『立川格闘技フェスタ2020~復興~』100年に一度の大不況勝者は満員盛況のキングダムエルガイツ

 21日、『立川格闘技フェスタ2020~復興~』の3日目にしてメインとなる大会が行われ、アマチュアのカードから内田ノボルと瀧川翎の初代打撃王決定戦までバラエティに富んだまさしく町おこしを兼ねた祭典が行われ、満員の大盛況だった。つまらなければガンガン辛口評を出す本誌ではあるが、記者の想定以上にはるかに面白い興行だったというのが正直なところ。なにしろ立川駅北口を降りると、大通りに目に入る「いきなりステーキ」には大会ポスターが貼ってある。ひっそりと行われる興行ばかりのなか、協賛企業の多さでもコロナ禍の情勢におけるひとつの理想かも知れない。

■ 立川格闘技フェスタ2020―日本復興―
 イリエマン祭りーHENZIN-
日時:9月21日 試合開始14:00

<アントニオ猪木“燃える闘魂”最後の最後の伝承者登場
 エルガイツルールレベル3ノ―タイムタイムリミット(ヒジ・頭突き有り)>
●ニセ大仁田IN50年に一度の大不況!!  
 58秒 TKO
○木村プロ(wpy/不況バスターズ)

 試合は木村プロが鬼も顔面にヒジをぶち込んで秒殺。チェアは鬼が持ち込んだんだが、終了後もアントニオ猪木ism最後の継承者が暴走して叩いていた。

<新井丈の殴られ蹴られ屋だジョー>
 プロ修斗に参戦中、そして第2代ナックルファイトバンタム級王者新井丈が、“殴られ蹴られ屋”に挑む!!挑戦者は3名+1ゆるキャラ
新井丈の殴られ蹴られ屋だジョー
vs.
挑戦者
三条ルキ(キングダム立川コロッセオ)
Reina&Minami<デンジャラスクイーンズ>(キングダム2020ラウンドガール)
ゆるキャラ!イリエマン(立川市非公認ゆるキャラ)

        
<大手人材派遣会社ヒューマンヴォイスの副社長佐藤忍さんと社員さん登場>

 今回の裏方の立役者、人材派遣会社ヒューマンヴォイスが、日の丸交通さんの紹介やいきなりステーキ協賛の経緯を披露。また、「任天堂wii-Fit監修松井薫3分テレワークフィットネス&キングダム入江代表護身術講座」として、格闘技フィットネス全国キングダムネットワークジムの監修も務める、日本屈指のパーソナルトレーナー、松井薫氏考案の簡単だけど効果抜群のエクササイズを公開。更に大手交通会社日の丸交通でも女子タクシードライバー相手に披露したキングダム入江代表の教える初級護身術も紹介された。

1000円自販機トレジャーボックスプレゼント
<キングダムキッズMMA特別ルール2分×2R(顔面あり)>
○GNK(キングダムATOM立川コロッセオ)
 2R 27秒 TKO
●伊藤麗時(キングダムATOM府中)

 キッズクラスと見過ごすことなかれ。親御さんの興奮の声援臨場感もあり、両者ハイレベルな超ガチの闘いが非常に面白かったのだ。

<エルガイツ特別ルールバンタム級3×2R>
●白策“バンダナ”洋二(日の丸交通/キングダム立川コロッセオ)
 2分8秒 KO
○杉山大規(キングダム聖蹟桜ヶ丘)

 会場からは「日の丸~!」の声援が飛ぶ。競技に支障がないならとバンダナ着用が認められた、“夢追人”白策洋二だったが、初陣を飾ることは出来なかった。

<立川格闘技列伝―剣豪―七十計2回>
●佐伯“ダ―レン”繁(キングダム立川コロッセオ)
 判定 19-20
○金子圭太(キングダム聖蹟桜ヶ丘)
 長身同士の対決は見ごたえ十分。青グローブの金子圭太が有効打を当てて勝利。

<UWFルールスペシャルマッチ3分×2R>
パンクラス 対 バトラ―ツ
△冨宅飛駆(パンクラスMission)
 ロストポイント 0-0
△KEITA in THE House(プロレスリングワラビー/元バトラ―ツ)

 久方ぶりに本格的なUWFプロレス回転体の妙技が『立川格闘技フェスタ2020~復興~』で堪能できるとは! あまりに凄かったので本誌は終了後に冨宅飛駆インタビューを実施。この試合は別項にて拡大版で詳細します。UWF伝承は間違いなくキングダムエルガイツの真髄なのであった。

<いきなり!肉食女子ナンバー1決定戦 女子キックミット蹴り蹴り選手権>
特別審査員 藤原敏男 元ラジャダムナン・スタジアムライト級王者

 出場選手 AYAKA SAYAKA 夕夏 MEG(立川女子格闘技伝説T-REX)

