[週刊ファイト8月13日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼井上譲二の『週刊ファイト』メモリアル第77回
面倒見が良過ぎた昭和のタニマチ。レスラーの下半身の世話まで・・・
・準強姦レベルの過ちを犯したレスラーが何人もいた
・日本とアメリカの文化の違い(?)に驚きを隠せなかった米プロレス記者
・私の顔で朝まで付き合わせますから
・一般誌に対し警戒心が薄いのはそのためだろう
昭和時代、「オフ中より巡業しているときの方が楽しい」と言うレスラーは多かった。全国各地でいろんな物を食べられたり、友人や知人に会えることもあったが、選手によっては奥さん、彼女の目が光っていない所で羽根を伸ばすことを何より楽しみにしていた。とりわけ、タニマチの多い選手ほど下半身面でも“いい思い”をしている。
ジョージ・ナポリターノ氏
4年ほど前、人気上昇中の若手俳優が地方のビジネスホテルの自室で女性従業員を強姦し逮捕されるという前代未聞の事件が発生。そのとき、誰もが「彼ならセックスの相手をしてもらえる女性は何人もいるはずなのに、なぜ、そういうリスクを冒してしまったのか?」という疑問を抱いた。
だが、彼は警察の取り調べでこう供述している。「性欲があまりにも強過ぎて抑え切れなかった」と。
焼き直しのネタになるが、プロレス界でも同様の動機で強姦事件を起こしたレスラーがいる。71年秋に開催された日本プロレスの『第2回NWAタッグ・リーグ戦』に2年連続で参加したカウボーイ・フランキー・レインだ。
レインは巡業先の鳥取市で朝方に新聞配達の中年女性を強姦した罪で逮捕→強制送還となっているが、日プロ関係者によると、超イケメンのレインには女性の方から近寄っていたという。それにしても、2人とも有望株だっただけに、1日か2日、欲望を抑え合意できる女性を探すという考えに至らなかったのか? 日本マット追放、俳優廃業という代償は2人の人生にとってあまりにも大きかった。
ただ、F・レイン以外にも準強姦レベルの過ちを犯したレスラーが何人かいた。刑事告訴される前に団体が金で示談成立にこぎ着けただけである。
有難いことに昔のプロレス界や角界には女性関係のスキャンダルを心配して下半身の世話まで焼く後援者が存在した。
82年、新日プロの招待で来日した米プロレス・ジャーナリストのジョージ・ナポリターノ氏は、キラー・カーンのタチマチから共に夕食の招待を受けた。
で、さんざん飲み食いした後、「サンキュー」と言って席を立とうとしたところ、そのタニマチが「ぜひ二次会にも付き合って下さい」。ナポリターノ氏はナイトクラブで飲み直すと思ったが、行き先はソープランド。彼もこの手の遊びは大好きな方なので「ゴッチャン!」となったが、日本とアメリカの文化の違い(?)に驚きを隠せなかった。
新日プロのタニマチの中では大阪在住のTさんの接待も豪快だった。
もともとTさんは星野勘太郎氏のマージャン仲間だったが、後に坂口征二氏や木村健吾氏とも親しくなり、大阪大会終了後に3人を接待するようになった。