新クルーザー級王者エンジェル・ガザ求婚!フィン・ベイラー来週NXT王座挑戦へ

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 冒頭に持ってきたNXTクルーザー級(元205 LIVE)王座戦がとにかく凄すぎた。ついにこの間までは、キザな伊達男ヒールだったエンジェル・ガザなんだが、お客さんがベビーフェイスとして扱っている、声援していることもあるのか、一応はベビーフェイス同士のカードではあるのだが、尺も約20分とって、超白熱の試合になったのだ。しかも、ガザの王座戴冠だけでは終わらなかったのだ。なんと客席にいたガールフレンドをリングに上げ、ダイアモンドのリングを差し出してプロポーズしたのである。こっちはもちろんリアルだ。あんなRAWのルセフとラナの離婚アングルに、いい加減うんざりしていた矢先だったので、やはりリアルをやられたら説得力がまるで違う。
スパニッシュフライが鮮やかに決まるとお客さんの「NXT! NXT!」コールが爆発する。
リバースフルネルソンでタップアウトを奪うフィニッシュ。受け役リオもパーフェクトだ!

 これでガザは、晴れてベビーフェイスになったばかりか、新日本プロレスのタイチよろしくロングパンツを途中で引っ剥がすのを、毎回違う女性客の前でやっていたプレイボーイのキャラから、ファミリーマンになったのだから素晴らしい。これでメキシコ生まれの本物のメキシカンが、このタイトルの初戴冠となって、全世界ではラテン系のWWEユニバースはもの凄く大きな割合であることを思えば、これ以上にないhappy endingだったのではなかろうか。

 以降、レスリング重視で試合を次々にみせるNXTなんであるが、AEWのエンタメ番組としての完成度を堪能したあとに、日本の視聴者の場合はWWEネットワークを見る順番ということもあり、悪い試合はひとつもないのだが、やや中だるみに感じた嫌いは残ろう。今後の展開を考えてこの選手も、あの選手も出しておこうという回だったこともあり、長期にプログラムを計画するには必要悪な面もあるとは弁護すべきか。ただ、AEWの若くしてヒールのプロモが天才の域にあるMJFの毒舌や、クリス・ジェリコのセグメントを見たあとだと、試合、試合、試合という構成がややマニア向きに感じられたのが正直なところ。もっとも、次週がAEWもNXTも戦争12週目のひとつのピークと考えており、両方とも目玉カードで視聴率対決することを思えば、今回の構成はプロデュースする側からみれば他に選択の余地はなかったとなろう。

 例えば、NXT UKから乗り込んできたトラビス・バンクスは、フォゴットン・サンズのジャクソン・ライカーに左眉下を深く切られるガチのアクシデントでも最後までやり遂げるとか、全員ががんばってはいたのだが・・・。
 また新しいコスチュームでヒール道をまい進するダコタ・カイとミア・イムのカードは、カイがコーナーのターンバックルを外して剥き出しの鉄骨にイムをぶつけておいてピンフォールという、ヒールの常套手段まではいいとして、納得しないイムが最後にプロダクション機材の上からバックドロップして二人して2台のテーブルを壊すスポットがあったものの、危険な角度で両者とも頭から突っ込み、1台のテーブルだけが壊れるという予定外があり、カイは頭を打ったように見えた。実際あとから、やはりカイは8針縫うことになったという。

 また、ファッションポリスことブリザンゴとインドのシン・ブラザースの試合も、ファンダンゴは花道でヒジを打ち付けたみたいだ。AEWとの生中継合戦は危険な面があると報道せざるを得ない。

 その次週はいよいよ、シェイナ・ベイズラーの女子王座にリア・リプリーが挑戦する大一番である。両者のこれまでの歩みをビデオにまとめた映像は非常に良く出来ていた。いよいよ・・・なのである。


 さて、問題はメインイベントだ。アダム・コールのNXT王座挑戦権をかけて、フィン・ベイラー、キース・リー、トマソ・チャンパが激突するのだが、フィニッシュは巨体のリーがチャンパにスピリット・ボムを見舞うものの、その直後にプリンスがクー・デ・グラを極めてリーをフォールするというもの。当然3 way戦ならではの”横取りの言い訳”はつけてあるものの、せっかくキース・リーがブレイク中だというのに、なんでここで負け役なのかとは、大人のファンはみんな思ったのではなかろうか。キース・リーの勝利をNXTユニバースは願っていたのではないのか? この3選手だから、もちろん悪い試合とかじゃないんだが、やはりケツの印象が残ってしまう。
 WWE側に立てば、AEWとの戦争で次週は重要だから、女子王座戦、アダム・コールの防衛戦を並べて満を持する以上、やはりライト層への知名度を思えば、長らくNXT王者を務めてRAW王者にもなっているフィン・ベイラーのカードにした方が良いという判断だと推定するが、それこそベイラーはスターとして確立しているのだから、3 way戦のお仕事役だろうが”落ちる”ことなどなにもないと思うのだが・・・。AEWは年内最後になる次週(クリスマスになる25日は中継休み)、これまで世間にはまったく無名だったジャングルボーイ・ペリー対クリス・ジェリコなんだが、小さいペリーが勝つ可能性だってあるというのをジェリコがうまく演出していたのと対比してしまうのであった。


 ちなみに平均視聴者数はAEWもWWEも両番組ともに778,000と、抜きつ抜かれつのデッドヒートが展開中。今週はトランプ大統領のウクライナ疑惑公聴会があったこともあり、両陣営とも前週より落ちてはいるのだが、来週は切り札カードが切られることもあり共にアップすることが予想されえちる。

■ WWE NXT
日時:12月11日(現地時間)
会場:米フロリダ州 オーランド近郊 フルセイル大学スタジオ

◆KUSHIDAとグライムスの抗争が勃発!

 NXTに復帰したKUSHIDAとキャメロン・グライムスの抗争が勃発した。先週、KUSHIDAがグライムスとの試合に勝利すると、後日グライムスがパーフォーマンスセンターでKUSHIDAを襲撃。グライムスはスタッフが止める中でKUSHIDAをロッカールームに叩き付けて痛めつけた。すると報復を狙うKUSHIDAはNXTで行なわれたグライムスの試合途中に突如リングサイドに登場。するとこれに動揺したグライムスが対戦相手のラウル・メンドーザにウラカン・ラナで丸め込まれて3カウント。してやったりのKUSHIDAは嘲笑うとグライムスの帽子をかぶって奪い去った。

◆フィン・ベイラー対アダム・コールのNXT王座戦が決定

 フィン・ベイラーがトマソ・チャンパ、キース・リーとのトリプルスレットNXT王座挑戦者決定戦に挑んだ。序盤、リーが巨体でのクロスバディを繰り出し、チャンパも串刺しのランニング・ニーからダブルDDTを決めると、ベイラーもダブルフットスタンプで応戦して3者互角の攻防を展開した。さらにトペ・コンヒーロをチャンパに決めたベイラーは必殺のクー・デ・グラを狙ったがチャンパがこれを回避。終盤にはリーがチャンパに豪快なムーンサルトからスピリット・ボムで勝負が決まったかに思われたが、その間にコーナーに登ったベイラーがクー・デ・グラをリーに炸裂させて3カウント。ベイラーが王者挑戦者決定戦を制し、次週に王者アダム・コールとのNXT王座戦が決定した。


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’19年12月19日号全日最強タッグ AEW-NXT 新日本キック MLWオペラカップ 鷹の爪大賞