 優勝は金髪に染めた夕夏さん。いきなり!ステーキ全店で使える肉マネーカードが送られた。 

<未曾有ノ大不況軍 対 不況バスタ―ズ中堅戦>
       大プロレスリング
立川市内ストリート場外乱闘有り時間無制限1本勝負
△大怪人100年に一度の大不況!
 6分28秒 両者リングアウト
△サバイバル飛田(埼玉プロレス/不況バスターズ)

 ジョーカーの持ち込んだ熊の手でサバイバル飛田はいきなり流血。闘いはコロッセオの外に出て続き立川市民は恐怖に・・・。「警察には通報しないで下さい!」~記録上は両者リングアウトなのだが・・・。

 裁定に納得しない飛田は、金網に戻ってからもジョーカーを成敗! お約束で「ダァ~」をやったら勢い余って天井をブチ破り穴をあけてしまうオマケ付き。滅茶滅茶面白かった。大会MVPはサバイバル飛田かもしれない。

■ 立川格闘技フェスタ2020―日本復興―
 イリエマン祭りーCYOJIN-超人ー
日時:9月21日 試合開始16:00

<立川格闘技列伝―剣豪―七十計二回>
○渡辺博樹(キングダム聖蹟桜ヶ丘) 
 2R 1分7秒 タオル投入
●縦ラ田先生(翔拳道)

<立川格闘技列伝―剣豪―六十二計二回>
○古屋真介(キングダムKICKS立川コロッセオ)
 2R 1分46秒
●伊澤佑太(橋本PREBO)

<ナックルファイト58キロ以下契約2分×2R> 
△AIK(キングダム/宇野兄弟/中学2年)
 ドロー
△中島竜風(橋本PREBO/中学3年)

<ブラジリアン柔術ルール無差別級5分×1R>
●川口大貴(稲妻柔術アカデミー立川)
 4分57秒 アームロック
○佐藤竜馬(ヒューマンヴォイス/ヒクソンGカップ3位)

<キングダム対KROSS×OVER3対3対抗戦 先鋒戦>
立川格闘技列伝―剣豪―六二計2回
△松本将輝(キングダム立川コロッセオ)
 判定 ドロー
△平田息吹(リバーサルジム久喜WINGS/KROSS×OVER)

<エルガイツ特別ルールバンタム級契約3分×2R>
●村上 誠(キングダム立川コロッセオ)
 13秒 KO
○小崎 連(リバーサルジム久喜WINGS/KROSS×OVER)

<キングダム対KROSS×OVER3対3対抗戦 大将戦>
ナックルファイト68kg契約3分×2ラウンド延長1R
●佐藤“健(キングダム立川コロッセオ)
 判定 0-3
○スパルタンX(フリー/KROSS×OVER)

              

■ 立川格闘技フェスタ2020―日本復興―
 イリエマン祭りーFUZINー風神ー
日時:9月21日 試合開始18:00

<異種格闘技戦 ブラジリアン柔術対レスリング>
グラップリングバウト無差別級5分×1R
●中山勝巳(ミューズ柔術/ブラジリアン柔術)
 判定0-2
○松井“軍曹”良樹(キングダム聖蹟桜ヶ丘/柔道2段)

<タイヤファイト80キロ以下級東京関西統一タイトルマッチ 3分1R>
○中川達彦(キングダム府中/TF80以下トーナメント準優勝)
 1分46秒 3TKO 
●武士正(Fighting TeamaA-TOYS)

 ミナミの格闘オヤジ武士正と、キングダムネットワークの支部、キングダム府中に移籍したばかりのタイヤファイト80キロ以下級2位の中川達彦が対戦。戦いを研究してきた武士正が先のタイヤアウト(タイヤから足が出る)を2本先取され中川がピンチとなったが、ムエタイ流の相手にヒザを押しつけてのテクニックに切り替え逆に3連続のタイヤアウトを奪い逆転勝ちした。
 中川は「武士正選手のセコンド陣が右に回れと指示を出していて、それに対してムエタイの首相撲の応用で膝で転かす練習をしていたから」だと振り返る。

<タイヤファイト(非公認)無差別級タイトルマッチマッチ 3分1R>
●ムービー・スター(宝塾/初代TF80キロ全国統一王者/非公認王者)
 2分45秒 KO
○white rice(非公認挑戦者)

 注目のタイヤファイトはアマチャア戦で殴られても痛くない特殊グローブがお披露目され、激しい乱打戦が繰り広げられて大きな盛り上がりを見せた。アマチャアタイヤファイトは今後も安全なスポーツとしての側面を強化し競技としての底辺拡大をテーマとしていく方針だ。タイヤファイトのプロ部門はそれとは真逆で激しい攻防となり、元80キロ級タイヤファイト王者ムービースターは減量苦から今回は階級を上げて登場。対するはWhiteRiceはイリエマンの打撃のスパーリングパートナ―だ。試合はムービーの有利が予想されたが、WhiteRiceの圧力に先制を許す。なんとかタイヤアウトを一本取り戻すが、激しい攻防の中最後のタイヤアウトを奪取したWhiteRiceが殊勲の勝利を勝ち取った。終わってみればプロ興業はすべてキングダム勢の勝利となり、本イベントに賭ける団体の思いが滲み出た格好となった。

