9・16幕張WORLD SERIES大盛況! 神童&王子の2枚看板でRISEは世界へ!!

 元ラジャダムナンの王者にして日本ムエタイの至宝と呼ばれた梅野源治が遂に日本選手の前に崩れ落ちる瞬間がやってきた。
 RISE WORLD SERIES決勝という大舞台、若き実力者チャン・ヒョン・リーを下してそこへ立った梅野源治だけに老獪なテクニックでRISEライト級王者、白鳥大珠を苦しませるとの予想に反し、1R終了間際に、かつてボクシングでスーパーフェザーのベルトを巻いた豪腕の前に2度のダウンを喫し、立ち上がる事ができなかった。

 準決勝でもムエタイのスーパースター・セクサンから2度ダウンを奪った王子が、その二つ名にあったか細いイメージを完全に払拭、
「僕がRISEを引っ張っていきます」
と高らかに宣言した。


 続いてメインに登場した神童・那須川天心は、試合前から拳を痛めるという最悪の状態ながら、神の手によるバンテージの力を得てそれを感じさせないファイトをみせた。

 試合後、神童はマイクを持つとK-1の武尊に対し
「やりましょう」
とメッセージ。場内を沸かせた。

 大会後の会見でも色めき立つメディアの質問に、改めて
「SNSとかじゃなく、正式にオファーを出してもらいたい」
と、リップサービスではない事を強調。
 また、賞金の1000万円に関しては、TEPPEN GYMのある千葉への募金以外に、以前から『天心ファミリープロジェクト』として行っている、特別養護施設などの子供を支援する『PEACE PROJECT』への支援も表明した。

「もっと、もっと大きな所を目指したい。自分の試合を観て元気が出る子が沢山いる、僕の試合が、誰かの人生の分岐点になれるって凄いなと思う。そういう風に思ってもらえる人が増えてくれれば、僕は嬉しいし、格闘技やってきて良かったなって思える」

 準決勝でムエタイの最高峰・ルンピニー王者のスアキムを下し、その同じ準決勝でラジャダムナンの王者ルンキットを下した志朗に勝って優勝した神童にとって、既に武尊との1戦は重要なものではなくなっている、そう思わせた。

 武尊への神童の発言を受け、RISEの伊藤隆代表も
「やるなら半年以内で、1年後とかじゃお客さんも興味が無くなると思う」
と、後押し。さらに場所についても、
「(K-1でもRISEでもない)中間の大会で、大晦日とか、(K-1 vs.RISE)全面対抗戦でもなんでも」
と、暗に大晦日RIZINでの実現を提案した。

伊藤隆代表

 結果、注目の1戦の実現はK-1サイドの出方待ちとなったが、RISEのメッセージへの武尊の反応をみるとトーンダウンの感は否めない。

 また、伊藤代表は、今年のRISEで数千人規模の会場での成功を踏まえ、2020年は
「1万人規模で3回ぐらい」
と、さらなる拡大路線を名言。
 五輪の影響で、夏に首都圏での開催が出来ない為、上半期にさいたまスーパーアリーナクラスへの進出が濃厚。

 だが国内の景気は、小子高齢化に加え、10月の消費税増税、五輪後の反動と、さらなる縮小が予想される。となれば当然、世界の強豪とのトーナメントを征した那須川天心、白鳥大珠の2枚看板を携え、世界市場へ打って出る事が予想される。
 メインスポンサーであるCygames、さらにその親会社のサイバーエージェントもこの路線に異論がある筈がない。
 ブシロード・新日本プロレス同様、見据えるのは世界市場であり、神童にとってもRISEにとっても、K-1・武尊との「やるやらない」の水掛け論は、既に日本国内の小さなコップの中の些末な出来事となりつつある。
 そう感じさせた、RISE WORLD SERIES 2019 Final Roundの盛況ぶりとなった。

■ Cygames presents RISE WORLD SERIES 2019 Final Round
日時:9月16日(祝月) 本戦開始15:00(オープニングファイト13:45分開始)
会場:幕張メッセ・イベントホール
観衆:7200人(超満員=主催者発表)

<メインイベント(第12試合)RISE WORLD SERIES 2019 -58kg Tournament決勝戦 3分3R延長2R>
○那須川天心(日本/TARGET/Cygames/初代RISE世界フェザー級王者、ISKAオリエンタルルール世界バンタム級王者)
 判定 3-0
●志朗(日本/BeWELLキックボクシングジム/ISKAムエタイ世界バンタム級王者)



 お互い、大技も応酬し、判定ながら文句の着けようがない勝利に、神童は
「お互いが間合いを保ち、入ったら殺られる、格闘技通好みの試合だったと思います」
と振り返った。

<セミファイナル(第11試合)RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament決勝戦 3分3R延長2R>
○白鳥大珠(日本/TEAM TEPPEN/第5代RISEライト級王者)
 KO 1R 2分59秒※左ストレート
●梅野源治(日本/PHOENIX/元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者)


