[ファイトクラブ]コロナイヤーを締め括った杉浦軍興行 今こそ振り返る本当は怖いノア

[週刊ファイト1月14日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼コロナイヤーを締め括った杉浦軍興行 今こそ振り返る本当は怖いノア
 12・29ノア後楽園ホール大会&ノア2020年間総括
 photo & text by TERUZ
・ベストバウト2位で箔がついた 潮崎豪と藤田和之が火花
・21年目も「シングルのGHCのベルトを」杉浦貴がデビュー20周年
・攻めまくったノアの2020年 感染者数MAXの年末に後楽園満員
・コロナイヤーで延びたNOSAWA論外引退 ブッカー業は本格化!?
・2019年に脱・三沢が掲げられ、2020年に三沢カラーの潮崎降臨
・「藤田には勝てない」ひっくり返して冴えたノアストーリー
・迷走している盟主を尻目に・・・あのときと同じ道を辿れるのか


■ ノア 杉浦軍興行 犬ども全員集合!2 ~杉浦貴デビュー20周年記念大会~
日時:12月29日(火)18:30
会場:東京・後楽園ホール 観衆未発表

 どこよりも積極的に無観客試合を展開し、有観客に転じてからは新日本以外では異例の後楽園ホール大会&ビッグマッチ連発となったノアの2020年。東スポプロレス大賞でのMVP・ベストバウトこそ逃したものの、ベストバウト選考で新日本の試合に1票差惜敗、2部門受賞と業界内での存在感を押し上げた。「杉浦軍興行 犬ども全員集合!2」として行われた2020年最終興行を振り返るとともに、多くのファンから「団体として躍進した年」との声も多かったノアの2020年を振り返る。

 
 ベストバウト2位で箔がついた 潮崎豪と藤田和之が火花

<タッグマッチ>
●稲村愛輝
潮崎豪
  18分11秒 ダブルアームスープレックス⇒ギブアップ
〇鈴木秀樹
藤田和之

 東スポプロレス大賞2020のベストバウト部門を「オカダ・カズチカvs.内藤哲也」との間で争い、事実上の“2位”となっていた3・29後楽園(無観客試合)での「潮崎豪vs.藤田和之」。両者による9か月ぶり再会マッチが、セミファイナルでのタッグ対決として組まれた。潮崎と藤田が先発してゴングが鳴ると、あのときと同じように睨み合いが始まる(3月の試合では31分に渡って睨み合い)。

 3月の時と状況が違ったのは、会場に観客がいることと、タッグパートナーがいること。2位で箔がついた顔合わせでの名シーン再現を観客は大きな手拍子で見守る。3分が経つと、ガマンできないとばかりに鈴木秀樹がリングインして藤田に交代を促す。反対コーナーでは稲村愛輝が潮崎に交代を迫る。それでも引き下がるまいと潮崎・藤田は構え続けたが、強制的に稲村・鈴木がパートナーをコーナーに引っ込め、7分でようやく“通常試合”が始まった。

 もうこのやりとりだけで最高に満たされた観客だったが、潮崎と藤田は試合後半でチョップとエルボーを激しく交換する。冷静に観察すれば、あの3月の試合よりも両者の打撃攻防が噛み合ってみえた。トゥビーコンティニューはあるのか!?

 
 21年目も「シングルのGHCのベルトを」杉浦貴がデビュー20周年

<杉浦貴20th記念試合~SHOWDOWN~杉浦軍vs金剛 7vs.7イリミネーションマッチ>
仁王
覇王
タダスケ
征矢学
●マサ北宮
中嶋勝彦
拳王
  45分10秒 オリンピック予選スラム⇒体固め
村上和成
中村大介
カズ・ハヤシ
NOSAWA論外
ケンドー・カシン
桜庭和志
〇杉浦貴
※杉浦選手1人残りで杉浦軍の勝利
カズ(10分58秒 パワープラント⇒片エビ固め)覇王
中村(12分06秒 腕ひしぎ十字固め)タダスケ
征矢(13分10秒 エビ固め ※叩きつける)中村
中嶋(16分22秒 オーバー・ザ・トップロープ)村上
拳王(19分05秒 オーバー・ザ・トップロープ)カシン
仁王(21分30秒 オーバー・ザ・トップロープ)カズ
桜庭(22分57秒 変型羽根折り固め)仁王
桜庭(26分01秒 オーバー・ザ・トップロープ)拳王
北宮(30分40秒 セントーン⇒片エビ固め)桜庭
中嶋(34分50秒 両者オーバー・ザ・トップロープ)NOSAWA
杉浦(36分31秒 フランケンシュタイナー)征矢

 メインでは杉浦軍と金剛が「7vs.7イリミネーションマッチ」で対決となる。杉浦軍は桜庭和志が脱落したところで2対3の不利な状況となるが、NOSAWA論外が中嶋勝彦との殊勲の場外心中。この流れのままに杉浦貴が征矢学をフランケンシュタイナーに捉えて3カウントを奪取する。

 杉浦とマサ北宮の1対1となると、2020年の杉浦軍と金剛のタッグ対決で幾度となく繰り返されてきた“杉浦と北宮のぶつかり合い”に突入。35分を超えたとは思えない重量感とスピードとパワーが揃った攻防は、北宮の頭突きで沸点を迎える。ゴツンというとともに北宮の額から流れる血。なおもエンドレスに続いた闘いは45分、オリンピック予選スラムで杉浦が制した。

 杉浦はバックステージで「20周年っていう感傷に浸ることはないし、通過点」とし、21年目については「まずベルトですね。またシングルのGHCのベルトを狙いにいって。軍団としてはベルト総取り」と前を向いた。

記事の全文を表示するにはファイトクラブ会員登録が必要です。
会費は月払999円、年払だと2ヶ月分お得な10,000円です。
すでに会員の方はログインして続きをご覧ください。

ログイン