[ファイトクラブ]『DEAD OR ALIVE 2020』明暗分かれたトーナメント。されどRISEはTEPPENを軸に廻る…

[週刊ファイト10月22日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼『DEAD OR ALIVE 2020』明暗分かれたトーナメント。されどRISEはTEPPENを軸に廻る…
 Photo & Text by こもとめいこ♂
・もう止まらないRISE、6時間弱のロングラン興行で本格再始動
・神童・王子トーナメント敗戦で洩らした言葉
・混沌の『QUEEN of QUEENS 2020』ダークホース女蹴さそり急浮上!
・寺山日葵TEPPEN判定発言の衝撃も、意外な火消し役!

 まさに止まらないRISE、6時間弱のロングラン興行となった10・11横浜大会からようやく帰宅して一息吐くと既に0時を過ぎていた。

 速報を書いて一夜明けると、筒美京平さんが7日に亡くなっていたというニュースが流れてきた。80歳は昔で言えば大往生、といったお歳だが、以前から自宅で療養なさっていて、誤嚥性肺炎でお亡くなりになった由。
 義父も亡くなる1年ちょっと寝たきりで過ごし、誤嚥を防ぐためと、食べ物は全て小さく刻んだものを、寒天か何かゼリー状にとろみを付けた物を口にしていた。
 食事どころか、お茶までとろみのついた物で、試しに残した物を食べてみたが、およそ病気でもなければ口にはしたくない、何とも言えない味だった、

 筒美京平さんと言えば、中学生ですっかり中二病をこじらせて、おたくなアニソン以外の音楽から耳を塞いでいた私でさえ知っている名曲のフレーズがいくつも浮かんでくる大作曲家である。
 その中二病の最中に、学校の授業の一環で、市民会館で洋楽のコンサートを聴き、その時にMCを務めていた演者が、
「日本のヒットチャートは洋楽のフレーズから頂いてきた曲が多い」
といった様な事を嘆きつつ、演奏してくれた。
 それが誰か具体的に名前はあげなかったが、恐らく筒美京平さんの事も含む批評で、中二病のおたくだから当然そんな事を言われれば、
「やっぱりアイドルソングとかポップスとかは聴くに値しないのだ」
などと思ったりしたものである。
 しかし筒美京平さんと言えばお馴染み『サザエさん』に始まって、旧『怪物くん』、さらには1980年代ロボットアニメ黄金期の『重戦機エルガイム』の前後期のOP、ED、『機甲戦記ドラグナー』OP『夢色チェイサー』を手がけている。

『エルガイム』は正直、内容的に語るべきものがあまり無いアニメだと思うが、永野護という作家を世に出した功績と、OP、EDの楽曲だけでも製作された意義はあった。アニソンしばりのカラオケでみんな盛り上がれる名曲は、永遠に歌い継がれるだろう。

 また。声優アーティストのハシリでもあった飯島真理に83年『スプーンおばさん』OP『夢色のスプーン』ED『リンゴの森の子猫たち』を提供。そして近年も竹達彩奈に『デンキ街の本屋さん』OP『齧りかけの林檎』他を提供しているし、2019年のアルバム『ネヴァーランド/Voice Actor X 売野雅勇』でホリプロ所属声優の田所あずさが唄った『あなたの淋しさは、愛』が遺作となった。
 

 そして『サザエさん』EDにも洋楽のフレーズが引用されていて、現代はそういった引用は即「パクリ」として検証、糾弾される時代でもあり、あるいは筒美京平さんがこれから作曲家になろうという年齢だったら、数々の名曲は世に出なかったかも知れない。

 
 筒美京平さんに続いて、翌13日には『気まぐれオレンジロード』原作者のまつもと泉先生の訃報も公表された。
『気まぐれオレンジロード』と言えば、『少年ジャンプ』に対し斜に構えた中二病の青年だった私でも、中原めいこの名曲『鏡の中のアクトレス』と共に思い出される、少年漫画におけるラブコメのエポックメーキングだった。 
 中でも主人公(漫画の文法としてはヒロインだが)「鮎川まどか」は大人気で、当時は珍しかったガレージキットも様々なメーカーから発売されていた。
 たまたまその完成品を掲載していた模型雑誌を見た集英社の偉い人が、ちゃんと許諾を得た製品である事を知らず、版元にクレームの電話を入れてしまい、逆ギレしてガレージキットメーカーへの版権許諾を一斉にストップするという事件が起こり、一時期『鮎川まどか』のガレキが市場から姿を消した。これは恐らくまつもと泉先生の預かり知らぬところであった事件だったと思う。また1989年に劇場公開された『気まぐれオレンジロード あの日にかえりたい』においても、原作者でありながら製作決定を知らされていなかったまつもと泉先生がアフレコの台本を読んで、非常にお怒りだったという事実を、望月智充監督が最近明かしている。どちらも現在ではおよそ考えられない蛮行だ。
 