<第10試合 SuperFight! -54kg 3分3R延長1R>
○鈴木真彦(日本/山口道場/第7代RISEバンタム級王者)
 判定 本戦 0-1 延長 3-0
●田丸辰(日本/平井道場/初代RISEスーパーフライ級王者)

<第9試合 RISE WORLD SERIES -61.5kg 3分3R延長1R>
●チャンヒョン・リー(韓国/RAON/第5代RISEスーパーフェザー級王者)
 判定 0-3
○原口健飛(日本/FASCINATE FIGHT TEAM/Road to RIZIN KICK Tournament優勝)

<第8試合 RISE WORLD SERIES -59kg 3分3R延長1R>
○スアキム・PKセンチャイムエタイジム(タイ/PKセンチャイムエタイジム/ルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者)
 KO 1R 2分30秒 ※ミドルキック
●ニキータ・サプン(ウクライナ/Octagon Kiev/2013年ヨーロッパテコンドー選手権王者、2016年テコンドー選手権ウクライナ大会銀メダル)

 RIZINのMMAルールで“神童を苦しめた”“リトル・ボブチャンチン”ことニキータ・サブンだったが、ルンピニー王者の壁は高過ぎた。
 スアキム思わず苦笑いの圧勝劇となった。

<第7試合 RISE WORLD SERIES -58kg 3分3R延長1R>
●森本“狂犬”義久(日本/BRING IT ONパラエストラAKK/フェザー級2位)
 判定 0-3
○タリソン・ゴメス・フェレイラ(ブラジル/Champions Factory/SAIKYO GP優勝)

<第6試合 SuperFight! -67.5kg契約 3分3R延長1R>
〇“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館/第2代RISEウェルター級王者)
 判定 本戦0-0 延長3-0 
●タップロン・ハーデスワークアウト(タイ/ハーデスワークアウトジム/スーパーライト級3位、元WMC世界フェザー級王者)

「前回の敗戦で成長できた。タップロンには感謝してます」
と語ったベイノア、次戦はベルトを賭けての再々戦もあり得る。

<第5試合 -64kg契約 3分3R延長1R>
○秀樹(新宿レフティージム/ライト級1位、K-1 REVOLUTION FINAL-65kg級世界王者)
 判定 3-0
●稲石竜弥(TEAM OJ/元Bigbangライト級王者、元MA日本ライト級王者、元APKFスーパーフェザー級王者)


 変態技に苦しんだ秀樹が3Rダウンを奪って逆転勝利。いちか夫人共々、王者・白鳥大珠への時期挑戦をアピールしていく事になりそうだ。

<第4試合 -64kg契約 3分3R延長1R>
○直樹(BRIGN IT ONパラエストラAKK/ライト級6位)
 判定 3-0
●松本芳道(KICK-DIET吉野町/元新日本キックボクシング協会ライト級王者、K-1 WORLD MAX 2010 -63kg Japan Tournament3位)

<第3試合 -56kg契約 3分3R延長1R>
●金子梓(新宿レフティージム/バンタム級8位)
 KO 2R 2分09秒 ※3ノックダウン
○京谷祐希(山口道場)

<第2試合 アトム級(-46kg)3分3R延長1R>
●百花(魁塾/NJKFミネルヴァ日本アトム級王者)
 判定 本戦 0-1 延長 1-2
○平岡琴(TRY HARD GYM)


アトム級女王、百花は延長の末、TRY HARD GYMの平岡琴に惜敗。第1試合ではベルトを争った那須川梨々が鮮烈なKO劇を演じており、いてまえクィーンが早くも正念場となった。

<第1試合 アトム級(-46kg)3分3R>
○那須川梨々(TEAM TEPPEN/2017年KAMINARIMON全日本女子-45kg級優勝)
 KO 2R 0分10秒 ※右ハイキック
●上仮屋真莉(ROAD MMA GYM/第4回K-1チャレンジ女子Bクラス 全日本トーナメント−50kg優勝)


 神童が
「練習するようになった」
と、評した那須川梨々が女子では難しいKO勝利を挙げ、喜びの号泣。

<OPF.4 ウェルター級(-67.5kg)3分3R>
高木覚清(岡山ジム/JAPAN KICK BOXING INNOVATIONウェルター級9位)
 判定 0-1 引き分け
宮城寛克(赤雲會/TENKAICHIウェルター級、ミドル級王者)

<OPF.3 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R>
●大石健作(TEAM TEPPEN/K-2 GRAND PRIX 2019 軽中量級準優勝)
 判定 0-3
〇齋藤奨司(FIGHT FARM/2018年KAMINARIMON全日本大会-65kg級優勝・大会MVP)

<OPF.2 フェザー級(-57.5kg)3分3R>
〇新井海希(極真会館)
 KO 2R 1分45秒
●田上健太(フリー)

<OPF.1 ミニフライ級(-49kg)3分3R>
●ERIKO(ファイティングラボ高田馬場)※宮内恵理子からリングネーム変更
 判定 0-3
〇AKARI(TARGET/2018年KAMINARIMON全日本女子トーナメント-52kg級優勝)


追記


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