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2日目の『グレート・アメリカン・バッシュ』は、ちょうどフロリダ州の一日の感染者が7300人を数え、死者が63人という非常事態のニュースが駆け巡る情勢の中で始まった。現地ではニュース番組の方にチャンネルを切り替えた方もいただろう。これで全米の感染者は300万人という異常な数字に膨れ上がり、死者数は130,000人以上という、世界大戦の戦没者数を上回る史上最悪の社会情勢渦中である。東京はK点予想値の通りピークの224人を記録、10日金曜は午前中の時点で240人以上とのことだが、あまりにも桁が違うのだ。いや、専門媒体はプロレス評だけやってればいいわけではない。視聴者数への影響のみならず、マッチメイクにも確実に反映されるのが世の常だからだ。
開始はキャンディス・レラエとミア・イムの遺恨戦から。ブラスナックルの使用もOKのストリート・ファイト形式に。女子でもこういう凶器が飛び交う試合でも魅せますということで掴みはバッチリか。但し、ヒールが持ち出した凶器をベビーフェイスが使うなど、ロジックが合わない箇所も少なくなく、激しくやりあった以上そこまで気づかないのが普通なのだろうが・・・。最後は小悪魔キャンディスがトップロープ上のテーブルから、ネックブリーカーでミアを山積みチェアの上に落とした。
ブロンソン・リードがフロッグ・スプラッシュでトニー・ニースをフォールする試合は、ニースの職人ぶりがあってこそのカードだ。
ロバート・ストーンの次の勧誘相手は緑髪のショッツィ・ブラックハートである。しかしミニ戦車に足を轢かれるスキットに。笑えるから程よいアクセントになっていた。今回も前半に多くのCMを集中させて、最後のメインはノーカットという番組編成なのだ。
ジョニー・ガルガノも出てきます。今宵はアイゼア”Swerve”スコットと技巧派対決。スリングショットDDTを決めていた。
ここで来週予告として、紫雷イオとティーガン・ノックスの紹介ビデオが流れた。両者ともに経歴がよく似ていると語る。英国ウェールズから日本を経由してアメリカに来た元ニクソン・ニューウェルは、ディズニーとBABYMETAL好きのベビーフェイスである。日本から世界最高峰女子部門NXTに照準を定めたイオとのスターダム戦再現は必見だろう。
ブリザンゴ(ファンダンゴ&タイラー・ブリーズ)はルチャの覆面での入場。ドレイク・マベリックを加えた6人タッグであり、ファンタズマの息子サントス・エスコバ率いるヒール軍(ヨアキム・ワイルド&ラウル・メンドーサ)と対戦した。
ここはサントス・エスコバがドレイクをファントム・ドライバーで仕留めるのは順当な流れだろう。
このところずっとメルセデス・マルティネスの再紹介映像が流されていたが、よくやくサンタナ・ギャレットをスクワッシュするカードに試合登場。本物のバッドアスという売り方だがどうなっていくのだろうか。一方では、ビンス・マクマホンが気に入らないからと、シェイナ・ベイズラーは番組から消えたままである。全米15冠王者の実績があるラテン系の猛女でありベテランになるが、キャラはかぶっているのだ。
そして北米王者キース・リーと、400日を超える王座保持となったNXT王者アダム・コールのwinner-take-all二冠戦である。AEWの『FYTER FEST』対抗もあれば、週末に控える新日本プロレスの『DOMINION』をも見据えていることは本誌が繰り返し報道してきた。そして公約は果たされたのである。
■ NXT Great American Bash 2
日時:7月8日(現地放送時間)
会場:米フロリダ州オーランド近郊 フルセイル大学スタジオ
◆王者紫雷イオが「やってみろよ!」と挑戦者ティーガンを挑発
NXT女子王者紫雷イオと王座挑戦権を獲得したティーガン・ノックスのスペシャル映像が次週の王座戦を前に「NXT:ザ・グレート・アメリカン・バッシュ」で公開された。ティーガンが「今は次期挑戦者だけど、すぐにNXT女子王者になるわ。私は闘うためにここに来た」と王座奪取に自信を見せると、これが初防衛戦となる“孤高の王者”イオは「私たちはよく似ている。ここにたどり着くために必死に闘ってきた。でもな、お前と私とでは違う所が一つある。お前は一人では何もできない。私が頼るのはこの自分だけだ。そして必要な物はNXTチャンピオンベルトだけだ」と対戦相手と王者となった自身の違いを分析。続けてイオは「ティーガン・ノックスは紫雷イオではない。ここは私のNXT女子ディヴィジョン、私はその頂点にいる。1週間後、お前がコイツを私から奪うのが運命だというのならやってみろよ!」とティーガンを挑発して来たる王座戦へ闘志をむき出しにした。
イオとティーガンのNXT女子王座戦がおこなわれるNXTは日本時間7月17日からWWEネットワークでVOD 配信される。
◆NXT北米王者リーがNXT王者コールを破って史上初の2冠を達成
NXT北米王者キース・リーが「NXT:ザ・グレート・アメリカン・バッシュ」でNXT王者アダム・コールとの勝者総取りダブル王座戦を制して史上初の2冠を達成した。試合序盤、体格に勝るリーが場外で放ったショルダータックルがバリケードに誤爆してピンチとなると、コールはリーを鉄製ステップに叩き付けた上でネックブリーカーを決めて攻め込んだ。
しかし、リーも豪快なスーパープレックスやスピリットボムを決めて流れを変えると、その巨体から繰り出すムーンサルトプレスを放ったが、コールもスーパーキック連打から必殺のラスト・ショットをリーに決めて手に汗握る大技のシーソー戦を展開。終盤ではコールがパナマ・サンライズやスーパーキック3連打でリーを追い詰めるも決定打とはならず、最後はリーが再びパナマ・サンライズを狙ったコールを捕まえると、そのままスピリットボムから必殺のビッグバン・カタストロフィーを叩き込んで3カウント。
ダブル王座戦を制したリーは史上初となる北米王座&NXT王座の2冠を達成し、祝福の紙吹雪が舞い飛ぶリングで2本の王座ベルトを誇らしく掲げた。
◆平均視聴者数戦争はNXTが3週連続でAEWを上回る
AEWともに録画中継の2日目ということもあれば、フロリダ感染爆発のニュースもあり深読みしても意味がない面もあるが、「水曜TV戦争」は前週より少し数字を下げて平均視聴者数NXTが759,000人、AEWが715,000人となり、デッドヒートではあるがNXTが3週連続で上回ったことになる。
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’20年07月16日号NJC新日DOMINION直前 RIZIN AEW水曜NXT カイリ引退 川上スターダム