 いずれも昭和という時代のメディアの大らかさ、あるいは野蛮さを物語るエピソードではある。
 そういった事も含め、昭和がまた一つ終わったのだ。

■ 『Cygames presents RISE DEAD OR ALIVE 2020 YOKOHAMA』
日時:10月11日(日) 開始15:00
会場:横浜・ぴあアリーナMM
観衆:未発表

<メインイベント(第13試合) RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント決勝戦 3分3R延長2R>
[第5試合勝者]
●直 樹(BRING IT ONパラエストラAKK/RISE WORLD SERIES 2020 -63kg出場決定トーナメント優勝、ライト級2位)
 1R 2分54秒 KO
○原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/第6代RISEライト級王者)
[第6試合勝者]


<セミファイナル(第12試合) SuperFight! -70kg契約 3分3R延長1R>
○“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館/第2代RISEウェルター級王者)
 3R 0分55秒 KO
●宮城寛克(赤雲会/TENKAICHIウェルター級王者、TENKAICHIミドル級王者)

<第11試合 ミドル級(-70kg)3分3R延長1R>
○海 人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者、SB日本スーパーライト級王者)
 判定 2-0
●緑川 創(RIKIX/同級2位、WKBA世界スーパーウェルター王者、第8代新日本キックボクシング協会ウェルター級王者)

<第10試合 RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020一回戦④ 3分3R延長1R>
●erika♡(SHINE沖縄)
 本戦判定 0-1 延長判定0-3
○寺山日葵(TEAM TEPPEN/初代RISE QUEENミニフライ級王者)


<第9試合 RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020一回戦③ 3分3R延長1R>
●平岡 琴(TRY HARD GYM)
 判定0-3
○sasori(テツジム/PRIMA GOLD/NJKFミネルヴァ日本ライトフライ級王者)



<第8試合 RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020一回戦② 3分3R延長1R>
○百 花(魁塾/NJKFミネルヴァ日本アトム級王者)
 本戦判定 1-1 延長判定 2-1
●大倉 萌(大道塾吉祥寺支部/2017年北斗旗全日本空道体力別選手権大会 女子-215クラス優勝)




<第7試合 RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020一回戦① 3分3R延長1R>
●Ayaka(健心塾/NJKFミネルヴァ日本ピン級王者)
 判定 0-3
○紅 絹(NEXT LEVEL渋谷/初代RISE QUEENアトム級王者)




<第6試合 RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント準決勝② 3分3R延長1R>
○原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/第6代RISEライト級王者)
 判定 3-0
●西岡蓮太(龍生塾/SB日本ライト級王者、KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1 無法島GRAND PRIX王者)




<第5試合 RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント準決勝① 3分3R延長1R>
●白鳥大珠(TEAM TEPPEN/RISE WORLD SERIES 2019 -61kgトーナメント王者)
 1R 1分30秒 TKO ※ドクターストップ
○直 樹(BRING IT ONパラエストラAKK/RISE WORLD SERIES 2020 -63kg出場決定トーナメント優勝、ライト級2位)




<第4試合 RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント リザーブマッチ 3分3R延長1R>
○秀 樹(新宿レフティージム/K-1 REVOLUTION FINAL-65㎏級世界王者、ライト級1位)
 判定 3-0
●北井智大(チームドラゴン/ライト級3位)




<第3試合 RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020リザーブマッチ 3分3R延長1R>
○宮崎小雪(TRY HARD GYM)
 判定 3-0
●小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝)


<第2試合 スーパーフライ級(-53kg)3分3R延長1R>
●鳩〔あつむ〕(TSK JAPAN/MuayThaiOpenスーパーバンタム級王者、WMC日本バンタム級王者)
 判定 0-3
○松谷 桐(VALLELY KICKBOXING TEAM/NJKFフライ級王者、同級5位)


<第1試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R>
○水落洋祐(エイワスポーツジム/元WPMF世界ライト級暫定王者、元WBCムエタイ日本統一ライト級王者)
 判定3-0
●松本芳道(KICK-DIET吉野町/元新日本キックボクシング協会ライト級王者)

<オープニングファイト.2 ライト級(-63kg)3分3R>
〇KENTA(HAYATO GYM/同級9位)
 判定 3-0
●達 晃(リアルディール)

<オープニングファイト.1 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R>
●松山和弘(トイカツ道場)
 3R 1分59秒 KO
〇奥平将太(平井道場/Bigbangアマチュア6階級王者、元NJKF EXPLOSION-50kg級王者)

 第4試合に向けてリングが消毒されている時、背後で聞き慣れた声がした。
ー神童だー
 振り替えるまでも無く、那須川天心がABEMAのゲスト解説席に座っているのが解った。

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