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12月21日(現地時間)にオランダ王国ヘルダーラント州アルンヘムで『GLORY: COLLISION 2』が開催された。
グローリーは、ヨーロッパのキックボクシング団体。2011年のFEGの経営悪化によるK-1の活動休止に伴い、世界的に大規模なキックボクシング団体がなくなったため、ピーター・アーツやクリス・ナギンビ、ムラット・ディレッキーらは引退、タイロン・スポーンやグーカン・サキらは総合格闘技またはプロボクシングへの転向を表明するなど、キックボクシング界の人材流出が顕著になっていった。そこで、K-1を買収するつもりだったバス・ブーンと、ブーンに協力していた大手独立系スポーツ・マーケティング広告代理店トータル・スポーツ・アジア(TSA)、石油系ヘッジファンド『BlueGold』の運営で財を成した投資家のピエール・アンデュランド(Pierre Andurand)らが改めて結託し、ピエールとTSAが合わせて総額3000万ドル(約23億円)以上の出資をして、ゴールデン・グローリージムとは独立した興行の運営母体としてグローリー・スポーツ・インターナショナル(Glory Sports International Pte LTD.)を設立(略称はGSI)。2012年3月23日のモスクワ大会で事実上旗揚げした。但し、巨額の損失からバス・ブーンらは追われてしまう。何度かの組織変更の末、北米を照準にして2016年2月、UFCファイトパスでの配信を開始した。
今大会がグローリーが開催する2019年最大のビッグイベントであり、メインはヘビー級王座戦で、絶対王者として君臨しているリコ・ヴァーホーベンが、キックボクシング界のレジェンドであるバダ・ハリの挑戦を受けた。バダ・ハリは初代IT’S SHOWTIME世界ヘビー級王者、初代K-1ヘビー級王者など輝かしい実績を持つが私生活でのトラブルが多く、近年は長期ブランクと復帰を繰り返している。この両者の対決は2016年に行われているが、その時はバダ・ハリの負傷によりヴァーホーベンのTKO勝利となっている。才能の塊であるバダ・ハリだがブランクもあり、絶対王者として君臨しているヴァーホーベンが下馬評では有利となっている。ただし、人気は圧倒的にバダ・ハリだ。その圧倒的なバダコールに力をもらってなんと1Rにフックでダウンを奪ったのはバダ・ハリだった。更に3Rにもハイキックでヴァーホーベンから二度目のダウンを奪ったバダ・ハリ。しかし、勢いに乗ってバックスピンキックをしたバダ・ハリは、倒れ方が悪かったようで、足を負傷してしまったのだった。またしてもアクシデントで試合ストップとなりヴァーホーベンがバダ・ハリの負傷の為、TKO勝利。ただし、ダウンを奪って優勢だったのはバダ・ハリだっただけに、これは三度目の決着戦が組まれるのは間違いないだろ。
セミファイナルでは元Enfusionライトヘビー級王者ルイス・タヴァレスがステファン・サスペラギーと対戦。試合は1Rにダウンを奪ったタヴァレスが判定勝ちした。
日本のシュートボクシングでも活躍したザカリア・ゾウガリーも参戦しており、エイサー・テン・パウに判定で圧勝した。
またミドル級王座戦も組まれ、王者アレックス・ペレイラが挑戦者エルトゥルール・バイラクにKO勝利して王座防衛を果たした。
■ GLORY: COLLISION 2
日時:2019年10月12日(現地時間)
会場:オランダ王国ヘルダーラント州アルンヘム
<ヘビー級タイトルマッチ>
○リコ・ヴァーホーベン(オランダ/王者)
3R TKO
●バダ・ハリ(モロッコ/挑戦者)
<ライトヘビー級>
○ルイス・タヴァレス(オランダ)
判定
●ステファン・サスペラギー(フランス)
<ライト級>
○モハメド・ジャラヤ(モロッコ)
判定
●マサロ・グランダー(南マルク)
<フェザー級>
○ザカリア・ゾウガリー(モロッコ)
判定
●エイサー・テン・パウ(アメリカ)
<ミドル級王座タイトルマッチ>
○アレックス・ペレイラ(ブラジル/王者)
1R TKO
●エルトゥルール・バイラク(トルコ/同級1位/挑戦者)
What a fight it was. #COLLISION2 pic.twitter.com/z1nzlsB1tU
— GLORY Kickboxing (@GLORY_WS) December 21, 2019