3・19後楽園 ストロングスタイルプロレスVol.5 で女子タッグマッチ解禁で不穏な空気!?

 プロレスの日、2月19日(水)帝国ホテルでリアルジャパンプロレスが3・19後楽園ホール大会の記者会見を行い、朱里&安納サオリ組vs.松本都&彩羽匠組が発表された。

 会見には、リアルジャパン平井代表と共に、朱里、松本都、彩羽匠と所属を越えた女子プロレスのトップ選手が登場、平井代表から、旗揚げ15年にして女子選手登場の経緯を説明、安納サオリのメッセージを代読した。

安納サオリコメント
「初めましてのみなさん、またすでに知ってくださっているみなさんもこんにちは。
『絶対不屈彼女』安納サオリです。
昨年末フリーになり、そして今、新たな道を進む中で、素敵なオファーをいただきありがとうございます。
初めてのリアルジャパンプロレスさん、そして初対戦の松本都選手、彩羽匠選手、そして隣には朱里選手。なんだかワクワクしますね。
今年は自分を背負う年。
どんな場所でも一目惚れしていただける存在でありたいと思っています。
安納サオリのプロレス見せます」

 続いて、いつもと勝手の違う会見場の雰囲気に緊張した面持ちの各選手からも意気込みが語られる。

 彩羽匠は、
「大事な大会に呼んで頂けてありがとうございます。女子でもストロングスタイルを自分がしっかり見せていきたいと思います。松本都選手がストロングスタイルと呼べるかちょっと解んないんですけど、しっかりカバーして行きたいと思います」
と、タッグを組む松本都を見つめ、プロレスファンの?マークを打ち消す。

 それを受け、かつて鈴木みのるとの対戦経験もある松本都は
「15周年おめでとうございます。みなさんに感謝しています。私がこのカードにいる事に場違いと思う方もいらっしゃると思うんですけど、今回の女子タッグマッチは私がマッチメークを担当させて頂きました。純女子プロレスのマッチメークを担当するのは初めてだったんですけれども、今の女子プロレスを代表する選手に集まって頂けて、凄いカードが組めてしまったな、と自分でも驚いております。私はストロングスタイルも大好きで、石川雄規選手に教わっていた事もありますし、普段出来ないストロングスタイルの試合が出来るという事で、やる気をみせております。佐山先生の技も勝手に練習させて頂いておりますので、当日、良い形で披露できたらなと思っております。今、女子プロレスは日本以外でも、海外でも女子プロレスの波が来ていると思っております。今回、後楽園ホールに来場された方以外、海の外へも届く様な試合が出来たらいいなと思っております」
と、普段とは別の引き出しを開けて闘いを見せる事を宣言。

 最後に朱里は
「15周年記念興行に参戦出来て嬉しく思っております、ありがとうございます。私はキックボクシングでチャンピオンになり、MMA、パンクラスでもチャンピオンになり、UFCの世界で闘ってきました。なので、ストロングスタイル、バチバチのスタイルは自分が見せるべきスタイルだと思っております。カッコイイ、素敵な華やかな女子プロレスを味わって頂きたいと思います」
と自信をみせた。

朱里

 歴史を紐解けば1986年、ジャパン女子プロレスに新日本プロレスから山本小鉄がコーチに就任、旗揚げの後楽園ホールにはアントニオ猪木も姿を見せた。
 また、経営不振に陥った同団体立て直しの為、男女混合で格闘技色の強い団体へのリニューアルを新間寿氏が画策した歴史もある。

 新間寿氏はその後『ユニバーサルプロレスリング』では全日本女子プロレスによる提供試合を受け入れ、男女プロレス交流の大転換を仕掛け、また、WWF(当時)へブル中野を送り込んで、早過ぎた女子革命も起こしている。

 その世界の女子プロレス史を変えた新間寿氏が会長を務めるリアルジャパンプロレスで女子の試合が行われるのも必然ではある。
 リアルジャパン旗揚げ時の15年前は女子プロレス界も暗黒期で、全日本女子プロレス、GAEA JAPANが崩壊。方々で資金がショートし、反社会的勢力も入り込んできていた混乱期だったとの背景を考えれば当時は女子部門が見送られたのも当然だったとも言え、今ようやくその機が熟したのかもしれない。

 今後に関しては、今回の試合内容や反応を考慮してとの事だが、注目されるのは、現在スターダムにレギュラー参戦中の朱里、そのスターダムへ先日参戦した彩羽匠、フリーとなって去就が注目される安納サオリ、DDTグループの総帥・高木三四郎社長と崖のふちプロレス譲渡で関係が強く、アイスリボン出身である松本都という組み合わせ。
 リアルジャパン15周年記念限定の、一夜限りのドリームマッチとなるか、はたまた今後の他団体参戦への何らかのドラマが描かれるのか、注目されるところ。
 あるいはかつて新日本プロレス、全日本プロレスの引き抜き合戦を収める為に新間寿氏が画策した「UWF構想」を現代・女子プロレスに復活させ、団体間のわだかまりの無い中立の存在として交流戦の舞台となっていくという様な事も考えられる。将来女子プロレス史に、大きな転換点だったと記される可能性のある3・19後楽園と言えよう。

