REBELS.67 宮元啓介、KING強介、良太郎インタビュー

宮元啓介「とりあえず強いメンバーの中で優勝するということだけしか考えていない」

 11月8日(日)東京・後楽園ホールにて開催される「REBELS.67」の[REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント・準決勝/3分3R・延長1R/REDルール]で小笠原瑛作と対戦する宮元啓介のインタビューを公開!

――9月の「KNOCK OUT」栗秋祥梧戦では判定勝ちでした。試合を振り返っていただけますか。

「SNSを見ていると若い栗秋選手が勝って世代交代してしまうのでは? という雰囲気を感じていたのですが、自分はまだまだできるぞをいうところを見せたかったので何としてでも完勝したいと思っていました。試合前に栗秋選手の映像を見たところ、パンチ力があり飛びヒザなどの一瞬のスピードが早かったので結構警戒していたのですが、1R目に栗秋選手のパンチがしっかり見えていたので大丈夫だなと。ガードの上から受けても問題ないと思い、落ち着いて臨んだら練習通りの作戦がはまって自分がやりたい試合ができました」

――作戦はどういうものを?

「とりあえず三日月蹴りをばんばん蹴って中に入らせないようにすることや、相手のフックに合わせてヒジを出すことでした。1R目に三日月蹴りを入れたときに顔を見たら結構効いていた表情で、このまま続けて蹴れば行けるかと感じました」

――次が55戦目になりますが、未だに国内55kg戦線のトップ戦線を走っていられる秘訣は何でしょう。

「練習量は以前とは変わりませんが、結婚して子供が産まれて背負うものができたことで、より負けられないという気持ちが強くなり、練習に身が入るようになりました。あと、今までは試合が決まっても相手の映像を1~2回見るだけで倒したい技を磨いていただけでしたが、今は勝ちに近づけるかを真剣に考えて対策を立てて絶対に勝つという気持ちで臨んでいます。しっかり対策を立てることで、試合では頭で考えていなくても瞬時に身体が練習通りに動くので、やはりそういうのは大切だと思いました」

――それでは今回対戦する小笠原瑛作選手との対策もバッチリ?

「そうですね。映像を見て小笠原選手のパターン、癖もわかってきて作戦をしっかり決めているので、練習でそれをしっかり磨いて作戦に近づけるようにしている段階です」

――小笠原選手とは2016年12月の「KNOCK OUT」で一度対戦し3RKO負けしていますが、その時と比べて印象はどうでしょう。

「4年前の時よりも今はお互いに確実に強くなっているので、前回の試合のことは全く参考にしていません。逆に僕も前回よりも格段に強くなっているので向こうも参考にはならないでしょう。再戦ということは関係なく相手は前に出てくるんだろうなと思いますし、自分がやるべきことは決まっているので、それがうまくはまれば。今までに見せたことのないような技もあるので、楽しみにしていてください(笑)」

――反対ブロックで対戦する小笠原裕典選手とKING強介選手の二人のどちらが決勝戦にくると予想してますか? 宮元選手は両者とも対戦経験があり、裕典選手とは1勝1分、強介選手とは1分です。

「僕の中では気持ち的にはどちらが上がってきてもいいというのはあるのですが、強介選手だったら一発のパンチがありますし、裕典選手もリーチが長く一発で切り裂けるヒジがあるので正直どちらが来るかは分かりません。僕はどちらが来ても自分の中で勝ちパターンはいくつかあるので反対ブロックのことは特に意識していません」

――宮元選手はこれまでに6本のベルトを獲得していますが、トーナメントで優勝してベルトを獲得したいという欲はまだありますか?

「デビュー当時や一つ目のベルトを獲った時は、次はあのベルトを獲りたいといった欲が凄くありましたが、今はとにかく強い選手に勝ちたいなと。ぶっちゃけベルトは二の次で考えていて、とりあえず強いメンバーの中で優勝するということだけしか考えていないですね。優勝してリング上で子供と写真をぜひ撮りたいです」

――キャリア終盤ではあるかと思いますが、その先の目標はありますか?

「とりあえず誰にも負けないことです。決められた試合を一つずつ勝っていけばさらに違う景色が見えてくるのかなと思います。僕は先のことを考えると今のことが疎かになってしまうので、とりあえず目の前のことをクリアして次のことを考えるようにしています。キャリアも長くなってケガも多くなって歳を重ねるごとに治りも遅くなっているので、接骨院とかにいく頻度を多くしてしっかりケアするようにしています」

――安本晴翔選手、白幡裕星選手、花岡竜選手といった橋本道場の後輩たちの活躍が目立っていますが、プレッシャーはあります?

