コナー・マクレガー肩パンチからカーボーイを40秒殺!UFC246

(c) Jeff Bottari/Zuffa LLC/UFC

 ある意味ではボクシングのメインだけで売っている大会のようなUFC回であった。つまり、「コナー・マクレガー vs. ドナルド・セラーニ」で売ってるのであり、それは秒殺だった結果含めてなんでも米国のTwitterのトレンドで一位になった以下、世間大衆が騒いでくれたのだからそれは大成功には違いない。しかし、セミという順番にした女子カード「ホリー・ホルム vs. ラケル・ペニントン」は酷いモンであり、その昔ホリーがロンダ・ラウジーと闘った時のような期待や興奮もなければ試合には勝ってもレベル的には「なんじゃこれは!」のお粗末なもの。他も、メインカードとしてWOWOW放送のものはどれもイマイチな内容ばかりであり、その昔は金網を蹴っての二段蹴りの映像クリップが未だに使われるアンソニー・ペティスにせよ、なんか衰えてしまったんだなぁと。
 あとから聞いて、最大のアップセットは日本に馴染みのロクサン・モダフェリが、メイシー・バーバーのかませ犬役で呼ばれたのかと誰も期待してなかったのに、1Rから圧倒てして勝利したプレミアムカードであり、それは日本で放送されなかったという・・・。だいたい日本人選手が出ている場合は、メイン後に放送してくれたりするんだが、ロクサンは日本選手扱いにすべきなんじゃないのか? 世の中そんなモンという見方もあるんだろうが、大会全体としてはナンバーシリーズに値しないような懸念も残る本拠地ラスベガスからの興行ではあった。

 ただまぁ、数々の奇行とトラブルで精神異常者だとまで叩かれていたコナー・マクレガーが久々のオクタゴン復帰。自身のブランド名を冠するウィスキーさえしばらく禁酒していたというから、今回は真面目に闘いモードだったということだろうか。開始と同時に距離を詰めたマクレガーの先制パンチこそかわしていたドナルド・セラーニだったが、かがんだところにマクレガーの左膝がヒットしてしまう。セラーニが立ち上がって組み合う格好となるも、マクレガーはその状態から左肩をパンチの要領で4発打ち込んだのが、今後皆が真似するハイライトになるんだろうか。その肩パンチ攻撃でダメージを食らったセラーニに対し、さらにハイキックをクリーンヒットさせたマクレガーは防御のみで攻撃に転じられないうずくまったセラーニを追い込み、最後はレフェリーがわずか40秒での試合終了を告げた。

 2020年初戦で黒星を喫したセラーニは試合後、「今までに見たことのない技だったな。完全に不意打ちだった。次の瞬間には鼻血が出ていて、キックも完璧に決められた。随分早い段階でボコられちまった。しょうがないな。それでもこのスポーツが大好きだ。これからも試合は続けるよ。格闘技がそれだけ好きなんだ。今日は家族も来てくれたし、俺もまだ立っている。ここまで応援してくれたみんなに感謝したい」と話している。

 次回、UFCはアメリカ・ノースカロライナ州ローリーにあるPNCアリーナからの「UFCファイトナイト・ノースカロライナ」になる。メインイベントにはカーティス・ブレイズvs.ジュニオール・ドス・サントスのヘビー級マッチが予定されている。