 こうして、女子タッグ発表という事で、普段リアルジャパンとは接点のないメディアも取材に来るなど注目の集まった会見となったが、この流れに困惑を隠さないのが、続いて登場したスーパー・タイガー、間下隼人の生え抜き2選手。
 平井代表は15周年の意義を強調したが、開催1ヶ月となったこの時点で、2人のカードが未定だったのである。

 先ず間下隼人は
「昨暮、有言実行でUWAアジアパシフィックヘビー級王者・将軍岡本選手から3カウントを取らせていただきました。この3ヶ月、僕の中では挑戦が決まっているものと思って準備してきました。リアルジャパン15周年イヤーという中で、生え抜きとしては私とスーパー・タイガーしか残ってないので、意地と誇りもあります。桜木裕司師範からの「続けるのも才能」との言葉を胸に、(リアルジャパンに残って)やってきましたから…3月19日、僕の中では(挑戦は出来ると)決まっていると思っている。平井代表が、佐山総監が、新間会長がGOサインくれれば、鉄砲玉として、突っ込んでいく覚悟は出来てます。しっかり準備して(試合に)備えます」
と、憮然とした表情。

間下隼人

 そして続くスーパータイガーは
「今年、リアルジャパン15周年、この最初の記者会見で、私と間下のカードが先ず第1に決まっていない事が、非常に腹立たしい。昨年9月に藤田和之に敗れ、12月に想いをみせ、それから正月返上でしっかりトレーニングし…今このプロレス業界で、藤田和之に挑戦できる人間が(私を置いて)誰が居るんですか。私も間下も覚悟を持って(闘いに)挑んでる。何故僕らのカードが決まっていないんですか。そのこと事態が非常に腹立たしい」
と、平井代表へ強い口調で抗議。

 
 これに対し平井代表は
「藤田和之からベルトを奪還できるという確固たる証を見せてもらえれば…」
と、苦悶の表情を浮かべるが、スーパー・タイガーは
「僕と間下の気持ちは解るって言いましたけど、フロントで忙しいのは解りますが、僕と間下がどんな気持ちでストロングスタイルプロレスを背負ってるか、練習一度でも見に来てからそういう事言ってもらえませんか。そこが非常に腹立たしい」
と、さらに怒気を強める

 プロレスラーであり、格闘家・武道家でもあるスーパー・タイガーだけに、いつも会見では落ち着いた口調で穏やかに話す。そんなサムライが鎧の下から刀を覗かせる程の強い意志を受け、平井代表は苦悶の表情を浮かべる事となった。

 スーパー・タイガーの尋常ではない様子に会見場は凍り付いたが、ここで新間寿氏が口を開き

「平井、お前は忙し過ぎるんだよ。だからスーパー・タイガーの練習だって見に行けない」
と、助け船。そして
「スーパー・タイガーが負けたって良いじゃないか。アントニオ猪木だって負けた試合だって何10試合だってあるんだから。スーパー・タイガーが負けようが、どういう試合をしたかっていう事が問題なんだ。スーパー・タイガーが本当にそれだけの自信があるんだったら、3月19日、藤田和之とでもなんでも試合をやらせれば良いじゃないか。負けたって負けようがあるんだよ、勝ったって勝ちようがあるんだよ。周りが納得する試合っていうのは、アントニオ猪木って人はそういうところを見せてくれた。
スーパー・タイガーだってそういう(猪木に比べて)足りないところがあるっていうんだったら、(他団体に出る)試合数だって増やしてやればいい。スーパー・タイガーにこれだけの(藤田戦に賭ける)気持ちがあるんだったら、もう一度(負ける恐れがあっても)闘わせたって良いじゃないか。
(平井代表に)お前、さっきの女子選手の(試合に賭ける)気持ち聞いたか?お前、女子の選手と試合やってごらん、1発で殺られるぞ。レスラーってのはそれだけ(身も心も)強いんだ。
スーパータイガーは真冬にうちのお寺に来た時に、黙って水に入って、訳も解んないでも水行をしたよ、そういう気持ちを持った男なんだから、平井ちゃん、チャンスは与えてあげるべきだよ。自分のところの選手を本当美大事に思うんだったら、セコンドに着いてやったらどうだ。
お前(平井代表)、何か歌を唄わなきゃ(試合を)やらないって言われて、歌を唄った事があるんだろう?
女子プロレスの選手と、3月19日に1試合やってみたら?プロレスっていうのがいかに凄いかってうのがそれで解るぞ。スーパー・タイガーがどれほど努力してるか解るぞ。
それで(プロレスが凄いって解った上で)3月19日、俺に試合を見せてみろ! って(スーパー・タイガーに)言ってやればいい。
これから15周年を迎えて、病気の佐山ちゃんに変わって自分がリアルジャパンを引っ張ってく。3月19日の試合をそういう気持ちで俺達に試合を見せてくれ。間下も頼むぞ」
と、新間節を炸裂させると、
スーパー・タイガー、間下隼人は
「押忍」
と、短く答え、矛を収めた。