「みんな成長するスピードが早く凄く強くなっていて、焦っているわけではありませんが、自分も抜かされないように頑張らなきゃなと良いモチベーションになっています。階級関係なくいいライバルであって、仲間にも負けたくないという気持ちがみんなから伝わってきますね。そして、試合では誰かが勝てば、自分も負けないで上に行くぞという気持ちにもなって、切磋琢磨できるのでいいチームですよね。晴翔をはじめ後輩たちはパンチが強いのでスパーでも試合のような緊張感を持ってやらないと倒されてしまいます。そういう面でもパンチを見切る力が養えていて、試合でも落ち着いて戦えるようになりました。20代前半の時は勢いでガンガン行くだけでしたが、今だとテクニックで完全にいなすことができるので僕は全然強くなっています」

宮元啓介(橋本道場) Miyamoto Keisuke
WPMF世界スーパーバンタム級王者
WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級王者
WBCムエタイ日本スーパーバンタム級王者
INNOVATIONスーパーバンタム級王者
INNOVATIONフェザー級王者
MA日本スーパーバンタム級王者
1992.12.16生/埼玉県入間市出身/27歳/168cm/オーソドックス/54戦34勝(11KO)13敗7分

取材:安村発

KING強介「どんな環境であれ、本人次第でどうにかなるものなんです」

 11月8日(日)東京・後楽園ホールにて開催される「REBELS.67」の[REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント・準決勝/3分3R・延長1R/REDルール]で小笠原裕典と対戦するKING強介のインタビューを公開!

――2月のREBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント一回戦を振り返っていただきたいと思います。右のカーフキックでタネヨシホ選手を2RKOしました。

「幸いKO勝ちできましたが、元々カーフキックでのKOは狙っていなかったんです。作戦としては、上下に散らして削っていき最後にパンチで倒すというものだったのですが、それがうまいことはまってああいう形で終わったのでラッキーでした。ちなみに練習ではカーフキックを使うのですが、あれでまさか倒れてくれるとは全く思っていませんでしたね。昨年に二連敗していた中でいいオファーをいただいて、僕でいいのかなと思っていましたが、こうやって主催者の期待通りの役割を果たすことができたので良かったです」

――今も練習環境は三重に?

「二連敗したぐらいの去年9月ぐらいに神戸から嫁の実家の三重に移住しました。今は4人の子供がいて、神戸にいた時に結果を残せずこのまま引退しようと思ったのですが、山口代表からいいお話をいただいて最後に一花咲かせようかなと。このままじゃアカン、家族が傍にいた方がより集中できて力を発揮できると思ったので三重に移住を決意しました。練習はほとんど自分一人だけなんですが、team fightbullというチーム名でボクシングジムを間借りして週一、二回の練習を続けています。それ以外は出稽古を中心に、京都の野口ジムや大阪の山口道場に行っています」

――最後に一花咲かせるということは、もう引退も考えてのトーナメント参戦であると。

「そうですね。トーナメントで負けた時点で引退しようと考えていて、家族にも伝えています。奥さんはこれ以上やるな、辞めないでとも言わず、『あんたが決めたことなんやろ?』というだけですね(笑)。子供たちは僕のやっている姿を見て喜んでくれますし、格闘技自体に興味を持って接してくれ、会場でも一生懸命応援してくれます」

――仕事もされているんですよね?

「神戸にいた時は大工の仕事を続けながら単身赴任でした。三重に来てどうせ環境が変わるなら全部挑戦していくものにしようと宮大工(神社仏閣の建築や補修に携わる大工)の仕事を1からスタートしたのですが、それが辛くて辛くて……(苦笑)。今までの大工の仕事とは全く別物で、周りは昔ながらの職人さんばかりで全くやり方を教えてくれませんし、見て習えという感じなので、見たことを元にやり始めても怒られるという負の連鎖なんです。毎日怒られて地獄の日々を送りながら『俺は何をやっているんだろ? もう投げ出したろかな』と思いながらも生きています。けれども、ここで投げだしたら終わりなので、クビになるまで頑張ろうかなと。練習と仕事の両立をしないといけないという凄く難しい状況下ではあるのですが、自分で決めてやり始めたことなので最後までやり切ろうと思います。負けて次がある若い選手たちとは違って、僕は負けても後がない年齢なので一戦一戦大事に戦うだけです。ちなみに、最後の挑戦ということでジム移籍を考えたことはありません。環境が良ければ堕落することもあるでしょうし、必ずいい結果が得られるとは言えません。どんな環境であれ、本人次第でどうにかなるものなんです。それが一回戦の結果につながったんだと思います。僕はどちらかというとエリートではありませんし、恵まれた環境ではないからこそ考えてやることに意味があるのかなと。這い上がっていくストーリーの方が自分には合っています」