<加藤惇引退ロードその壱>
ナックルファイトスーパーエキシビジョン3分×2R
杉田拓也(初代NFバンタム級王者)
 エキシビジョン
加藤惇(キングダムエルガイツ/第三代ZSTフェザー級王者)

<メインイベント 初代打撃王決定戦3分×3R>
1R ナックルファイトルール3分 
2R 剣豪<キックボクシング>ルール3分
3R エルガイツ<MMA>特別ルール
○内田ノボル(翔拳道/新日本キックヘビー級王者)
 2R 0分27秒 KO
●瀧川翎(RKS 顕修塾/k-1ジャパントーナメント3位)

 有料配信ぴあライブストリームのカメラクルーも入った元K-1ヘビー級ファイター同士のド派手な打撃戦が注目のメイン、内田ノボル対瀧川翎のカードは立ち上がりから内田が猛攻を仕掛ける。パンチのみのナックルファイトの1ラウンド終了間際に内田が強烈な連打で瀧川からダウンを奪う。これをなんとか立ち上がり次のラウンドに繋げた瀧川だったが、2Rのキックボクシングの攻防になっても内田の勢いは止まらず、声を張り上げながらケージ際に瀧川を追い詰め猛攻。なんとか耐えて、得意のグランドの攻防ありの3RMMA戦まで持ちこたえたい瀧川だったが、パンチ連打を浴びて再びダウン、ここで力尽きた。
 試合後マイクを持った内田は「いろいろあるでしょうが、選手は戦うのが仕事。大変な中ではあるがこうやって場を与えてくれる(入江)代表はありがたい」と感謝の言葉を述べた。

全大会終了後 ダークマッチ
<未曾有ノ大不況軍 対 不況バスタ―ズ戦大将戦>
DEEPヘビー級タイトルマッチ(佐伯繁非公認)
世界一過激なルール(ヒジ・頭突き・金的有り)エルガイツルールレベル4ワンタイムリミット

○超人イリエマン(キングダムエルガイツ/DEEPヘビー級nonofficial王者)
 18秒 KO
●安藤深夜(大不況マネージャー)

 この試合は試合時間わずか1分で行われ、KOか1本以外で試合終了の場合、いかなる場合もイリエマンの負けとなる特別ルールで行われた。試合には元DEEPコミッショナー、COMBOの荒川紘光GMが立会人を務めた。
 続くダークマッチはその入江代表、超人イリエマンが入場。三人の勇者で結成された【不況バスターズ】。イリエマンがMMA戦、サバイバル飛田がプロレス、木村プロがリアルデスマッチとそれぞれの担当となり“未曾有ノ大不況軍”との3対3の試練の対抗戦に望んだ最終マッチとなった。
 イリエマンと安藤は2007年のclub DEEP新宿FACE大会で対峙。その当時入江秀忠だったイリエマンは、1R 3分52秒腕ひしぎ十字固めで安藤に勝利している。今回、敢えて荒行を敢行するというイリエマンの試合は1分以上安藤相手にKO、または1本決着が出来なかった場合は負けとなる特別ルールである。なお、この試合はDEEPヘビー級タイトルマッチ防衛戦(佐伯繁非公認)おこなわれた。非公認とはいえ、入江がDEEPでタイトルを獲得した当時のDEEPコミッショナー、荒川紘光氏が認定宣言をおこない、イベントのサブタイトルでもある日本復興の意味合いで掲げられた国旗の前で国歌斉唱されるなど本格的な体裁に。
 試合はゴング開始早々、カカト落としが安藤に直撃。グラついた安藤をイリエマンががぶり倒しそのままマウント奪取。バウンドを纏めて秒殺勝利した。試合後マイクをとったイリエマンは、まずはコロナ渦で必死に日本の医療を支え続ける医療従事者に向けて場内を暗くしてペンライトでメッセージを送り、「本イベントは日本に少しでも元気を届けられたらという思いから立ち上げました。本当にいろいろな方々の協力なくしてできなかったメガイベントです。もう、これからの目標は定まっています。俺は明日からすぐ動きます。俺が日本に元気を与えに行くから、辛いこともきっとあるだろうけど、俺が来るまで生きて待ってろ!」と叫んだ。入江代表の言う新たな目標とは一体なんなのか? 格闘技界で散々異彩を放ってきた。入江の今後の動向に注目だ。


 超人イリエマンの怖い顔が見れただけでも18秒の価値はあった。


 拡大版詳細レポートは金曜25日発売の週刊ファイト10月1日号に収録されました。


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’20年10月01日号新日特集G1開幕 ノアN1 全日CC Leona 河野アンディ 立川格闘技 DEEP