石井慧判定で敗れスチュアート・オースチン新王者!EMC 5+ムラッド・アブデュラエフが新王者!ACA110

(C)EMC

 9月5日(現地時間)にドイツ連邦共和国デュッセルドルフで『EMC 5』が開催された。
 このELITE MMA ChampionshipはドイツのローカルMMA団体だが、今大会ではヘビー級王座決定戦が行われ、なんと日本の柔道金メダリストであり、現在はクロアチアに国籍を移している石井慧とスチュアート・オースチンが対戦する事になり、その他、ボディービルダー、モデルのエルコ・ユンら有名選手を集めてドイツ最大のMMA大会を開催する事となった。そしてメインで行われたヘビー級王座決定戦だが、下馬評は石井がややリードとなっていたが、テイクダウンを狙ってグランドに持ち込みたい石井だが、オースチンは逆に絶対にスタンドで試合をしたいので、必死で耐える。結果、石井がオースチンを金網に押し込むか、それを凌いだオースチンが打撃を入れるという展開が続く。二ラウンドに石井がテイクダウンに成功するも、一本を極めることは出来ず、試合は五ラウンドまでもつれ込む熱戦となった。そして判定は打撃のポイントでオースチン勝利となり新王者に輝いた。オースチンはゲストで招かれていたミルコ・クロコップからベルトを渡され、新王者としてポーズを取った。
 またKSWでMMAデビューした有名ボディービルダー、フィットネスモデルのエルコ・ユンがダミアン・オルシェフスキと対戦した。前戦でKSWの象徴である怪力世界一男マリウス・プジアノフスキーに敗れているユンだが、オルシェフスキは現在三連敗中というのもあり、下馬評では圧倒的にユンが有利だった。しかし、試合は激しい殴り合いとなりオルシェフスキがカウンターでフックを叩き込み、ユンは崩れ落ちるようにダウン。すぐにレフェリーがストップし、下馬評を覆してオルシェフスキがKO勝ちとなった。やはりヘビー級は一発当たればという見本の様な試合だった。

■ EMC 5
日時:2020年9月5日(現地時間)
会場:ドイツ連邦共和国デュッセルドルフ

<ヘビー級王座決定戦>
○スチュアート・オースチン(英国)
 判定 
●石井慧(クロアチア)

<ウェルター級トーナメント準決勝>
○イスマイル・ナウディエフ(オーストリア)
 判定 3-0
●ティモテウス・ロパチェク(ポーランド)

<ヘビー級>
○ダミアン・オルシェフスキ(ポーランド)
 1R TKO
●エルコ・ユン(ボスニア・ヘルツェゴビナ)

<ウェルター級トーナメント準決勝>
○アミラン・ゴゴラゼ(ジョージア)
 1R TKO
●パヴェル・クシュ(ウクライナ)

<ヘビー級>
○カシム・アラス(ドイツ)
 判定 3-0
●サシャ・ミリンコヴィッチ(クロアチア)

<ウェルター級>
○コンラッド・ディルシュカ(ドイツ)
 判定 3-0
●ウォルタル・プリエジ(イタリア)

<女子バンタム級>
○サラ・ルザー・スマジッチ(クロアチア)
 判定 3-0
●ケイリー・フォス(オランダ)

(C)ACA

 9月5日(現地時間)にロシア連邦で『ACA 110』が開催された。
 ACAは、ACBとアフマット・ファイト・ショーが合併したものだ。ACB(アブソリュート・チャンピオンシップ・ベルクート)はロシアの総合格闘技団体。アフマット・ファイト・ショー(ワールド・ファイティング・チャンピオンシップ・アフマット=WFCA)はロシア・東欧で開催するキックとMMAの混合イベントで過去には多くのレジェンド達が参戦していた。この両団体がACA(アブソリュート・チャンピオンシップ・アフマット)として新たにスタートしたのだった。
 今大会のメインはウェルター級王座決定戦でムラッド・アブデュラエフとアリ・バゴフで争われた。現在7連勝、ライト級王者でもあるバゴフが二階級制覇を狙っており、下馬評でも圧倒的にバゴフとなっている。しかし試合はバゴフがまさかの苦戦。アブデュラエフがグランドで上を奪ってパウンドするなどで試合が進んだ。そのまま試合は判定となりアブデュラエフが勝利となり下馬評を覆して新王者に輝いた。
 セミファイナルでは、エドゥアルド・ヴァルタニャン対ムハメド・ココフのライト級戦が組まれ、下馬評は当然、ACBライト級王者であったヴァルタニャンが圧倒。試合もヴァルタニャンが2Rにはグランドでバックを制してチョークを極めかけるなど優位に試合を進めるも、ココフもテイクダウンを奪うなど肉薄した内容となった。試合は判定でヴァルタニャン勝利とコールされるも、試合後に主催者がノーコンテストに変更したと報じるメディアもある。ヴァルタニャンは試合後にこれがACA最後の試合となるとコメントしており、今後はUFCに主戦場を移す可能性が高いと言われている。

■ ACA 110
日時:2020年9月5日(現地時間)
会場:ロシア連邦

<ウェルター級王座決定戦>
○ムラッド・アブデュラエフ(ロシア)
 判定 3-0
●アリ・バゴフ(ロシア)

<ライト級>
○エドゥアルド・ヴァルタニャン(ロシア)
 判定 3-0
●ムハメド・ココフ(ロシア)

<フェザー級>
○ラマザン・キシェフ(ロシア)
 1R 4分31秒 TKO
●クルバン・タイオギボフ(ロシア)

<フェザー級>
○アシュカ・ズラエフ(ロシア)
 3R 0分22秒 TKO
●オラベク・テシュボエフ(キルギス)

<ライトヘビー級>
○イリャ・シェグロフ(ロシア)
 判定 3-0
●アドラン・イブラヒモフ(ロシア)

<ライト級>
○ダウド・シャイハエフ(ロシア)
 2R TKO
●エルラン・ウルクベコフ(キルギス)

<ヘビー級>
○エルカン・ムエサフ(ロシア)
 判定 3-0
●アダム・ボガティロフ(ロシア)

<フライ級>
○ムラッド・マゴメドフ(ロシア)
 判定 3-0
●ゴガ・シャマタワ(ロシア)

<ライト級>
○サンベル・バルダニアン(ウクライナ)
 2R 2分25秒 サブミッション
●カムザット・アウシェフ(ロシア)

<ミドル級>
○アムザット・ベコエフ(ロシア)
 1R TKO
●アラズ・マメドフ(ロシア)

<バンタム級>
○パヴェル・ヴィトリャク(ウクライナ)
 判定 3-0
●ヴァレリ・カジロコフ(ロシア)

<フェザー級>
○マコチ・サギトフ(ロシア)
 判定 2-1
●ロマン・ポドロギン(ロシア)