[ファイトクラブ]新日本プロレスとスターダムの2020年!年商検証と葉月・花月の引退

[週刊ファイト1月2-9日合併号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼新日本プロレスとスターダムの2020年!年商検証と葉月・花月の引退
 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・貨幣価値だけではなくチケット代がまるで違うことを知らないのでは?
・チケット/グッズなど興行収益検証:97年の年商をようやく超えた現体制
・はびこる虚構「MSG進出も成功させた新日」?岩谷麻優が女子MVP?
・葉月「こういう不本意な引退をするとは思ってなかった。スターダム大嫌い」
・花月引退発表:盲目的なファンの課題が国内の底辺拡大を阻んでいる


―― 今週の国内の話題は、やはり12・24後楽園ホール『STARDOM YEAREND CLIMAX 2019』での葉月の引退試合、翌25日には花月までもが引退を発表したことでしょうか。

オフレコ 「新体制になったんで、自分のような古い考えの者は・・・」と話してたんで、先に始めていた『Decade(10年)回顧』テーマの記事とは分けて独立させるしかないね。当然、こっちに新日本プロレスの2020年が入ることになる。スターダムは本稿の後半やな。すでに対談収録したほうのは、サイト発表の順番ではあとになる。時事ネタはスピード優先やから。

貨幣価値だけではなくチケット代がまるで違うことを知らないのでは?

―― ではこちらの冒頭は、安威川敏樹のコラムにTwitterで噛みついてきた奴がいた件から。

▼2020年に向けて、プロレス界を盛り上げていくために

2020年に向けて、プロレス界を盛り上げていくために

【重箱つつくのもあんまり大人げないけど、1980年代どころか最高の売り上げがあった1990年代を超えたって公式に声明があったうえに当時はできなかったMSG大会を開催した今の新日本を「当時と比べるべくもない」って評するのはナンセンスだと思う】

オフレコ 飛んで火に入る夏の虫なんじゃないの(笑)。どうせ食わず嫌いで有料版を読んでない奴やから放置するしかないんやけど、書いたものが独り歩きする傾向には釘はさしておくべきやけどな。ただ、もう何回、似たようなことをこれまで本誌に残してきたことか・・・

―― 一般公開サイトじゃないため多くには読まれてない以上、繰り返しも致し方ありません。井上(譲二)さんともよく話しますが、90年代のドーム大会を連発していた頃は、世間がまだプロレスを話題にしていたし、三銃士とかが大衆の会話にも出てきた。しかし今は・・・ということかと。

オフレコ 映画の興行収益ランキングも、同じことが言われてるが、物価の上昇とはまた違う急カーブで入場料金が日米ともに上がったから、近年の作品が上位を独占するのは当然であって、比較はナンセンスだと指摘されている通り。

―― 物価とかと並列な業種ならともかく、エンタメ業界の場合は、単純な貨幣価値とかで計算してはいけないものであって、コンサートのチケットも日米ともにえらいことになっています。例えばU2やメタリカが年に収益1億ドルを突破するのは、イチバン安い席でも100ドルとかにしてるから。特等席は天上知らずなのはご存じの通り。仮に新日が動員数とか横ばいだったとしても、平均チケット単価が90年代とまるで違うのだから、単純計算というか足し算による年商を使った比較はちゃんちゃらおかしいことかと。

オフレコ 大本営発表を鵜呑みにする性癖がプロレスファンの特徴なんかねぇ。グローバルなものの見方を身に着けないと独りよがりになってしまう。

―― 事実、WWEは10倍どころか実態なら100倍の格差になっているのは本誌が繰り返し指摘した通りです。そりゃ放送権料が日米で事情が違うとか言い出したら別要因もあるにせよ、やはりチケット/グッズなど興行収益もまるで違う。チケット単価の高騰は日本と同じだというのに。

オフレコ 以前もシュート活字委員会担当の対談記事で活字にしたけど、僕が毎月のMSG定期戦をジョージ・ナポリターノらと一緒にリングサイドで撮ってた頃なんか、ラテン系の裕福でない家庭に家族で来てくださいと、天井桟敷席なんか$12だったのが、今やこれまた$100やから。もっともそのせいでMSGはもう満員にならなくなった。WWEは年1,2回のハウスショーとしてしか使わなくなったんやけど・・・。TV中継だと会場代がさらに見合わない値段になるから。

―― それで物価が10倍になったのか、そうじゃないだろう、と。エンタメ業界はまた尺度が別なんです。

オフレコ さらに比較検証持ち出すなら、WWEの年商は数倍どころかとてつもなく巨大化してる。

―― はい、わかりやすい数字ならWWEの2005年の年商が$366ミリオン、それが2018年では$930ミリオンですから、邦貨にしたらとっくに1000億円を超えています。2019年秋からは地上波FOXからも、契約金が倍額になったUSAネットワークからもさらに巨大な放送権料(邦貨にして年300億円弱)が入ってきます。ハウスショーの不振とか課題はあるんですが、2019年度の売上がさらに増えることは確定済みなんです。

オフレコ アメリカはまた別モノとか、また必ずクレームくるで(笑)。凝り固まった奴らは聞く耳持たないからなぁ。見えてないのか、見ようとしてないのか。

―― 同期間を取り出しても、エンタメ業種ということなら吉本興業とかも加速して巨大化したことを持ち出せば、新日本プロレスが筆頭団体という構図は変わってないのに、「全然駄目じゃないか」と誰も声高に指摘しないところが、ヲタク優先になってジリ貧を続ける末路に帰着しています。

オフレコ これが純利益とか、利益率計算を持ち出すなら話もまた違ってくるけど、ブシロード本体の黒字分とのオフセットで、税金に取られるくらいならとJR車体の広告出しましたとかで、新日の財務諸表につけてないことは公表もされていることやないか。そんなんまで入れたら、V字回復とさかんに広報されているけど、そりゃあのドン底に比べたらマシになったというだけやろが。

―― 一応、決算上の数字では1997年が年商39億円で、2019年に発表されたのが54億円なんですけど、100億円目標と言ってたのにまるで届いてないです。それに来年はオリンピックですから、言い訳があるにせよむしろ落ちるんじゃないかと予想されてますから。

オフレコ 本誌では繰り返しになるんやけど、今週号で様々な数字をまた再度出すしかないな。

―― 年内最終号なんだからその企画テーマで正解かと。


’19年10月03日号鬼神ジェイDESTRUCTION神戸 北米バブル秋TV改編 中川達彦 長州地獄

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