■ UFC 246: McGregor vs. Cowboy
日時:1月18日(土)、日本時間19日(日)
会場:米ネバダ州ラスベガス T-Mobileアリーナ

【メインイベント】
<ウェルター級マッチ 5分5ラウンド>
○コナー・マクレガー
 1R 0分40秒 TKO
●ドナルド・セラーニ

コナー・マクレガー
「レベルチェンジと同時に相手を肩で攻撃するのは練習してきた。アイルランドやったぞ! 最高の気分だ。この試合で新たに歴史を刻めた。UFC史上初めて、フェザー級、ライト級、ウェルター級の3階級でKO勝利したファイターになることができた。とても誇らしく思うよ。ドナルドも最多ヘッドキックKO勝利を誇る素晴らしいファイターだ。彼の持つ記録も素晴らしいが、そんな彼をヘッドキックを使って攻略することができてうれしいね。本当にうれしいよ。チームも素晴らしい活躍をしてくれた。何よりファンのみんなに感謝したい。みんなからのサポートには本当に感謝している。完全に不意打ちだっただろうな。見事なレベルチェンジだ。ドナルドも全く見えていなかった。良い感じの距離感から肩を入れることができた。うれしいね。完璧に奴のアゴを捉えている。階級をこれだけ変更して、ここまで強いファイターがどこにいるってんだ。それもすべてフィニッシュでな。本当に自分を誇りに思うね。たとえUFCがベルトを剥奪しようが、意味のないベルトを勝手に作ろうが、俺の2階級制覇ステータスには敵わない。それに俺は3階級でKOを決めた。これは誰にも真似できない。覚えておくがいい。歴史に名前を幾度も刻んできたのはこの俺だ。アイルランドを背負ってな! ママ愛しているよ。ドナルドもありがとう!!!」

【セミメインイベント】
<女子バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ホリー・ホルム
 判定3-0(29-28、30-27、30-27)
●ラケル・ペニントン

ホリー・ホルム
「勝利を決められて本当に良い気分。常にもっと多くを求めているし、完璧を求めている。もっともっとやれるって分かっているから。勝ててうれしいし、1年をこの形でスタートできて本当に満足している。彼女はどこをとっても根性が座っているし、経験もたくさん積んでいて、どれを武器にしても戦えるから、最初の試合はあまり見たくなかった。もっとはっきり圧倒したかったのは間違いないし、それができたと思っている。支配できた気がしているけど、十分にダメージを与えられなかったから、そこをやっていきたい。ダメージを与えること。言い訳は好きじゃない。今回のキャンプはいろんなことがあった。でも、コーチが本当に素晴らしくて、私がやるときはいつも一緒に取り組んでくれた。だから結果を残せたと思っている。私の周りには心から支えてくれる人がたくさんいる。それに、みんなそれぞれ人生にはいろんなことがあるでしょ。今回はすごかった。自分ではどうしようもないこと。もう一度、タイトルに挑戦するためにはまだまだ自分の力を見せないといけない。常に大きなノックアウトを狙っているけど、まだ格闘家として学び、成長しているところだから、どこにどうつながっていくかはそのうち分かることよ」

【メインカード】
<ヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○アレクセイ・オレイニク
 2R 4分38秒 アームバー
●モーリス・グリーン

アレクセイ・オレイニク
「2試合に負けていたから、今回の勝利は本当にうれしい。たとえ、本当に良いヤツが相手だったとしてもね。自分のメンタル的にも今回は勝利が必要だった。記録としてはさほどたいしたことはなかったかもしれないけどね。たぶん、向こうは俺のプランを分かっていたんじゃないかな。俺がレスリングを仕掛けるのを分かっていたみたいだし、かなりしっかりとディフェンスに備えていた。相手の守りを突破しないといけないのは分かっていたし、柔術のスキルを生かして一本を取りにいく必要があった。今回の勝利で自信を取り戻すことがメインだった。ランキングはそれほど関係ない。とにかく勝利が必要だった。本当に良い気分だし、パワフルだし、もう一度、自分を信じられる。休んでまた健康になったら、すぐにでも次の試合がしたい」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ブライアン・ケレハー
 1R 2分49秒 ギロチンチョーク
●オデー・オズボーン

ブライアン・ケレハー
「勝利街道に戻れて最高の気分だ。俺の肩には相当のプレッシャーがのしかかっていたけど、それを気にせず、とにかく試合に集中した自分を誇りに思う。自分でも、それしか俺にできることはないと思っていたし、今日、結果を残さないといけないのも分かっていた。金曜日に、メインカードに昇格すると言われたけど、臆さず、何があろうとも、とにかく試合に出て集中するんだと言い聞かせた。遅い時間に戦えて満足だ。水分補給の時間が増えたし、俺にとってはいいことしかなかった。どんな勝利だってうれしい。特に、俺の立場になるとな。でも、向こうはかなり売出しをかけられていて、コンテンダーシリーズから大きな期待を背負っていた。ケレハーのポジションは、とか言われて、まだここにいるべきなのか、とか、そういうふうに見られていんただろうから、自分がここでやれるってことを見せないといけなかった。4月18日、ブルックリンで次の試合ができれば最高だ。そうなるよう願っている。3カ月あるから完璧なスパンだろう。トップ15への返り咲きを狙っている。そのためにベストを尽くす」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
●アンソニー・ペティス
 2R 1分46秒 リアネイキドチョーク
○ディエゴ・フェレイラ

