはいえ、フジモンは弘幸さんに真面目な質問もぶつけてみた。天心の凄いところはどこか、と訊くと「底が見えないというか、格闘欲求がメチャクチャ強い」と答える弘幸さん。

 2時間の練習が終わり、ようやく天心へのインタビューが許された。「ボケで喋りかけようと思ったけど、無理やったわ」とフジモンが問い掛けると、天心は「喋りかけてきたら、ホントに……」と恐ろしいことを言う。
 無敗を続けている秘訣をフジモンが尋ねると、天心は「常にチャレンジしています。練習量もそうだし、新しい技とか、満足したことがないんです。このポジションを維持しようと頑張っても、その時点で退化だと思うんです。常に常に挑戦していくというか」と語った。
 そして、問題の核心へと話を進めるが、それは後に述べよう。

 午後6時にジムを後にした天心とフジモンは、天心が子供の頃から家族と通っているという鰻屋へ行った。天心によると「ここより美味しい鰻を食べたことがない」んだとか。
 店に入ると、天心をよく知る店主と奥様が出迎えた。当然のことながら、店内には天心の写真が飾られている。味には定評があり、全国から客が訪れる名店なのだそうだ。

 この店は、減量を控えた天心の、最後の〆のメシ。1ヵ月後に試合を控えている天心にとって、この日の鰻は『最後の晩餐』だ。この夜を最後に天心は、試合が終わるまで好きな物を食べることはできない。そんな天心からすれば、この店の鰻は最高の御馳走である。
 天心が「いつものやつ」と必ず注文するのは鰻の肝焼き。串に刺された鰻の肝は、天心のスタミナ源だ。メインディッシュはもちろん鰻重。ボリューム満点の『松』は税込4,300円なり。

 店主によると、子供の頃の天心は「挨拶が良くできて、ちょっと無口だけど、いつもニコニコしていた」という。さらに、無口だった理由として「お父さんが偉大だから」と店主が言うと、弘幸さんにイジられたフジモンは「お父さん、偉大ですかね?」とツッコんだ。

 ここで天心にサプライズ。店主が天心に対し手紙を書いていた。それをフジモンが読み上げる。天心は、試合前に店を訪れた時もピリピリしたムードはなく、友人たちと来た時も無邪気に鰻をパクついていた、というような内容だった。
 店主からの思わぬエールに天心も感激。ただし店主は、天心の試合を生観戦したことはないんだとか。「もうちょっと貯まったら生で観ます」と店主が言うので、「何が貯まったらですか?」とフジモンが訊けば、「Moneyが……」と店主は恥ずかしそうに答えた。

▼「Moneyがなくて生観戦できない」と言う店主に対し、天心は試合への招待を約束

那須川天心、ボクシング転向の理由を語る

 それでは、鰻屋から時計の針を戻して、練習後のインタビューに戻ろう。強さの秘訣を「常にチャレンジすること」と語る天心、次なる挑戦は?
「競技を変えようかな、と思っています」と天心は言った。そう、かねてから表明していたボクシングへの転向だ。「ボクシングにもチャレンジしたいという気持ちはあります」と言う天心。

 ボクシングへの転向の理由を、天心は「キックボクシングには敵がいないから」と語った。番組内では紹介されなかったが、天心とボクシングと言えば思い出されるのが、2018年大晦日のフロイド・メイウェザーJr.戦。エキシビション・マッチのため公式記録には含まれていないものの、天心にとって初めてとなる無残なKO負けだった。しかも相手は、引退したボクサーである。
「アンチの人には『(ボクシング転向は)無理だ』と言われるけど、そういう人たちは『コイツがそれをやっちゃったらヤバい』と思ってる」と天心は語る。フジモンも「そういうヤツを黙らせるには勝つしかないもんね」と言うと、天心は「正直、格闘家って勝てば正義なんで」と答えた。

「畑が違うボクシングに対し戸惑いはないの?」と訊くフジモンに対し、「ありますよ。でも、だからこそ面白いな、と」と天心は言う。
 フジモンは「うわー、言ってみたいわあ。『ガヤには敵おらへんから落語やろかな』みたいな」とボケてインタビューを締めた。

 VTRが終わり、スタジオ・ゲストで格闘技ファンの関根勤は「ボクシングに行けば、世界がもっと広がるからね。強敵がいっぱいいるから。だから、登り詰めたいんでしょう。欲求があるわけでしょう、強い奴とやりたいっていう」と天心の心情を読み取る。

▼関西のバラエティー番組でボクシング転向を明言した那須川天心

 那須川天心がボクシングに転向するのは、キックボクシング界にとって頭の痛い問題だろう。キック界のみならず格闘技界(ボクシングや相撲、柔道などを除く)で最大のスターである天心を失うのだから。現在、格闘技ファン以外にも名前を知られている格闘家は天心以外にいない。
 しかし、ものは考えようで、キック界からボクシングの世界チャンピオンが生まれれば、実に痛快なことだ。世界で最も認知されている格闘技のボクシングで、キック界から世界王者を生み出せば、キックボクシングの実力が評価されることにも繋がる。

 筆者の感覚でいえば、那須川天心のボクシング転向は非常に楽しみだし、キック界や格闘技界にとってもピンチをチャンスに変えるターニング・ポイントになるのではないか。

▼ボクシングでも“神童”となるか!? 那須川天心


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