 最後に新間寿氏は、初代タイガーマスク佐山サトルの現状を
「パーキンソン病に近い状態の難病」
と、当面リング復帰の見通しは立たず、厳しいとの見方を示した。
 しかし、佐山サトルの回復を祈願してかねて交流のあったインドの仏教の聖地・ブッダガヤ大菩薩寺マハボディ寺院から、釈迦像に架けてあった袈裟を贈られた事を紹介。
 ブッダガヤで井戸を掘ったり、学校建設などの活動を行っていく事を合わせて報告した。


新間寿氏(右)と、袈裟を纏われた寶樹山常在寺・駒野教晴副住職

最後に、
「私の夢は、80歳を過ぎても、やっぱりプロレス界、格闘技界。その世界で人々が喜ぶ事をやって、その喜びを見て悦ぶ。それが私と、初代タイガーマスク・佐山サトル、リアルジャパンの、選手達の、気持ちでございます。
3月19日、女子プロレスの選手のリアルジャパンでの試合を私はリングサイドで是非しっかり見てみたいと思っております。場外乱闘はしないでほしい。爺は逃げるのが下手でございますから」
と、会見を締めくくった。

 意見を言い合うのは、それだけ信頼関係がある証しでもある。雨降って地固まるの例え通り、3・19後楽園へ向け、リアルジャパンプロレスがフロント・選手団結、闘いを通して皆を喜ばせる大会が行われる事になるとの確信を抱く会見となった。 

■ 初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.5
日時:3月19日(木) 開場17:30 開始18:30
会場:東京水道橋・後楽園ホール

<一般社団法人国家資格対策センターPresents タッグマッチ30分1本勝負>
朱里(MAKAI) 安納サオリ(フリー)
 vs.
松本都(崖のふち女子プロレス) 彩羽匠(Marvelous)

■出場選手:
“野獣”藤田和之(第14代レジェンド王者/はぐれIGFインターナショナル)

“格闘猛虎”スーパー・タイガー(リアルジャパンプロレス)

“ラストサムライ”船木誠勝(フリー)

“玄海の虎”間下隼人(リアルジャパンプロレス)

主催:ストロングスタイルプロレス実行委員会
問合せ:ユーレカ事務局03(3833)3662
席種・料金:VIP席(特典付):12,000円/RS席:8.000円 /A席:6.000円
B席5.000円/トライアルシート:3,000円

スーパー・タイガー&間下隼人出場大会情報

■ COMBO 板橋グリーンホール大会 2020
日時:2月23日(木) 開場11:30 開始12:00
会場:東京・板橋グリーンホール
(東京都板橋区栄町36-1)
チケット: 最前列5,000円/指定席4,000 円(当日500円アップ)
※全席パンフレット付

◎出場予定選手:スーパー・タイガー

<セミファイナル タッグマッチ 60分1本勝負 COMBO連合軍vs.シャドウ軍団>
スーパータイガー 力
 ve.
折原昌夫 シャドウG

◎申し込み:
⇒ e+(イープラス)https://eplus.jp/sf/word/0000136595
⇒ ファミリーマート店内Famiポート

「※上記以外の選手、対戦カードは後日発表。
※出場選手は変更となる場合があります」

■申し込み:
⇒ e+(イープラス)https://eplus.jp/sf/word/4215
(PC&スマートフォン)
⇒ ファミリーマート店内Famiポート

■ キャプチャー・インターナショナル Capture International DUNGEON FIGHT東京大会
日時:3月11日(水) 開場19:00 開始19:30
会場:東京北区・王子ベースメントモンスター

◎席種・料金:フェンスサイドA席(1ドリンク付)6.000円/ステージ上席(1ドリンク付)6.000円/自由席(1ドリンク付)5.000円

主催:Capture International
出場予定選手:スーパー・タイガー、間下隼人
対戦カード:

<セミファイナル タッグマッチ60分1本勝負>
青柳優馬(全日本プロレス) 渡瀬瑞基(DDT) 
 vs.
スーパー・タイガー 不動力也(フリー)

<第2試合 ボクシンググローブマッチ3分5R>
ロッキー川村(パンクラスイズム横浜)
 vs.
間下隼人

■申し込み:
⇒ e+(イープラス)https://eplus.jp/sf/word/0000138507
(PC&スマートフォン)
⇒ ファミリーマート店内Famiポート