ディエゴ・フェレイラ
「最高だよ、肩の荷が下りた。これでようやく誕生日を楽しめるよ。35歳になるんだ。家族やチームと楽しく過ごす。今週はおもしろかったし、楽しめた。こういう、メディアとかいろんなことが自分にとってはまだ新しい。英語の練習になるし、たくさんの人たちに会えるから、メディアと話すのは好きだよ。だから楽しい。俺の夢はランキングに入ることだから、これでアンソニーのスポットをいただけるはずだし、トップ10に近づける。トップ5に入りたい。まだタイトルのことは気にしていないけど、トップ5入りしたいんだ。今は自分のことに集中したいし、テキサスに戻れば自分のジムがある。2人か3人ほどUFCにファイターを送り込みたい。UFCが次の対戦相手を連絡してきたら、喜んで受けるつもりだ」

【プレリム】
<女子フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○ロクサン・モダフェリ
 判定3-0(30-27、30-27、30-26)
●メイシー・バーバー

ロクサン・モダフェリ
「勝利街道に戻ってこられてものすごくホッとしたし、満足している。友達や家族のみんなが今回の試合でたくさん儲けているといいな! コーチから、自分のダークサイドな部分をもう少し受け入れるように言われた。私は基本的に怖がらないので、みんなが私をまともに見てくれるように集中しようとしたの。これまでも何人かからゼロ(無敗)を奪ってきた。彼女がケガをしていたから、早く回復するように願っている。こうなることもあるから仕方がないの。そのアドバンテージを生かさないといけないし、トップ10をキープできて本当にうれしい。今はいろいろとプランがある。どれが最初になるか分からないけど、誰が相手でも戦うわ。女子フライ級にいる誰が相手でも恐れない。相手がちゃんと体重を作ってくれさえすればね。ちゃんと計量をパスした人が相手だと、かなりいい成績を残しているから。できればあまり計量失敗が多くならないように、少しルールを調整してもらえるといいんだけど。勝ち続けて成長し続ける。シンジケートのチームは最高。感謝してもし足りないわ」

<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
●アンドレ・フィリ vs.
 判定3-0(28-29、28-29、28-29)
○ソディック・ユサフ

ソディック・ユサフ
「しんどい試合になると予想していた。うまく打っていければ自分が勝てるはずだと思っていた。彼はすごい忍耐力だ。タフだしな。あれ以下なんて予想していなかった。向こうはもう長いことやっているから、プレッシャーに押しつぶされるってこともないだろう。ファイト・オブ・ザ・ナイトのボーナスがほしかったから、第3ラウンドはもっと動きのある展開にしたかったんだけどね。ボーナスがあればかなり家族の助けになる。でもまあいい。勝てたからね。ここから進んで、次に向かう。当然、今回がキャリアで一番の勝利だし、フィリはランキング入り間近だったと思うから、この結果で俺のトップ15入りとなればいいんだけどね。そうなれば、どんどんのし上がってやる。1試合ずつ向き合っていくつもりだ。これまでもずっとそうしてきた。ただひとつ、確実に分かっていることはUFCに全力を尽くすということ。それ以外のことはすべて、“その時がきたら考える”だ。自分の才能や取り組み方があったからここに来られた。最後に、ナイジェリアのみんなに伝えたい。“みんな、俺もここにいるぜ。もうすでに上の兄弟たちがベルトを手にしたけど、いつか俺もそこにいく”とね」

