[週刊ファイト2月20日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼大日本プロレスの募金実施発表 金融機関からの借り入れ状況、登坂・小鹿両首脳の預貯金など完全に説明不足
by 井上 譲二
・「バス&トラック募金」の実施はさすがに看過できない
・登坂社長や小鹿会長には蓄えがまったくないのか?
・大日本プロのファンに明確に伝えてもらいたい
・今回が2度目という点も引っ掛かる
グレート小鹿会長
いちプロレス・ジャーナリストとして放っておけない問題点がマット界にもいくつかある。リング外については極力、目をつぶっているが、大日本プロレスが2・11後楽園で発表した「バス&トラック募金」の実施はさすがに看過できない。
ハッキリ言えば、ファンに甘え過ぎ。大日本プロは、この一件ですっかり信用を失ったと言わざるを得ない。
今月11日、大日本プロレスの登坂栄児社長が東京・後楽園ホールで行った記者会見の内容を要約するとこうなる。
昨年、リングなどを運搬する大型トラックおよび巡業バスが立て続けに故障→廃車。もう1台のトラックも今年になって故障し現在、修理か廃車で迷っている。いずれにせよ、会社には中古車を購入する体力もない。
そこでレンタカーでこのピンチをしのぐ手段も考えたが、トラック1台につき1日2万円、移動バスに至っては1日25万円も掛かるため地方興行の採算が取れなくなる。従って、やむを得ず、ファンの皆様に募金、振り込みによる経済支援をお願いすることとなった。
大日本プロの台所事情が相当苦しいのは事実だ。数年前から資金繰りに困っているようで例えば毎年興行を買っている兵庫県の某プロモーターは3カ月~半年前に興行ギャラの前払いを要求されている。選手のギャラ遅配も少なくとも1回か2回あったかもしれない。
しかし、災害で道場兼合宿所、トラックなどすべてが使い物にならなくなったというのならともかく、バス&トラックの購入程度なら何とかなりそうなもの。
早い話、25年も存続している団体なので、過去に融資の焦げ付きがなかったり、いま現在、借金返済中でない限り地方銀行なら借り入れ審査は通るはず。数百万程度の融資しか受けられない場合でも、それを頭金にしてローンを組めば済むことではないか?
横浜文体でも大会を成功させている大日本プロレス