UFCファイトナイト・ラスベガス11:コビントンがウッドリーに圧勝


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 日本時間9月20日(日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにてUFCファイトナイト・ラスベガス11が開催され、メインイベントでウェルター級のコルビー・コビントンとタイロン・ウッドリーが対戦した。試合はコビントンが終始コントロールしており、ウッドリーは防戦一方となっていたが、最終ラウンドにコビントンの首をとって逆転を狙いにいく。しかしながら、攻撃のさなかに突如大声で叫んだウッドリーはどこかを痛めた様子で、コビントンは次なる攻撃に打って出ようとしていたものの、レフェリーが間に入って試合を止めた。結果はコビントンのTKO勝利となり、ウッドリーはカマル・ウスマンに王座を奪われて以降3連敗、一度も白星がない状態が続いている。セミメインイベントで実現したドナルド・セラーニとニコ・プライスのウェルター級マッチは、開始早々にプライスがセラーニを追い詰めるシーンが見られたものの、盛り返したセラーニの猛攻もあり、勝負の行方はジャッジに委ねられた。

1人のジャッジはセラーニの勝利と判断するも、他の2人がドロー裁定だったため、結果はマジョリティドローで引き分けだった。

■ UFCファイトナイト・ラスベガス11:コビントン vs. ウッドリー
日時:現地時間2020年9月19日(土)、日本時間20日(日)
会場:UFC APEX(アメリカ・ネバダ州ラスベガス)

【メインイベント】
<ウェルター級マッチ 5分5ラウンド>
○コルビー・コビントン
 5ラウンド(1分19秒)TKO
●タイロン・ウッドリー

コルビー・コビントン
「この試合はファーストレスポンダー(*)と、すべての軍人に捧げたい。彼らなしではこの世界の安全はない。“マーティ・フェイク・ニュースマン(**)”に“ストリート・ジューダス(***)”よ、まだ仕事は終わっちゃいないぜ。逃げ場はねぇぞ。かくれんぼもなしだ。覚悟してろ。次はお前だ」

(訳注)
*:救急隊・消防隊・警察など有事の際に第一線で対応する人々
**:カマル・ウスマンのこと。コビントンがつけたあだ名。
***:ホルヘ・マスヴィダルのこと。コビントンがつけたあだ名。

【セミメインイベント】
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
△ドナルド・セラーニ
 判定1-0(28-28、28-28、29-27)
△ニコ・プライス

(両者ともコメントできる状態にないためコメントなし)

【メインカード】
<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
○ハムザト・チマエフ
 1ラウンド(0分17秒)KO
●ジェラルド・マーシャート

ハムザト・チマエフ
「クレイジーだったよ。人が寄ってきて写真を撮るんだ。でもジムで練習を頑張っていたからな。いつも通りさ。今はジムの近くに住んでいるから、家からジムまで往復している。街に出ると、いろんな人が俺に話しかけてくるんだ。このスポーツに尊敬の念を持っている人たちが大好きだよ。勝利して、こんなふうに戦っていれば、みんなに愛される。このまま行き続けて相手をたたきのめさないといけない。試合前にプレッシャーを感じることはない。自分の人生でずっとやってきたことさ。今はプロのファイターだ。第1ラウンドでフィニッシュする準備はできていたけれど、もし第1ラウンドでフィニッシュできなかったら、相手を疲れさせて、第2ラウンドに絞め技で決めるつもりだった。誰とでも準備はできている」

<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ジョニー・ウォーカー
 1ラウンド(2分43秒)KO
●ライアン・スパン

ジョニー・ウォーカー
「あっという間に終わってしまった。この階級は厳しい。試合を変えるような何かが起きる。誰にでも勝つチャンスはある。だからタフな奴が勝つ。それが起きたんだ。復帰できて良かった。2敗からの復帰だけれど、自分の可能性は分かっている。自分に何ができるか分かっている。この結果には満足しているけど、相手に強く殴られてしまったので、あまりハッピーではないよ。次は打たれないようにしたい。一刻も早く戦いたい。どんなファイターとも代わってやるぞ。あと数カ月はラスベガスにいるつもりだ。どんな試合でも代役が必要なら、俺はここにいる。今はアイルランドでトレーニングをしていて、そこにいると落ち着くんだ。ガールフレンドもアイルランド出身だ。彼女と一緒に暮らしたい。一貫性を求めているから、どこかにとどまっていたいんだ。自分がもっとうまくなれるよう、コーチたちに時間を与えたい。ある日、とあるコーチがそれを知って、俺がまたジムを変える。そういうのは良くない」

<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○マッケンジー・ダーン
 1ラウンド(3分44秒)サブミッション(アームバー)
●ランダ・マルコス

マッケンジー・ダーン
「柔術は上達させるのが最も難しい部分だと思うけれど、打撃では改善が見られる。柔術に参戦し、MMAをやっていたときは、トップレベルの黒帯保持者と戦っていたので、自分の柔術は最高のレベルだと思っていた。今は柔術のトーナメントに積極的に参加していないから、柔術を進化させ続けるのは難しいわ。危険な手を持っているからこそ、私のサブミッションはクリーンなものになっていると思う。私のスタンドアップを考えると、サブミッションは簡単にできる。3歳の時に柔術を始めたので、女の子が同じ(レベル)になるにはたくさんの柔術をしなければならないわ。グラウンドにいた時は、ほとんど柔術の大会に出ているような感じ。試合全体で5発か6発のパンチを打ち込んだかしら。ホームでの試合だったから、確かに楽だった。スタンドアップは常に危険と隣り合わせ。母親になったことで、より集中力が高まり、ファイターとしての自分のあり方が変わった。今ほど集中したことはないわ。それをみんなに見てもらって、私がどれだけ真剣に取り組んでいるかを知ってもらいたい。減量は今まで以上に良くなったし、より強くなったと感じている。これまで以上にアグレッシブになった気がする。自分のためだけにお金を払っているのではなく、面倒をみる娘がいる。娘にプロとしての姿を見せないといけないの。これまでは闘うことがすべての生活をしていた女の子のようだったけど、今は母であり妻でもある。娘に最高の人生を与えて、できるだけ最高のロールモデルになろうとしているの」

<ミドル級マッチ 5分3ラウンド
○ケビン・ホランド
 判定2-1(28-29、29-28、29-28)
●ダレン・スチュワート

ケビン・ホランド
「ここ数週間はすべてが素晴らしかった。文句は言えない。不満といえば、フィニッシュできなかったことだ。ここに来てタフなファイトをしたスチュワートに脱帽だよ。お互い懸命に打撃をしていたんだけれど、俺の顔はタフだし彼の顔もタフだ。俺たちの拳は顔ほどタフじゃないから、どうなるのかそのまま続けた。彼は最後に肘を使い始めて、俺を切り開いた。相手がそうしなければ、すぐにリターンマッチができたかもしれない。家に帰って練習する時間を与えてくれてありがとう。自分は他の選手とは違う。判定勝ちを受けて“やったぞ!”って思う奴が多い。家族のためには何とかやっているだけでは満足とは言えない。家にいる子供たちも同じだよ。もし、かろうじて逃れると思うならば、年末に成績を上げた方がいい」