<フライ級マッチ 5分3ラウンド>
●ティム・エリオット
 判定3-0(28-29、27-30、27-30)
○アスカル・アスカロフ

アスカル・アスカロフ
「メキシコでUFC初勝利を狙っていたんだけど、残念ながらそれはうまくいかなかった。これで俺のUFC道が本格的に始まる。勝ててうれしいよ。第1ラウンドと第2ラウンドを取った自信はあったから、勝者として俺が呼ばれると思っていた。向こうがかなりアンオーソドックスなのは分かっていたし、難しい試合になるだろうと思っていたから、コーチたちが最高のゲームプランを練ってくれて、それに沿っていけばよかった。自分の打撃に集中したかったし、それがうまくいったのは見ての通りさ。トップランカーの相手に最高の勝利で今年をスタートできたから、これでトップ10に入れるといいんだけどね。トップ10の人たちともっと試合がしたい。今年はあと3試合して、タイトルに挑戦したい。自分の力を証明したいんだ」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○ドリュー・ドーバー
 1R 1分10秒 TKO
●ナスラット・ハクパラスト

ドリュー・ドーバー
「俺にとってはでかい結果だと思っている。向こうはかなりのファンがいるし、世界にファンがいるからな。かなり才能もあるし、とにかく俺は試合に臨んで自分の力を見せつけたかった。チーム・エレベーションはコーチにしても、トレーニングパートナーにしても本当に良くしてくれている。本来の自分でいられるんだ。正直、これまで56試合してきて多くの才能あるヤツらと戦ってきたから、試合しないと言ったことはない。向こうはかなり期待値が高かったけど、自分に力があることは分かっていたし、それを見せつけられたと思う。この試合の後は待望の休みを取るつもりだけど、その後はトップ10、トップ15の誰でもやってくれる人とやる。もう一度、試合を振り返って、自分に必要なものを整えたいと思っているけど、それが終われば本番さ。ハビブとやりたいし、彼より下にいる誰とでもやりたい。だから、最初にイエスと言ってくれた人とやる」

【アーリープレリム】
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○アレクサ・カムール
 判定3-0(29-28、30-27、30-27)
●ジャスティン・レデット

アレクサ・カムール
「UFCで初めての勝利を飾れて最高の気分だ。向こうがタフなのは分かっていたし、かなりハードな戦いになると思っていたけど、うれしいよ。スコアカードを読まれるときは、ちゃんと自分のやるべき仕事は果たせたと思っていた。少しスローダウンしたけど、力強く終わらせられたし、確実にできるよう最後にテイクダウンも決められた。コンテンダーシリーズに出たことがかなり助けになったのは間違いない。UFCに直接行くよりも良かった。ものすごく集中できたから、今回の試合の全部を通して役に立った。できる限りスティペとトレーニングしている。俺のキャリアにとって彼が本当に大きな助けになっているんだ。彼の打撃はハードだから、自分の試合に臨んでも、彼ほど強力にヒットしてくる人はいない。オクタゴンの中でも外でも、彼が俺を指導してくれる。スティペだけじゃない。ストロング・スタイルのチーム全員がそうだ。今年を勝利でスタートすることが本当に重要だって分かっていた。特にメンタル的にはね。すぐにジムに戻ってトレーニングを続け、今年が良い1年になるようにしたい」

<女子フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○サビーナ・マゾ
 判定2-1(29-28、29-28、28-29)
●J.J.アルドリッチ

サビーナ・マゾ
「今年の出だしに勝利できて最高よ。思い通りのスタートになったし、それに、今日のオープニングマッチでファンのみんなにショーを見せたかったし、エネルギーを引き出したかったから、みんなが楽しんでくれていることを願うわ。ファイターとしてかなり成長している。デビュー戦で負けたときでさえ、たくさんのことを学んだし、今の私がいるのもあれがあったから。私は毎試合、何かしら違っていてもっと成長した私を見せるつもり。体重は試合に影響しなかった。気分は良かったわ。でも、次はプロらしくやり遂げられるようにするし、すべてしっかりやってみせる。今年は記憶に残る試合がしたいし、みんなに私の名前を知ってもらいたい。何試合やるとか、いつとかは分からないけど、呼ばれたときには成長した自分で覚悟を持って挑むわ」


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