週刊ファイト二代目編集長 井上譲二氏の鷹の爪大賞2020

[週刊ファイト12月10日号]収録

▼週刊ファイト二代目編集長 井上譲二氏の鷹の爪大賞2020
・年間最優秀選手 内藤哲也(新日本プロレス)
・年間最高試合 飯伏幸太VSSANADA
・敢闘賞 諏訪魔(全日本プロレス)、潮﨑 豪(ノア)
・ルーキー・オブ・ザ・イヤー グレート・オー・カーン
・特別功労賞 ロード・ウォリアー・アニマル(米国)


▼年間最優秀選手
 内藤哲也(新日本プロレス)

 今年下半期、大阪城ホール大会、神宮球場大会などのビッグマッチでメインイベントを務め上げた内藤の功績を評価。一連のEVIL戦に名勝負は1つもなかったが、プロ野球のピッチャーの活躍に例えるなら、勝率、防御率、奪三振ともそこそこの成績・・・しかしながら、シーズンを通してローテーションを維持した格好。肉体的にも精神的にも例年以上にキツかったのでは?


▼年間最高試合
 飯伏幸太vs.SANADA(10・18両国『G1クライマックス30』優勝戦』)

 何回でも見たいと思わせる高度な試合。新日プロはこういう試合も提供できるのだから、もう少し乱入などの茶番を減らしたら? それにしても、外様の2人に超名勝負をやられたら生え抜きのメンツ丸潰れじゃ。

▼敢闘賞


 諏訪魔(全日本プロレス)、潮﨑 豪(ノア)

 コロナ禍でもそれぞれ3冠ヘビー級王者、GHCヘビー級王者として団体をケン引した功績は大きい。ただ、両タイトルの権威は失墜したまま。これは王座に君臨する選手やマッチメーカーの努力が足りないのではなく団体首脳の責任。最低でもファンに「エッ、これが3冠戦(GHC戦)のカード?」と言われないように。


▼ルーキー・オブ・ザ・イヤー
 グレート・オー・カーン(新日本プロレス)

 昔、ストロング小林、佐山聡、前田日明らが海外武者修行を行った英マット。当時も今もレベルが低く、岡倫之ことO・カーンも技術的にも学ぶことは少なかったと思うが、強いプロ意識が芽生えたことと、空白の時間を作れたことが彼にとってプラスになった。
そのO・カーンがさらにランクアップするか、逆にトーンダウンするかは2021年の闘い方次第。変に相手のスタイルに合わせようとするとO・カーンの持ち味は半減する。殴る、蹴る、絞めるのラフ一辺倒の闘い方を貫くべきだろう。
ぜひ、新日OBで80年代のアメリカ・マットで大ブレークしたキラー・カンを超える怪奇派レスラーに成長してもらいたい。


▼特別功労賞
 ロード・ウォリアー・アニマル(米国)

 ホークさんとのザ・ロード・ウォリアーズは最もファンの記憶に残る外国人タッグチーム。とりわけ、初来日時(85年3月)の暴風雨のような超ド級ファイトが目に焼き付いており、テレビでウォリアーズの試合を見てプロレスにのめり込んた人も多かった。
2人の人柄について言えば、フレンドリーなホークさんとは対照的にアニマルさんは取っ付きにくい感じだったが、それはあくまで第一印象で、いかつい面構えとは裏ハラに世話好きな好人物だった。せめてアニマルさんだけでも長生きして「R・ウォリアーズ伝説」をいつまでも語り続けてほしかった。


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’20年12月10日号鷹の爪大賞 新日師走 潮崎豪-杉浦貴 BリーPパターソン SEAd鬼に金棒