――格闘技と今のお仕事と通じるものがあるんですね。ちなみに1日のスケジュールを教えて下さい。

「朝6時ぐらいに起きて仕事に行き、だいたい夜の8時ぐらいに終わります。そのまま練習に行き、夜中の1時ぐらいに帰宅するといった毎日です。宮大工の仕事は日曜休みなので、その時は時間をたっぷり使ってできる練習をしています。神戸に住んでいた時よりも家族といる時間が多いので今の環境の方がいいですね。僕自身が家族依存症なんですよ」

――試合の話に戻しますと、次に対戦する小笠原裕典選手の印象を教えて下さい。

「トータルバランスに凄く優れた選手だと思います。フィジカルが強くガードも硬い。相手の隙を見て、ヒジ、パンチ、ヒザと色んな攻撃をしてくるので凄く厄介な相手だと思います。僕は出入りが得意なのでそこで攪乱しようと思っていても、今までに小笠原瑛作選手、栗秋祥梧選手、炎出丸選手とクロスポイント勢と対戦経験が多いので色んな作戦を考えてくるでしょう。裕典選手は頭がいい選手なのでどういう作戦でくるのかが楽しみでもありますね。普通にやれば……僕の判定負けです(笑)」

――普通には戦わないと(笑)。決勝戦では宮元啓介選手と瑛作選手のどちらとやりたいですか? 過去に宮元選手とはドロー、瑛作選手には判定負けしています。

「そうですね。どちらにも因縁があるのでどちらでも構いませんし、どう転んでも僕にとってはやりがいがあります。僕は進化し続けているので、以前の僕とは違うイメージでいた方がいいですよ」

――ベルトを獲ったらその先のことも考えてますか?

「今回、REBELS-RED王者になって、KNOCK OUTチャンピオンの江幡塁選手へ挑戦したいですね。そこで江幡選手に勝ってエンドロールを迎えたいと思います」

KING強介(team fightbull) King Kyosuke
元REBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者
1984.6.6生/兵庫県神戸市出身/36歳/163cm/オーソドックス/36戦17勝(9KO)17敗2分

取材 安村発


良太郎「全身全霊で壊してやろうかな。引退試合前に強制引退してもらう」

 11月8日(日)東京・後楽園ホールにて開催される「REBELS.67」の[64.0kg契約/3分3R・延長1R/REDルール]で北川“ハチマキ”和裕と対戦する良太郎のインタビューを公開!

――まずは対戦するハチマキ選手の印象を教えて下さい。

「元々、ハチマキ選手は今年6月のNKBのリングで引退試合をする予定でしたがコロナの影響で延期になり、引退試合の前に古巣のREBELSでの最後の相手として僕が選ばれました。本来は僕よりも上の階級の選手なので交わることもないと思っていましたが、新旧REBELS王者対決として大会も盛り上げられたらいいですね。選手としての印象は、僕がプロデビューしてREBELSに出ている時に何回か同じ大会に出たこともあり、試合を見たらテクニックもあり、しっかり堅実に攻めてくるタイプだなと。戦い方に人間性が出てますよね」

――ゲーム・アニソン・格闘技のオタクのハチマキ選手に対して、“千の職質を受けた男”のニックネームがつく元不良の良太郎選手は真逆のキャラクターでもあります。

「陰と陽ですよね。どちらか陰なのか、陽なのかわからないですけど(笑)。普通に生活していたら絶対に交わることのないタイプです」

――ハチマキ選手のような引退カウントダウンの選手と試合をすることについて想うことはありますか?

