[ファイトクラブ]11・4 RISE135 後楽園で見えた世界戦略への懸念

[週刊ファイト11月21日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼11・4 RISE135 後楽園で見えた世界戦略への懸念
 Photo & Text by こもとめいこ♂
・井上尚弥への中二病的思い
・RISEルールへの懸念
・現メンバー最後のRISE FORCE


 衛星放送やネット配信など、見きれないほどの多チャンネルが全国津々浦々に行き渡っている現在からは想像できないかもしれないが、1970 年代の筆者の故郷福島県では民放のテレビ放送局は2局のみであった。当然、キー局5局分の番組が入り乱れる事になるので、月曜日19:30~福島テレビでTBS の『キックボクシング』が放送された直後の20:00~福島中央テレビでテレ朝の『ワールドプロレスリング』が観れるという、闘いのワンダーランドな編成だった。
 毎週90分どっぷり“格闘技”に浸っていたので、ブルース・リーに憧れる同級生を、
「いや、ブルース・リーが強いのは映画だからで、本気で闘って強いドラゴンは藤波辰巳(当時)だろ」
と、小馬鹿にしていたのはプロレスの仕組みをしらなかった幼少期の笑い話ではある。
同様に、ボクシングの事も
「脚で蹴るキックの方が凄い」
と、馬鹿にしていて、プロレスラー最強幻影を経て、今でもあまり変わらない感想を抱いている。
 メイウェザーの、神童の蹴りに対する執拗な警戒心を考えれば、これは中二病的偏見ではないだろう。そんな訳で、井上尚弥とドネアの試合にも感心がなかったのだが、ミーハーなカミさんがテレビで見るのを見るとはなしに見ていた。
 穿った見かたが習い性なので、ドネアから何が何でも勝つという執念を感じなかったのが不思議だったが、試合としては面白い試合だったと思う。
 ただ、やっぱり、あのストレートより、神童の蹴りやヨードレックペットの肘の方が凄いよな、と、頭の中の少年の残滓が話しているのが聞こえた。

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