6・26ストロングスタイルプロレスで蹴虎爆誕! スーパー・タイガーに44年前の猪木を見た!!

「6月26日は格闘技の日じゃない! 猪木vs.アリの日だ!! 」

 そんな、過激な仕掛け人・新間寿元新日本プロレス取締役営業本部長の怒りが乗り移ったのか、アリキックさながらに蹴りまくった憤怒の超虎。その時野獣が顔色を変えた…

 コロナ渦がもたらした偶然、否、必然で巡ってきたリアルジャパン15年目の6・26。闘いを内包したプロレスの復活を掲げて始まった『ストロングスタイルプロレス』そのvol.6が、金曜の夜に「正統派ストロングスタイルのプロレス」を甦らせた。

 初代タイガーマスク・佐山サトルの「ストロング」な部分の正当な継承者でありながら、それ故にプロレスラーとして苦しむスーパー・タイガーは、そのファイトスタイルに悩んできた。
 また、そんな仮面の苦悩を、アントニオ猪木の遺伝子を継ぐ藤田和之と藤田軍は事ある毎に嘲笑し、あるいは無視してきた。

 そして迎えた今宵、6・26という日付がそうさせたのか。スーパー・タイガーは、序盤から、取り憑かれた様に野獣・藤田和之を蹴りまくった。

 ファインダー越しにもイヤという程伝わってくる殺気に、あの藤田和之が顔色を変え、ロープにもたれてブレークを要求し、和田良覚レフェリーを怒鳴りつけた。
 その姿に、スライディングしての蹴りを数限りなく打ち込んでくる猪木に顔色を変えたモハメド・アリの激昂がダブった。
 それはまた、スーパー・タイガーに44年前の猪木の闘魂が宿っていたからに他ならない。

 だがアリがそうであった様に、野獣・藤田和之が蹴られるがままに居る筈もなく、プロレスの域を超越した殺人ストンピングなどで怒濤の反撃。場外では再三スーパー・タイガーのマスクに手をかけた。

 その闘いに触発されたかの様に、リアルジャパン軍と藤田軍、譲らぬ攻防で20分超の激闘となり、最期はスーパー・タイガーが藤田和之の盟友、NOSAWA論外を完璧な胴絞めチキンウィングフェースロックで極め、和田良覚レフェリーがたまらずゴングを要請した。


 スーパー・タイガーは改めて野獣・藤田和之狩りを宣言、15年目にして初の無観客、実況生中継という大会をしっかり締めくくった。
 
 藤田和之を土俵際で組み留めたスーパー・タイガー、見事王者防衛を果たした間下隼人、ブランク明けを感じさせないスーパー・ライダー、外からの防人、船木誠勝、アレクサンダー大塚もおり、反転攻勢へ向け陣容が整った。
 7月にはビッグニュースが控えるリアルジャパンにとって、光明を見出す15周年の幕開けとなった。
 コロナ禍の混乱で各団体再スタートとなる2020年下半期へ向け、リアルジャパンからますます目が離せなくなっていきそうだ。

■リアルジャパンプロレス 初代タイガーマスク佐山サトル ストロングスタイルプロレスVol.6
日時:6月26日(金) 開始18:30
会場:ストロングスタイルプロレス特設ホール
形式:無観客試合

『ニコニコプロレスチャンネル』チャンネル会員登録でアーカイブ視聴可能⇒
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv326545996


 試合前、木村花へ10カウントが贈られた。

<メインイベント 8人タッグ 60分1本勝負>
[RJ軍]
○スーパー・タイガー(RJPW) 船木誠勝(フリー) アレクサンダー大塚(AO/DC) “仮面シューター”スーパーライダー(RJPW)
 23分46秒 胴絞めチキンウィングフェースロック⇒レフェリーストップ
藤田和之(はぐれIGFインターナショナル) ケンドーカシン(はぐれIGFインターナショナル) 杉浦貴(杉浦軍) ●NOSAWA論外(杉浦軍)
[藤田軍]

<セミファイナル UWAアジアパシフィックヘビー級選手権試合 60分1本勝負>
[王者]
〇間下隼人(RJPW)
 12分38秒 リアルデンジャラスバックドロップ⇒体固め
●横山佳和(VOODOO-MURDERS)
[挑戦者]
※第4代王者・間下隼人初防衛に成功

 かつての盟友とのタイトルマッチにも感傷に浸る事無く、VOODOO-MURDERS流の洗礼を浴びせた横山佳和に対し、王者・間下隼人も随所で掣圏道、掣圏新陰流で培った打撃で反撃。見事初防衛を果たした。


 ベルトの価値を高める為に誰とでも闘うと宣言した間下隼人は、佐山サトルが復帰して巻いてくれるまで、ベルトを肩に掛けて防衛し続ける事も誓った。

<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
●雷神矢口(浅草プロレス) 将軍岡本(VOODOO-MURDERS)
 13分51秒 スクールボーイ
○ロッキー川村(パンクラスイズム横浜) 岩崎孝樹(ガンバレ★プロレス)

 岩崎孝樹の水面蹴りと合体でロッキー川村の全力パンチが炸裂!

<第2試合 一般社団法人国家資格対策センターPresentsスペシャルタッグマッチ30分1本勝負》
○朱里(MAKAI) 尾崎妹加(フリー)
 15分40秒 バズソーキック⇒エビ固め
●松本都(崖のふち女子プロレス) 優宇(フロレスリングEVE)





 タイガーステップを披露したかと思えば、Y字バランスからのカカト落としと、崖のふち流四次元殺法を見せた松本都。試合前に新間寿会長に対戦を直訴したとのこと。



 勝利した尾崎妹加は、優宇を担ごうとして
「今まで対戦してきた中で1番重かった」
と、果たせなかった事を反省。

<第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
●日高郁人(プロレスリングZERO1)
 10分21秒 風車固め⇒ギブアップ
○鈴木秀樹(一時解雇中)

 鈴木秀樹らしいブリッジの効いた人間風車で有料放送へ橋渡し

主催:ストロングスタイルプロレス実行委員会

全試合画像増量での試合詳報は電子書籍版『週刊ファイト』7月9日号に掲載予定!