「あちらさんはしっかりと実績を残していますし、自分の見切りを決めて引退するので、特に何とも思いません。言うとしたら、お疲れ様でしたぐらいでしょうか。引退すると決めても普通の選手は何もありませんが、ハチマキ選手は引退式をやってもらえるぐらい愛されている選手なんだなと。人間はゴールが見えたら頑張ってくるので、どういう戦いをしてくるんでしょうね」

――逆にラストが決まった選手と試合することに怖さはないですか? 

「全くないですね。記者会見で『壊してくれ』と言われていたのでじゃあ全身全霊で壊してやろうかなと(笑)。NKBの試合前に壊れてもらって強制引退してもらい、NKBのリングでは皆さんから温かい拍手と10カウントゴングをいただいて最後に幕を閉じる。いいキック人生ではないですか」

――ちなみに良太郎選手は不良時代に、死んでもいいぐらいの勢いの不良と喧嘩した経験はありますか?

「それは2パターンあって、誰かのために命を張って死んでもいいパターンと、本当に自暴自棄で死んでもいいと思ってくるパターンがあって、2つは全然違うんですよ。実際、仲間を守るために頑張って死ぬぐらいの勢いで来たやつはいましたけど、自暴自棄のやつはなりふり構わずに平気で●●●してくるのでマジで怖い。
そう考えると、ハチマキ選手は前者です。ハチマキ選手は応援してくれる人がいるからリングに立つのであって、ベルトを持っているようなベテランの選手が引退を決めて自暴自棄な戦いはしてこないでしょう(笑)。『もう知らない、もう引退する、もう死んでもいい』と思ってくるやつがいたら、リング上はとんでもない光景になって応援してくれる人にも失礼じゃないですか。意外にハチマキ選手はいつも通りに堅実に戦ってくるのかなと」

――確かにそうですね。良太郎選手は昨年8月の雅駿介戦、今年2月のスアレック戦といずれも敗れ、現在二連敗している状況ですが、今練習で強化していることはありますか?

「連敗? 俺ってそんなに連敗してたっけ? そんなに気にしていないんですよ。敗戦の後はしっかり反省して取り組んでやっていますが、僕は良くも悪くも気持ちをすぐに切り替えてクヨクヨできないタイプなんですよ。日曜に大会があって、翌日月曜日になると、自分のジムにちびっ子たちが練習に来るんです。いつまでも落ち込んでいたら負のオーラが移ってしまうので、基本的にあっけらかんとしています。勝っても嬉しいのは大会当日ぐらいで、翌日は普通に戻ります。
今回はいつもより重い階級での試合になるので、12月6日に『REBELS.69』に出場する池袋BLUE DOG GYMの小泉竜(77.0kg契約で吉野友規と対戦)や、池袋に出稽古に来ていた日菜太さんといった重い階級の選手とやるぐらいで、いつもと変わらずしっかり追い込んでいきます」

――スアレック選手は9月のKNOCK OUTで行われた61.5kgRED初代王座決定トーナメントで優勝していましたが、どういうふうに見ていましたか。

「あの日のスアレックは凄く気合いが入っていて打ち合いに行ってましたが、僕との試合の時は完全にポイントを取る戦いをしてきて熱い試合をしてくれませんでしたよね。でも、同じREBELSを代表する選手ですし、出場メンバー4人の中でも一番親交があるのでもちろん優勝してくれて良かった。今回ハチマキ選手にスカッと勝ったら、スアレックとの再戦をアピールしちゃおうかな」

――ハチマキ戦は今年最後の試合だと思いますが、来年のプランは考えていますか?

「スアレックがKNOCK OUTのチャンピオンになり、やはり気になる相手。ライト級でやり残したことといえばスアレックへのリベンジしかないので、それを果たしてから上の階級のベルトを狙うのもありだなと。僕が代表を務めているteam AKATSUKIとしては、安達浩平にはREDルール 53.5㎏級王座決定リーグ戦で優勝してもらってチャンピオンになってもらいます。濱田巧も上位に位置しているのでベルトを獲りに行かせます。若い子も試合に出られるぐらいにまで成長しているのでチーム全体で盛り上がっていきたいですね」

良太郎(池袋BLUE DOG GYM) Ryotaro
REBELS-REDライト級王者
1988.12.21生/千葉県柏市出身/31歳/178cm/オーソドックス/29戦11勝(4KO)13敗5分

取材 安村発

大会概要・対戦カード

全9カード、明日計量!出場選手インタビュー!11月8日(日)「REBELS.67」後楽園ホール大会!